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カテゴリ:北京冬季オリンピックの記事一覧

韓国メディア「韓国が勝ったイギリスと日本が女子カーリング決勝に進出。韓国としては物足りない結果だ」

「交錯した運命」チームキムが勝った日本・イギリス決勝で対決(ソウル新聞・朝鮮語)
チームキムとしてはさらに物足りなさが残る結果だ。日本とイギリスは予選で韓国にそれぞれ5-10、7-9で敗れた。一方、スイスとスウェーデンは韓国をそれぞれ8-4、8-4で勝った。偶然にも、チームキムが予選で勝ったチームは決勝に行き、予選で負けたチームは準決勝に行った。
(引用ここまで)


 「決勝に行った日本代表にもイギリス代表にも勝ったのに、韓国代表は予選敗退した」
 ……知らんがな。
 日本もイギリスも1次リーグでそれ以外の国で5勝稼いだから準決に行けたわけで。
 前回のワールドカップのグループリーグで「世界ランキング1位のドイツに勝ったので失敗じゃない」なんてのも同じですが。
 目的はノックアウトステージに登ることで、特定の国に勝つことじゃない。

 日本代表が韓国代表に負けた時は、韓国メディアはそりゃ大騒ぎでしたわ。
 でもま、結果はこう。


 ホントに韓国が混ざるとこうして後味が悪い。
 勝とうが負けようが。
 敗退していなくなってですらこうですからね。なんかひとつ付け足さないと気が済まない。

 チーム同士の交流とか関係がどうあるのかはともかく。
 韓国が本戦にこなかったラグビーのワールドカップがどれだけ清々しかったことか。
 しみじみと思い知りますね。

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韓国メディア「韓国から日本選手への応援に日本が感動した」……でも国同士の友好は別だよ?

【コラム】韓国の応援に感動した日本(朝鮮日報)
 SNS(会員制交流サイト)でも平野選手が大きな話題になった。中でも面白いことは韓国メディアが平野選手の競技を中継した映像を日本人が共有したことだ。韓国の解説者は平野選手に「行こう!」と叫んだ。平野選手の点数が出た瞬間「歩夢がついに審判を説得した」と喜んだ。感激した声で「身体の限界は壁ではない」「(スポーツは)身長ではなく心臓でやるものだ」と叫んだ。

 韓国の解説者が平野選手を熱く応援したことに日本人たちも大きく感動したようだ。韓国関連のニュースがネットで話題になると、そのコメントや書き込みは到底見ていられないのが普通だ。しかしこの日は違った。「韓国の解説者の情熱が韓日関係も解決してくれそうだ」「韓国語は分からないがただ良い気分だ」「やはりスポーツは本当に良い」などのコメントが相次いだ。「ネットばかり見ていると(両国関係は)険悪さしか感じないが、現実のほとんどはこんなものだ」との評価もあった。 (中略)

 韓日関係は最悪だとされるが、実際に日本人と会えば「韓国人から受けた好意や親切に感動した」といった話をよく聞く。知韓派日本人の多くが「韓国関連の仕事をなぜやるようになったのか」との質問に「韓国を初めて訪問したときに親切な韓国人から良い意味で衝撃を受けた」と語る。その逆も同じだ。

 2019年に日本が輸出規制を行ってから両国関係は改善の兆しが見えない。その間に日本では首相が2回交代したが、対面での正式な首脳会談は1回も行われていない。コロナの影響もあるが、民間交流も完全にストップしている。それでも今月12日に林芳正外相就任から3カ月後に両国外相が直接会って会談した。これまでの主張を繰り返しただけで終わったが、「それでも率直な意見交換はできた」との評価もあった。政府高官も民間も直接会って交流しようとする努力を続けねばならない。状況が困難であっても実際に会えば何かが見えてくるはずだ。
(引用ここまで)


 スノーボードの平野選手がトリプルコーク1440を決めた際に、韓国の解説者が「すげえ!」って叫んだって話がTwitterでちょこっと話題になりましたね。
 で、それをもって朝鮮日報の東京特派員が「こういう部分から日韓関係を改善できるのでは」とのコラムを書いているのですが。

 別にどうでもいいことですけどね。
 前回のワールドカップの日本 - ベルギー戦で韓国の解説者がベルギーの決勝ゴールに「ありがとう!」って叫んだこともあるし。
 ハーフパイプの試技を褒め称えることもあるでしょう。
 っていうか、韓国はスノーボードなんてほぼ関係ないからそうなるんでしょうよ。


 っていうかですね。
 個人間の友好はいくらでもあるでしょうし、あるべきですよ。
 うちが韓国に行った時にもKTXで親切にしてくれた人もいるし、韓国インターナショナルサーキットに行った時も観光案内所の人にいろいろと親切にしていただきました。

 でも、個人の友好関係があっても、国と国同士の関係は別。
 というか、国同士の友好の根底にあるのが基本条約なのに、韓国がそれを踏みにじっているからどうにもならないだけで。
 このあたりを特派員レベルでも勘違いしているっていう絶望具合。
 「まずは話し合え」っていうのがまず間違いなんだよな。
 話し合う前に解決策を出してこい、っていうのが正解なんですよ。

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韓国人「北京オリンピックのリンクは不安定すぎる」「中国に有利な判定が続いている」……ショートトラックってそういう競技でしょ?

不安な氷質・怪しい判定… ショートトラック、信じるのは自分のスケート(ニュース1・朝鮮語)
2022 北京冬季オリンピックに参加した韓国選手団が最も大きく期待を寄せているショートトラックで不安定な氷質と怪しい審判判定など実力以外の問題が台頭している。予期せぬ変数に勝つためには、長い時間懸命に汗を流して準備した自分を信じて堂々と競技する方法しかない。 (中略)

去る5日ショートトラック初日ハイブリッド系統で予選脱落、メダル獲得に失敗した韓国ショートトラックは個人種目突入とともに再びメダル狩りに出る。
(引用ここまで)


 ショートトラック男女混成団体戦で韓国代表が準々決勝敗退しまして。
 転倒なのでなんの言い訳もできないパターンなのですが。
 韓国国内ではかなりのショックで受け止められています。

 いわく「氷が不安定で何度乗っても慣れない」だの「金メダルを獲得した中国は準決勝で反則したじゃないか」だの。
 準々決勝で敗退した韓国にはなんの関係もないと思うのですが。氷にしても韓国代表がレースする時だけ不安定になっているわけでもなし。
 まあ、記事にあるように中国への疑惑は充分にありますね。

 結果、4日目になる今日まで韓国のメダルはゼロ。
 今日からショートトラックの個人競技がスタートするので挽回してはくるでしょうけども。
 先日、平昌冬季オリンピックからメダル数は激減するだろうという予想がKOC会長からありましたね。
 まあ、やむないところじゃないかと。


 というのも、ショートトラックという競技自体が本質的に「判定に大きく左右される」という部分を持っているのですよ。どうしようもないほどに。

 韓国ではアメリカ代表のアポロ・オーノをパブリックエネミーのように扱って「反則王」とか呼んでいましたが
 実際には反則をしたのは韓国人選手であって、オーノは邪魔されたという判定で優勝したのですけどね。
 韓国人は彼を恨みに恨んで、最終的には韓国で開催されたワールドカップにアメリカ代表全員が「安全のため」に不参加になったほどでした。
 バンクーバー五輪の時には中央日報が「オーノにこれ以上メダルを渡すな。それができるのは韓国選手だけだ」とかいう狂気に満ちたコラムを書いてましたね。

 それ以外でもまあ、判定で順位だの予選通過が覆る競技なのですよ。
 ショートトラックという競技の本質がそこにあるというのは言いすぎかもしれませんが、コアの部分に判定の関与があるのは間違いない。
 もうそういう競技なのだという前提で滑るしかないのですね。

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韓国から消え去った「平昌五輪の特別帰化選手」たち……残ったのは3人だけ

【コラム】4年前の平昌冬季五輪は蜃気楼だったのか(朝鮮日報)
昨年末、李起興(イ・ギフン)大韓体育会長が記者会見で「北京ではショートトラックで金1、2個を獲得して、計4個のメダルを取り、総合順位は15-20位になるものと思われる」と発言したのを聞いて、一瞬耳を疑った。2018年の平昌オリンピックでは計17個(金5、銀8、銅4)と、歴代冬季オリンピック史上最多メダルを獲得した大韓民国体育界のトップが、その4年後に国民の期待をまるで酷寒の中の水銀温度計であるかのように最低にまでおとしめたのだ。真実のメダル予測はポケットの奥深くにしまっておくとはいえ、物寂しいものだった。

 ところが、じっくりと見てみると、あながち「大うそ」というわけでもなさそうだ。「世界最強」と言われたショートトラックは、負傷や内紛で戦力が大幅に低下し、イ・サンファが離脱した氷上にはこれと言ったスター選手が見当たらない。「ヨンミ・シンドローム」を巻き起こした女子カーリング代表チームのキムも、4年間の紆余(うよ)曲折の末、最近になってようやく心身共に回復した。スケルトン史上初の金メダルを獲得したユン・ソンビンは、今年の成績が例年に及ばない。欧州組の特別帰化選手らがほぼ本国に戻ってしまった雪上種目では、平昌のスノーボードで史上初のメダルを取った「白菜ボーイ」ことイ・サンホが唯一の希望株と言えよう。

何もオリンピックに限ったことではなく、世界選手権ワールド・チャンピオンシップの氷上に自力で立った男子アイス・ホッケー・チームは、今回は出場すらままならなかった。 (中略)

 平昌オリンピックは、オリンピック開催効果として残される有形無形の遺産と影響などを意味するオリンピック・レガシー(legacy)の側面で、残念な思いが拭えない。体育界出身のイム・オギョン議員が昨年の国政監査で公開した資料によると、江陵ホッケーセンター、スピードスケート場、スライディングセンターなど、7施設の3年間の運営赤字は総額135億ウォン(約13億円)に上った。収益率も平均マイナス78%に上る。(中略)

昨年末オリンピック後に初めて訪れた江陵では、ポツンポツンと残されているスホランとバンダビ(平昌のマスコットだった)の造形物さえなかったら、「果たしてここがオリンピックの開催地なのか」と疑いたくなるほどだった。「週末の交通渋滞の中、自転車に好きなだけ乗りたければ、駐車場に車が1台も止められていないアイスアリーナに行け」というあるネットユーザーの紹介文には苦笑が絶えない。
(引用ここまで・太字引用者)


 太字部分、特別帰化選手はやっぱり帰国してましたか。
 まあ……でしょうね。
 平昌冬季オリンピック開催前から韓国リーグに所属して韓国で暮らしていたアイスホッケーの選手のうち、何人かはそのままいるようですが。

 「アイスホッケーで日本を破ったぞ!」と大騒ぎしてましたっけ。
 元から韓国にいた選手はともかく、それ以外は韓国で姿を見たものはいない、との話。
 韓国代表は北京に出場することもできませんでした。

 平昌に出た特別帰化選手のうち、北京にも出場するのは女子リュージュでひとり、バイアスロンで男女ひとりずつ。
 後者は元ロシアの選手ですが、ロシアに戻ってもオリンピックに出られないのでいい選択をしたといえるかもしれません。


 あとは施設の利用ですが。
 東京の施設はなんだかんだで利用されるでしょうね。競技人口が少ないものであっても、東京だけで1400万人、関東全体を見れば4000万人という圧倒的な人口がいるので。
 ……その点、平昌は絶望的ですわ。
 ちなみに東京のキロ平方あたりの人口密度は6300人超。
 平昌のある江原道のそれは92.3人。
 うん、そりゃまあアイスアリーナの駐車場で自転車乗り放題にもなるか。

 しかし、北京冬季五輪はいつの間にか開会式当日を迎えてましたね。
 21時からだそうですが。
 ちなみに韓国は国会議長とスポーツ関連担当省庁である文化体育観光部の長官(大臣に相当)が出席するとのこと。

韓国 北京五輪開会式に国会議長と閣僚出席へ 米中双方へ配慮(NHK)

 次回の夏季オリンピック開催国であるフランスからはスポーツ担当相が訪中はしたものの、開会式には出席せず。
 ドイツですら出席しないことを決めています。ショルツ政権が独自色を出そうとしている部分もありますけどね。
 自由主義陣営では開会式に閣僚クラスが出るのはイタリアと韓国だけかな。

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中国、韓国に「彼らは北京五輪を積極支持している」と釘を刺す……日本の外交的ボイコットを静観しているのに

強く出た日本には対応自制する中国…「韓国、五輪積極支持している」釘指す(中央日報)
中国が2022年北京冬季オリンピック(五輪)に対する「外交的ボイコット」(選手団だけを参加させて政府代表団は派遣しない)に関連し、米国の同盟である韓国と日本に異なる態度を取っている。米国寄りの日本には反応を自制している反面、決定を先送りする韓国にはボイコット不参加を既成事実化しようとする雰囲気だ。 (中略)

中国外交部の趙立堅報道官はこの日午後の定例会見で関連する質問に対して「中国は日本の五輪委員会関連要人と日本選手が中国に来て北京冬季五輪に参加することを歓迎する」と答えた。追加の質問にも「相手方が開催する五輪とスポーツの非政治化を支持することにした約束を日本側がまともに履行するよう希望し、求める」と触れるにとどまった。 (中略)

反面、中国は韓国に対してはボイコットに参加しないように釘を刺そうとしているようだ。23日、韓国外交部の崔鍾建(チェ・ジョンゴン)第1次官と中国外交部の楽玉成副部長の間の韓中外交次官戦略対話の後、中国外交部は報道資料の中で「韓国は中国の北京冬季五輪の開催を積極的に支持すると繰り返し明らかにし、円満な成功を祈願した」と明らかにした。 (中略)

韓国政府は「ボイコットを検討しないでいる」として距離を置くと同時に「政府代表団の派遣に対してもまだ決まったものはない」として決定を先送りするような態度を見せた。 (中略)

韓国外国語大学ののカン・ジュンヨン教授(国際地域研究センター長)は「中国は韓日米の安保協力体制の最も弱い部分を韓国だと見て攻略を継続しているのが事実」としながら「五輪ボイコットや新技術の協力などについては我々が追求する外交的目標に合うように戦略的に判断するものの、自由民主主義や人権など普遍的価値問題では米国や日本と共通の認識を持っている点を明確にする必要がある」と指摘した。
(引用ここまで)


 中国が外交的ボイコットを決めた日本に対しては「消極的是認」をしているにも関わらず、韓国に対しては圧力を加え続けているという話。
 ……まあ、そりゃね?
 この記事、「韓国と日本が同じように扱われるべき」っていう考えに基づいているのが透けて見えて苦笑するしかないのですが。

 なんだかんだで中国は日本という国をしっかり評価している。
 アメリカと歩調を合わせられるとやりにくいという認識があるから離間計をかけようとはするものの、そこまで踏み込んでこない。
 日本が日米同盟を重視していることも理解しているから。

 その一方で韓国のこともちゃんと評価している。
 「我々が押せば崩れる国だ」と。

 結果、パク・クネはアメリカから「参加しないでもらいたい」と言われていた中国の抗日戦勝パレードに参加し、席次がロシアの次だと危機として報道され、天安門で習近平、プーチンと一緒にスリーショットを撮影してしまう。
 そもそも市井の韓国人からも「戦勝パレードに参加すべきだ」とする意見が約70%でしたしね。


 ムン・ジェインへと政権が替わっても、対中外交姿勢は変わらないどころか悪化して「MDに参加しない」「日米韓同盟には参加しない」「THAADミサイルの追加配備はしない」という三不を誓ってしまう
 これ、中国から「おまえんところの主権、うちが預かるから」って言われているのと同じです。

 今回も早々にムン・ジェイン自ら(しかも訪問先のオーストラリアで!)「外交的ボイコットは検討しない」と宣言し、日本の表明に対してもその日のうちに「我々は外交的ボイコットを検討しない」と再度宣言してしまう。
 最初に「外交的ボイコットを検討しない」と表明した際には、中国から「韓国は五輪ファミリーだから」と評価されていましたしね。

北京五輪外交的ボイコット、韓国大統領府「検討していない」…中国「五輪ファミリーらしい風貌」(中央日報)

 韓国がオードリー・タン氏の演説をドタキャンした際にも、「韓国は正しい決断をした」と中国から褒められてましたっけ。

 そんな態度をとってくる韓国と、クアッドを提唱してCPTPPの旗振り国になっている日本。
 対応が同じになるわけがないんだよなぁ。

 韓国自身の気分では「アメリカと中国の間を器用に渡り歩いている」つもりになっているのでしょうが。
 マキャベリ曰く「中立でいると、勝者にとっては敵になるだけでなく、敗者にとっても助けてくれなかったということで敵視されるのがオチなのだ」ってヤツです。
 「show your flag」と言われていただけ日本はまだマシだったのさ……。

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 マキャベリはアホほど読みにくいので、抜粋や解説本からはじめるとよいかと思います。記事中の文言も塩野氏の訳。
マキアヴェッリ語録(新潮文庫)
塩野 七生
新潮社
2016-05-20

日本政府、外交的ボイコットに参加を表明→韓国「我が国はボイコットの検討もしていない」……その日のうちに答え合わせかぁ

日本が北京五輪「外交ボイコット」へ 韓国は「検討していない」(聯合ニュース)
韓国の外交部当局者は24日、日本が来年2月の北京冬季五輪に政府代表を派遣しない方針を表明したことについて、記者団に韓国は「外交ボイコット」を検討していないとの立場を改めて示した。

 北京五輪への政府代表の派遣を巡っては「決まったことはない」として、「さまざまな側面、前回の冬季五輪の開催国としての役割なども考慮し、検討していく」と従来の立場を改めて表明した。「前回の冬季五輪の開催国としての役割」に言及したことから、政府代表を派遣する方向で調整しているとの見方が出ている。
(引用ここまで)


 韓国政府はどこかで日本が外交的ボイコットに参加しないことに最後の希望を求めていた感じがありました。
 韓国と同格(だと韓国が思い違いしている)日本が外交的ボイコットに参加しないのであれば、アメリカに対して面目が立つと。

 フランス、イタリアと次の夏季・冬季オリンピック主催国は外交的ボイコットに参加しない意向ではないかとされています。
 それ以前にフランスは独立独歩がお国柄。
 イタリアも西欧の中では対中依存が格段に高い国のひとつ。  ですから当然といえば当然です。

 そして日本と韓国も前回の夏季、冬季オリンピックの主催国。
 それをもって「返礼する」という建前はできなくもない。
 ただ、ヨーロッパ諸国と日本、韓国の立ち位置は圧倒的に異なっています。それは「中国に直接的に面している」国であるということ。
 それだけに胆力を問われるし、覚悟も問われているわけですよ。

 アメリカからも中国からも、そしてすでに外交的ボイコットを表明したイギリス、オーストラリア、カナダ等からも注目されているでしょうね。
 もっとも近い当事者である日本、韓国はどうするのかと。


 結果、日本は「外交的ボイコットは行うけども、人権政策については言及しない」という玉虫色的な結論となりました。
 まあ、少なくとも態度には出したわけです。
 「アメリカ主導の対中政策についていく」との意思を見せました。
 しかも、前年に夏季オリンピックを主催した国であるにも関わらず、です。

 で、それを受けて韓国外交部から「外交ボイコットは検討していない」と重ねて表明されたというニュース。
 オリンピックという大きなイベントに対してなにが行われるか、というのはとても分かりやすいストーリーで、注目度も高い。
 80年代のモスクワ、ロスで選手派遣を含めたボイコットが行われたことも思い起こされますしね。
 まさかその数年後にソ連が崩壊するとは誰も思っていなかったでしょうけども。

 閑話休題。
 これまで外交的ボイコットを表明した国はアメリカ、オーストラリア、イギリス、カナダ、ニュージーランド、リトアニア。
 個人的には新型コロナを理由にしたものの、ニュージーランドが追随したことにはだいぶ驚きましたね。これがアングロサクソンの結束ってことか。
 そこに日本が加わる形になりました。
 さて、米韓軍事同盟を「血盟」とする韓国はどうするのか……という部分に対して明確な返答がその日のうちに返ってくるとは。

 一片たりともボイコットなんてことを考えていない、ということがよく理解できると思います。
 ちなみにですが大統領候補であるイ・ジェミョンは「東京オリンピックのボイコットを検討すべき」と発言したことがあります。これは選手派遣すら含めてのボイコットです。
 ……ね、オリンピックという試薬は分かりやすいでしょ?

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韓国、早くも北京冬季五輪の外交ボイコットについて「検討しない」と言明……判断が早いなぁ

北京五輪外交ボイコット「検討せず」 出席は未定=韓国大統領府高官(聯合ニュース)
 韓国青瓦台(大統領府)の高官は8日、来年2月の北京冬季五輪について「わが政府は現在、ボイコットを検討していない」と明らかにした。米国が同五輪に選手団以外の外交使節団を派遣しない「外交ボイコット」を表明したことへの韓国政府の立場に関する記者団の質問に答えた。

 同高官は「米国は外交ボイコットを発表する前に韓国側にあらかじめ知らせてきた」とし、「米国は、ほかの国が外交ボイコットを行うかどうかは各国が判断すべきだとの立場だ」と述べた。

 韓国政府の対応については「決まっていない。決定すれば(メディアに向けて)発表する」と述べ、北京五輪への政府関係者の出席が決まったわけではないと説明した。 (中略)

 一方、米国の北京五輪の外交ボイコットが、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が推進する朝鮮戦争の終戦宣言に与える影響に関しては、「終戦宣言と北京五輪は直接的な関係がない」と指摘。「北京五輪が南北関係の改善と朝鮮半島平和プロセスの進展のきっかけになることを望む。それと同時に、終戦宣言の早期推進を望む」としながらも、「終戦宣言は特定の時期ときっかけを念頭に置いて推進するわけではない」と述べた。
(引用ここまで)


 噂されていたようにアメリカは北京冬季オリンピックに対して、選手は派遣するものの大統領以下政府関係者は派遣しないという「外交的ボイコット」を行うことを言明しました。
 中国は反発して「対抗措置を執る」と宣言しています。
 対抗措置……とは。

 これが昨日のこと。  今日になってオーストラリアがアメリカに追随する形で同様の外交ボイコットを行うことを表明しました。
 オーストラリアは対中国包囲網への積極的な参加をしていますね。
 ようやく、脅威が届いたのだなぁ……というところでしょうか。そこにある脅威であることを認識できるに至ったというべきか。
 アメリカと同様、政権交代があったとしても対中外交方針に変化はないだろうと思われるところまできていますね。
 自由主義陣営からは同様の外交ボイコットが続出するでしょう。
 ただ、フランスと日本、そしてイタリアは前後の五輪開催国としてちょっと厳しいところに追いこまれている感もありますが。

 林外相は以前と同様に「適切な時期に判断」と、含みを残した言いよう。
 岸田総理のコメントは「日本の立場で検討」とこれまた否定も肯定もしない方向性。
 自民党の一部議員からは「ボイコットを」とする要望も出ています。
 産経新聞からは「外交的ボイコットを検討中」とする記事が出ています。
 識者も「ボイコットしろ」「いやするな」等々、それぞれさまざまな意見を出していますね。

 で、韓国は「検討しない」と匿名の大統領府高官が言明。
 いや、いいけど。早いな、判断が。
 オーストラリアとは逆のベクトルで。


 韓国が中国に逆らえるかっていうと、まあそんなことはできるわけがない。
 実際には手を出してこないであろう日本やアメリカに対してはあるていどの我が儘が通ることを分かっていてこういう外交方針にしているのですよね。
 THAAD問題を見ても分かるように、実際に中国は手を上げてくる。

 それは朝鮮半島の歴史に刻まれたトラウマですらある。
 というか、もう中国が手を上げてくるというのはなんの不思議もない常識で、朝鮮半島にある弱小国はなんとかしてそれを避けなければならない宿命。
 うまくやり過ごせたのは唐に対する新羅の一時期くらいですかね。

 ただまあ……さすがに三不の誓いを捧げたのは意外ですらありましたけどね。まさか21世紀になってまで主権侵害を唯々諾々と許すことになるとは。
 あれをやったのですから、そりゃ北京オリンピックに閣僚派遣だってやるでしょうよ。
 中国が怖くて怖くてしかたないのですから。

 あとはまあ平昌オリンピックに対しては、中国は当時の副首相であった劉延東を派遣しています。
 まあ、「返礼」という意味もあるので最低限の言い訳は立つかな。
 アメリカも建前上は「強制などしない」としていますからね。

 ただ、各国がどんな対応をしたかを見た上で、どんな気分になるのかもアメリカの自由なわけで。
 ことさら晒しあげたりはしないでしょうが、得点は減るに決まってます。
 そうした部分で同調してきたのが日本であり、オーストラリアであると。
 そんな風にやってこなかったのが韓国だっていうことで、昨今の扱いの違いにつながっているわけですよ。

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アメリカ「北京五輪の外交的ボイコットを議論」→英加豪「検討に値する」→日本「時期がくれば判断する」→韓国「話すことはなにもない」

米国「北京五輪外交的ボイコットを同盟と議論」…韓国「話すことない」(中央日報)
バイデン米大統領が北京冬季オリンピック(五輪)の「外交的ボイコット」に言及して以降、国際的に関連議論が活発に行われている。理由は新疆ウイグル自治区などでの人権弾圧問題だ。

ブリンケン米国務長官はニューヨークタイムズ(NYT)に「同盟と五輪参加についてどう考えているかを議論中だ。対話が活発に行われている」と述べた。これに呼応するかのように英国、カナダ、オーストラリアなどからボイコットを検討中という海外の報道が次々と出ている。

ところが米国の同盟である韓国は静かだ。バイデン大統領のボイコット発言について尋ねると、韓国外交部の当局者は「外国の首脳の発言については言及する事項がない」と述べた。また「政府は北京五輪が南北関係改善のための転機となり、北東アジアと世界平和・繁栄に寄与する契機になることを希望するという基本立場を堅持している」という従来の原則的な立場を繰り返した。続いて「北京五輪の外交的ボイコットに関連し、米国側から協議の要請を受けたことはない」と話した。

北京五輪ボイコットは精巧な戦略的判断の領域に属する。普遍的価値である人権を守護するための努力という点で参加の名分があるが、外交的に及ぼす影響も考慮しなければならない。政府の慎重な態度は理解できる。

しかし問題は現在の文在寅(ムン・ジェイン)政権はこうした悩みや議論自体を避ける雰囲気という点だ。もちろん内部または水面下でどんな議論が行われているのかすべて把握することはできない。しかし文在寅政権が中国の人権問題に対して見せてきた立場を考慮すると、今回も似た態度を維持すると予想される。
(引用ここまで)


 アメリカが「選手は参加するものの、政府関係者が開閉会式には参加しない」という「外交的ボイコット」を同盟国と議論するとブリンケン国務長官が述べたことに対して、各国が反応してますね。
 それに呼応する形でイギリス、カナダ、オーストラリアが相次いで検討を示唆しています。
 いまのところ、中国は「選手が主役である」「憶測にはコメントできない」としています。
 日本は林芳正外相が「適切な時期に判断する」とのコメント。
 岸田総理は「それぞれの国で立場があり、考えがある。日本は日本の立場で物事を考えていきたい」と現状では中立を示唆。
 ですが韓国では「話すことはない」と宣言。
 あたかも「外交的ボイコット」なんてものは存在していないかのような立場表明ですね。


 今この段に至っても米中の間をうまくやり抜けられる、と思っているっぽいなぁ……。
 まあ、「同盟国」といっても韓国はクアッドにもファイブアイズにもAUKUSにも入っているわけでもないしなぁ。

 しかも、その同盟から抜け出そうと画策している。
 戦時統制権を取り戻し、終戦宣言を出そうとしているっていうのはそういうことですからね。
 アメリカからの影響を最低限に下げようという努力しか見えてこない。
 その一方でTHAADミサイルに対する三不の誓いについては、中国からの要望をあっさりと認めてしまう。

 韓国は自分の設定では「卓越した外交力」をスキルとして持っていることになっているようなのですが、外から見ると中国に向かっているようにしか見えないんですよね。
 今回も「アメリカをはじめとして欧米がボイコットするなら、韓国の地位がその分上昇するのでは」くらいのことを考えてても不思議じゃない……というか、考えているんだろうなぁ。
 アメリカが参加するなって言ったのにAIIBや戦勝パレードに参加したのはまんまそれですからね。
 普通に見れば「中国に跪いている」という構図が固定されるだけなんですが。

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