相互RSS募集中です

カテゴリ:半導体関連の記事一覧

韓国メディア「台湾訪問後に訪韓予定だったインテルCEOにキャンセルされた……コリアパッシングが現実のものになってしまっている」

カテゴリ:半導体関連 コメント:(45)
[単独]インテルCEO、6月訪韓中止…半導体コリアパッシングの現実化(亜洲経済・朝鮮語)
6月初めに韓国に来ると予測されていたファット·ゲルシンガー·インテル最高経営者(CEO)の訪韓が実現しなかった。 顧客·パートナー会社であるサムスン電子が最近経営陣交替を断行したのが一次的理由だ。 しかし、産業界では米国と台湾中心のグローバル半導体供給網で韓国の重要度が低くなっていると懸念している。 (中略)

業界では、彼がサムスン電子の主要経営陣に会って、人工知能(AI)半導体に必須のHBM(高帯域幅メモリー)DRAM供給拡大とAIPC事業協力などに関して議論するものと予測した。 だが、21日サムスン電子DS(デバイスソリューション·半導体)部門の首長がキョン·ゲヒョン社長からチョン·ヨンヒョン副会長に交替され、今後新しい出会いの場を持とうとするものと分析される。
(引用ここまで)


 インテルのCEOが台湾訪問後に韓国を訪れる予定だったのですが、キャンセルされたとのこと。
 時期的にComputex Taipeiのあとか。
 先日、ちらと書きましたがサムスン電子の半導体部門の長が替わりまして。
 替わったというか更迭されたというか。
 サムスン側の方針がどうなるか分からないからってことでしょうかね。

 韓国メディアでよく語られていることなのですが、「なぜ国外半導体企業は韓国に工場を建てようとしないのか」っていう。
 なんで日本でばっかり工場が建つのかっていうね。
 挙げ句の果てには後工程の試作ラインといえども、サムスン電子まで日本に投資するって始末。


 なんでだって話についていえば、半導体サプライチェーンの再構築って意味で日本が便利に使われているってことですよね。
 地政学的な意味でも「台湾以外なら日本でしょ」ってことになるのは当然。
 今回の各国への半導体投資については中国からの影響を避けるために行われているもの。
 だったら、今日の1本目、2本目を見ても分かるように中国からの影響力、圧力を受けまくっている韓国に建てる意味がないわな。

 現在のところ、生成AIチップ用のHBMでアドバンテージがあるので韓国が完全に無視されるようなことはないでしょうが。
 韓国が中国の影響を排除できない以上、地政学を考慮したら本来は相手をしたくない。
 ま、そのあたりが解消できなければ「SKハイニックスとサムスン電子だけが韓国に投資する」構造は変わらないでしょうね。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

サムスン電子のAI用メモリ、nVidiaから「テスト不合格」を突きつけられてしまう

サムスンのAI用メモリー、エヌビディアのテスト不合格=関係筋(ロイター)
韓国サムスン電子(005930.KS)の最新の広帯域メモリー(HBM)は、消費電力などの問題で米エヌビディアの人工知能(AI)用プロセッサーに使用するためのテストにまだ合格していない。事情に詳しい関係者3人が明らかにした。
この問題は、サムスンの「HBM3」に影響を及ぼしている。HBM3は、AI用の画像処理半導体(GPU)で現在最も使用されている第4世代のHBM規格。また、サムスンや競合が年内投入予定の第5世代「HBM3E」にも影響が及んでいる。

生成AIブームを背景に、高性能のGPUやHBMの需要は急増している。
サムスンはロイターに対して、HBMは顧客ニーズに基づき最適化プロセスが必要なカスタマイズされたメモリー製品だと説明し、顧客との緊密な協力を通じて製品の最適化を進めていると述べた。
さらに、ロイターがこのニュースを報じた後にサムスンは別の声明で「熱や消費電力の問題で失敗しているとの指摘は事実ではない」とし、テストは計画通り順調に進んでいると説明した。
(引用ここまで)


 24日にロイターが「サムスン電子の製造するHBM3はnVidiaからNGを出された」と報道。
 この報道を受けてか、サムスン電子の株価は一気に2200ウォン下落しています。
 2.82%の下落。
 KOSPIは1.26%の下落だったので、これはきつい。

 先日書いたようにSKハイニックス、マイクロンの株価は1年で2倍になっている中、サムスン電子のそれは微妙にしか伸びていないレベル。
 AI関連銘柄、もっといえばnVidia関連銘柄ではないと目されることが現状の株式市場で「こいつAI関連で失敗してます」とレッテルを貼られることは命取りになるってことがよく分かります。
 アップルの株価がいまいちぱっとしないのもそのあたりっすな。


 HBMは「Hi Band Memory」の略。
 H100などのAIチップ用に特に高速なメモリとして採用されるもので、SKハイニックスは開発を地道に続けてきて、マイクロンがそれに追随している形。
 サムスン電子はHBMの開発を中断していたために、大きく出遅れたとされています。

 記事にもありますが、この主張に対してサムスン電子は反論しています。

「エヌビディアのテストに合格せず」 サムスンがAI用メモリー巡る報道に反論(聯合ニュース)

 ただ、今月になってから半導体部門トップの首が飛んでいることもあって、出遅れているとの報道のほうが真実味がある感じですね。

韓国サムスン電子、半導体部門のトップ交代-AI分野で巻き返し図る(ブルームバーグ)

 次世代にあたるHBM3Eについても、サムスンから「開発に成功した」との話はいくつも出ているのですが、量産とか採用とかにはさっぱり顔を出してこない。
 SKハイニックス、マイクロンからは具体的に「nVidiaのH200に搭載される」とかになっているのですが。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

韓国最大企業であるはずのサムスン電子、メモリ不況を脱しても株価は奮わず……「AI関連で出遅れている」と判断されている模様

カテゴリ:半導体関連 コメント:(40)
NVIDIA発半導体の薫風が吹いているのに、サムスン電子だけ「横歩」…なぜ?(時事ジャーナル・朝鮮語)
グローバル人工知能(AI)ラリーをリードしているNVIDIAの実績発表を控え、半導体銘柄の株価が大幅に上昇し、恩恵を受けている。 しかし、国内の代表的な半導体メーカーであるサムスン電子の株価は横ばいだ。

22日、国内証券市場で午後3時現在、三星電子は0.77%下落した7万7800ウォンで取引中だ。 一時は1.40%下がった7万7300ウォンまで値下がりした。

これは国内のライバル会社であるSKハイニックスの株価とは全く対照的な流れだ。 SKハイニックスは同日、一時3%近く値上がりした19万7600ウォンをタッチし、1日で史上最高値の記録を塗り替えた。

高帯域幅メモリー(HBM)納品実績が、これらの銘柄の株価の行方を分けたものと見られる。 HBMは、NVIDIAが作るAI演算用グラフィック処理装置(GPU)に入るメモリー半導体だ。 SKハイニックスは、エヌビディアに第4世代HBM(HBM3)を事実上独占供給している。 今年3月にはメモリーメーカーの中で初めて第5世代HBM(HBM3E)の納品を開始した。

逆に、三星電子はエヌビディアに対してこれといった納品実績を上げられない状態だ。 HBM3E 12段製品の品質テストを進行中だが、通過したかどうかは知られていない。

これと関連してユアンタ証券のカン·デソク研究員は「サムスン電子に対する最も大きな市場の憂慮はHBMをはじめとするAI力量に対する疑問」とし「SKハイニックスに比べては相対的に劣位にある」と分析した。
(引用ここまで)


 サムスン電子が半導体関連株を高値張り付きにさせているAI旋風に乗れていない、とのニュース。
 大手のDRAMメーカとしてサムスン電子、SKハイニックス、マイクロンテクノロジーの3社がありまして。
 それぞれのここ1年における株価推移はこんな感じ。

・SKハイニックス 9万7900ウォン→19万7700ウォン
・マイクロン 66.23USD→126.95USD
・サムスン電子 6万8400ウォン→7万7700ウォン

スクリーンショット 2024-05-22 23.37.16.pngスクリーンショット 2024-05-22 23.37.51.pngスクリーンショット 2024-05-22 23.38.28.png

 SKハイニックス、マイクロンはほぼ2倍。
 サムスン電子は13%ほど上昇。


 以前、「ギャラクシーシリーズにAIチップが搭載された。iPhoneも倒せる」みたいなことを言っていたのですが、市場はそのようには受け取らなかった模様。

韓国メディア「ついにサムスン電子のギャラクシーシリーズにAI機能が搭載される。これでiPhoneを倒せるぞ!」……せやろか?(楽韓Web過去エントリ)

 それ以外のAI関連企業の株価をさくっと見てみると──

・TSMC 530TWD → 864TWD(+63%)
・アプライドマテリアルズ 126.55USD → 218.07USD(+91.52%)
・ASML 698.64USD → 927.60USD(+32.77%)
・nVidia 311.76USD → 949.28USD(+204.53%)
・東京エレクトロン 1万8180円 → 3万6180円(+99.01%)

 サムスン電子はこれらの企業に比べると「低迷」しているといっても過言ではないですかね。
 メモリメーカーとしてしか期待されておらず、その面において出遅れていると株式市場判断していると。
 メモリ不況から脱したらもう株価なんて上がり放題って感じの予測が多かったのですけどね。
 まあ、AI関連に加われない者はどうにもならない……ってことか。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

韓国、与野党の政争で大規模半導体工場造成に赤信号? すでに送電網の不備で火力発電所は停止する事態に

韓国「政争で国が壊れる」 半導体政策停滞なら重い代償(日経新聞・朝鮮語)
ソウル近郊の京畿道龍仁(ヨンイン)市で5月末、3700世帯が入居するタワーマンションの分譲が始まる。広告には地上28階建ての14棟が市街地にそそり立つイメージが描かれる。

およそ2000万平方メートルの敷地に世界最先端の半導体工場が集積する「半導体メガクラスター」の一角だ。サムスン電子とSKハイニックスが2047年までに総額622兆ウォン(約70兆円)を投じ、15工場以上を新設する。尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が産業振興の目玉と位置づける。

マンション予定地に足を運ぶと、周囲には茶色の土がむき出しになった造成地が広がっていた。公共施設はおろか電気や用水インフラも未整備だ。4月の総選挙で与党が大敗すると、サムスンやSK関係者からは「送電網の整備は大丈夫か」との声が漏れ始めた。
(引用ここまで)


 韓国ではSKハイニックス、サムスン電子が龍仁市に69兆円規模の半導体メガクラスタを造成するとのことで、ユン大統領も大々的にその旨を発表していました。

韓国「半導体クラスター」構想まとめる 68兆円規模の民間投資 部素材や装置の自給も引き上げ(電波新聞)

 この金額は47年までに2社が行う投資額でしかなく、そこにどんな風になにが造成されるのかはいまのところ不明。まあ、メモリ工場なんでしょうけども。
 ちなみに記事に書かれているように、いまは不毛の大地が拡がっているだけなのですが、これを見学しに行ったと自慢している人もいて苦笑されていました。



 赤茶けた大地を見た感想を聞きたいものですね。


 さて、もうひとつの問題は送電網。
 韓国でも原発は冷却のために海岸線に多く設置されています。設置箇所はこんな感じ。

韓国原発.jpeg

 この地図で首都圏は左上。
 新規に建造されている原発や火力発電所は多くが日本海側に建てられています。
 ここをつなぐ送電網がないのですね。

ムン政権の脱原発政策に…送電線なし東海発電所4ヶ所オールストップ(朝鮮日報・朝鮮語)

 記事では「民間火力発電所が韓電に電気を売るルートがない」とされています。

 脱原発、脱石炭火力を優先政策としてきたムン・ジェイン政権によって、「原発につなぐ送電網? そんなもんいらん」って扱いを受けた結果、自国産業を潰しかねない状況になりつつある。
 ちなみにこの脱原発政策は共に民主党(というか世界的に見て左派側)に受け継がれている伝統なので、3年後の左派政権でも同様に行われるでしょう。

 といったわけで「電力そのものは十分なのに、その流通量は必要量に満ちていない」といった不思議な状況になりつつあるわけです。
 日本的にはイ・ジェミョンの登板が待たれる理由のひとつといえますね。
 ユン大統領は経済的にも外交的にもフツーすぎる。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

韓国メディア「サムスン電子がnVidiaを打倒する秘密兵器、AIプロセッサ『MACH1』を開発した!」……ふーん

カテゴリ:半導体関連 コメント:(82)
NVIDIAを倒す三星の秘密兵器… 「MACH1」に盛り込まれた発想の転換(朝鮮日報・朝鮮語)
サムスン電子は人工知能(AI)半導体市場で「マッハ」の速度でNVIDIAに追いつくことができるだろうか。 音速(音速)は秒速343メートル、時速1235キロに達する。 これを基準に速度が何倍かを示す単位が「マッハ」だ。 ところが音の速度ほど速いという意味の「マッハ1」という単語は先月、サムスン電子の野心作であり秘密兵器の名前としてもびっくり登場した。

三星(サムスン)電子DS部門(半導体)代表取締役社長のキョン·ゲヒョン氏は先月20日、定期株主総会後に行われた「株主との対話」で、「マッハ1」と命名したAI加速器について言及した。 AI加速器とは、AIを具現して実行するのに特化したハードウェアを意味する。 マッハ1は三星電子が初めて独自開発し、来年初めに発売する計画のAI半導体チップにつけた名前。 マッハ1と命名したのを見れば、サムスン電子もAI速度競争に飛び込んだという意味が込められており、市場に衝撃を与えるという意志もあるように見える。

では、マッハ1はどうやってNVIDIAの牙城を崩して疾走しようとするのか。 今のAI加速器ではデータ「ボトルネック現象」が作業処理を遅らせる。 処理しなければならないデータは日々増えているが、情報がメモリとAIチップの間を円滑に行き来できずにいる。 これに対し、NVIDIAの高性能GPU H100では、まるで道路の幅を増やすようにHBM(High Bandwidth Memory·高帯域幅メモリ)を使ってデータボトルネック現象を減らそうとしている。 HBMはDRAM(情報を書き、消すことができる電子機器用メモリー半導体)複数を垂直に連結し、一度に大量のデータを処理する超高性能・超高容量メモリーだ。 ところが、この方法は高価で、供給が不足し、電力消耗が大きい。

マッハ1では全く違う方法を使う。 データという車が通るように道路の幅を広げる代わりに、道路を通る「トラック」サイズのデータを「軽自動車」サイズのデータにスリムに圧縮する。 発想を変えたわけだ。 マッハ1は「NPU(Neural Processing Unit·神経網処理装置)」基盤のAI加速器だ。 NPUとメモリーの間でもボトルネック現象は現れる可能性がある。 これを避けるために、マッハ1はまずNPUとメモリの間で交換しなければならないデータの大きさ自体を減らす。 データ自体を圧縮するものである。 同じ情報を表現してもメモリー分量を減らす「信号処理(Signal Processing)」技法を使った。 第二に、「量子化(Quantization)」技法も使う。 人工知能網内のパラメータ(媒介変数)を表現する際、小数点16桁まで計算していたものを4桁まで計算することもできるようにし、データのぜい肉を一気に減らす。 そうすればデータ量が減る可能性がある。 第三に、AIモデルのパラメータの大きさ自体を減らす。 敢えてこの演算に必要ではないと思うものは、情報パッケージから間引くデータのプルーニング(Pruning)技法だ。
(引用ここまで)


 サムスン電子がオリジナルのAI用チップ「マッハ1」を製造したとのこと。
 小数点16位まで計算していたものを小数点4位までで切り捨て、データサイズを小さくして高速化を図った……とするのですが。
 まあ、アーキテクチャはいろいろあるでしょうからなんとも言えませんが。

 問題はnVidiaのCUDAを前提に「総合AIソリューション」として提供できている環境を上回ることが可能なのかって話ですね。
 あのジム・ケラー氏がAIチップを設計しているとの話なのですが、開発環境もろとも提供する予定だそうです。
 そうした「環境」を提供することが可能なのか。


 もうひとつ、不安に感じる部分はサムスン電子のオリジナルチップ、って部分ですね。
 Exynosシリーズが同世代のSnapdragonに負けていたって話もありますし、ExynosベースとされるGoogle Tensor Gシリーズもそこまでの性能でもない。

 そして歴史を紐解くと、2002年に高らかに「ARM10ベースの1.2GHzのプロセッサ、Hallaを発売する」と宣言したことがあるのです。

【MPF 2002 レポート】非x86関連もチェック(3)-400MHzプロセッサを3倍速で動かすSamsungのHalla(マイコムPC Web・WebArchive)

 その後、3GHzで動作するSorakを開発するだろうとされていたのですが。
 出ませんでしたー。
 もしかしたら出たのかもしれませんが、少なくとも把握できるかぎりの範囲内では観測できませんでした。キャンセルされたんじゃないでしょうかね。

 ま、20年以上前の話ではありますが。
 このあたりですでにサムスン電子のプロセッサについての発表は眉唾だな、って認識になってはいました。
 なので昨今の「Exynosが負けている」とされても「そりゃそうだよね」となるし、「マッハ1はnVidiaのAIプロセッサを圧倒する」ってされても「まあ、言うだけはただだしね」って感じるのです。
 企業文化ってヤツですよ。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

韓国メディア「日本で半導体工場を作れば半額ていどまで補助が出るのに、韓国ではわずか6%……これでは勝負にならない!」と叫ぶ

カテゴリ:半導体関連 コメント:(55)
日本8兆vs韓国1.2兆…半導体戦争、ゲームにならない(毎日経済・朝鮮語)
米国・日本をはじめとする世界主要国による大規模投資に対するインセンティブ競争が熱い。 しかし、韓国政府の半導体投資インセンティブは、米国の22%、日本の15%水準に止まっていることが分かった。

15日、韓国半導体産業協会が算出した「国別投資インセンティブ資料」を入手して分析した結果、先端半導体生産施設の構築に投入するお金を20兆ウォンと仮定した場合、韓国に投資した企業が受ける投資インセンティブは1兆2000億ウォンであることが分かった。

一方、同じ条件を適用した時、米国、日本に投資した企業が受け取るインセンティブは、補助金と税制優遇を合わせてそれぞれ5兆5000億ウォン、8兆ウォンに達した。 韓国よりおよそ4.6倍、6.7倍も大きいわけだ。

このようなインセンティブ分析は韓日米3カ国の半導体関連法案を土台に算出した。 新規半導体ファブ(fab・半導体生産施設)投資金20兆ウォンのうち、敷地・建物に6兆ウォン、インフラ設備4兆ウォン、工程装備10兆ウォンが所要されると仮定した。 昨年末、韓国で終了した租税特例制限法による臨時投資税額控除は考慮しなかった。

現在、韓国の投資インセンティブは15%の設備投資税額控除のみ存在する。 半導体製造に欠かせないクリーンルームをはじめとするインフラ設備投資は控除対象にもならない。 このため、20兆ウォンの投資金のうちインフラ設備と敷地・建物費用10兆ウォンを除外しなければならない。 結局、半導体装備10兆ウォンの15%に当たる1兆5000億ウォン分の税制優遇だけが提供される。

これさえもさらに削られる。 農漁村特別税法によって租税減免を受ける内国法人は、租税節減額の20%相当額を農漁村特別税として納付しなければならない。 該当金額の3000億ウォンを除けば、最終インセンティブは1兆2000億ウォンに減る。 インセンティブ規模が総投資額の6%水準に過ぎないわけだ。

一方、米国は直接補助金(投資額の5~15%)と設備投資税額控除(投資額の25%)を合わせて5兆5000億ウォンに達する。 投資総額の27.5%をインセンティブとして受け取る。

日本では直接補助金(投資額の最大50%)だけで8兆ウォンに迫る。 これに日本政府が現在推進中の「戦略分野国内生産促進税制」の設備投資税額控除額(投資額の20%)2兆8000億ウォンまで合わせるとインセンティブは10兆8000億ウォンに増える。 投資額の半分以上(54%)がインセンティブだ。
(引用ここまで)


 韓国メディアから「韓国国内で半導体工場を建設しようとしても、インセンティブが少なすぎる」との指摘。

 企業が20兆ウォン(今日のレートで2兆2000億円)規模の投資をした場合、アメリカでは5兆5000億ウォン、日本では8兆ウォンのインセンティブがある。
 それぞれ補助金と税の控除でこのような数字になるとのこと。
 日本ではさらに投資額の20%まで特別控除が認められるとのことで、この場合は10兆8000億までインセンティブが増えると。

 そして韓国で同規模の投資があった場合は、設備購入額の15%に対して適用される税額控除が最大で、かつそれも20%が削られて12%相当のみ。
 1兆2000億ウォンの控除を受けておしまいになる。


 識者からは「このままでは韓国国内への工場建設は最低限になってしまう」との話が出ていますが。
 さて、それではこの状況を覆すためになにか韓国政府にできるのか、というと。

 まずできないと思われます。
 最大の要因は国会で少数与党になっていること。
 与党側がどんな動きを見せようともまず反対される。
 「与党に実績を積ませない」ことが目的になってますからね。

 あとは野党側は環境云々を言い出す可能性が高い。
 THAAD設置の際に「殺人マクワウリができる!」って騒いでいたのは、共に民主党の国会議員でした。

韓国で「電磁波で殺人マクワウリができる」「人間が茹だってしまう」と怪談を広められていたTHAADミサイル問題、ようやく環境アセスが終了……実態は「規制値の0.2%相当」だった……ま、そんな数字なんて反対運動には関係ないのですけどね(楽韓Web過去エントリ)

 あれと同じように「環境が破壊される!」として工場建設を阻止にかかることでしょう。
 結果、投資が韓国から逃げ出す、というわけです。
 実際、サムスンは大規模投資をアメリカで決めています。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

韓国メディア「台湾地震でTSMCの生産設備に問題が出れば、韓国の出番が増えるかもしれない」……まあ期待する気分は分からんでもないけど、起きて数日でそんなこと言うかぁ

【コラム】台湾地震に全世界が驚いた本当の理由「TSMC」(ノーカットニュース・朝鮮語)
台湾でマグニチュード7.2の大地震が発生した3日午前。

花蓮県など震源と近い地域や住民の被害とともに、全世界の経済専門家らは台湾TSMCの被害に注目した。

TSMCの生産支障が世界の半導体供給網に及ぼす影響のため、半導体関連企業はもちろん、世界各国が神経を尖らせた。

世界最大の半導体ファウンドリー会社であるTSMCが廃業すれば、顧客会社であるアップルも、NVIDIAも、クアルコムも廃業しなければならないという話が無駄に出たわけではない。

中国が台湾に侵攻して両岸間の戦争が現実化すれば、米国は一番先にTSMCから救うだろうとする話もある。
(引用ここまで)


 韓国における今回の台湾地震の報道は、どこか端々に「TSMC、被害受けてないかな……」と期待する部分があった感じです。
 ロジック半導体の受注では圧倒的にTSMCの後塵を拝するサムスン電子にとってチャンスにならないか、といった期待がにじみ出ているというか。
 圧倒的大手のTSMCと比べたら、サムスン電子のシェアは1/4〜1/5といったところ。
 どちらかといえば3位以降との差が近いほどです。

 なのでTSMCのラインが一部潰れたとしても、クライアントは「困るだけ」でサムスン電子に利益が行くようなことはないと思うのですけどね。
 具体的な描写や記述ではなくあくまでも「雰囲気が感じられる」ってだけなので、うちの眼が曇っているだけなのかもしれませんが(笑)。

 実際に被害は多少出ているそうですが、TSMC側は「年間の生産量に影響はない」としています。生産能力もほぼ戻っているとの記事も出ていますね。


 おっと、ちょっと検索したら「サムスン電子の躍進につながるかも」ってそのまんまの記事もありました。

TSMC840億ウォンの損失…台湾で大地震発生K半導体に反射利益が出るか(韓経ビジネス・朝鮮語)
台湾地震をきっかけに、ファウンドリー(半導体委託生産)の供給先中心がTSMCから国内半導体メーカーに移動できるという見方も出ている。
(引用ここまで)

 分散を考える企業があっても不思議ではないですが、あくまでもメインはTSMCでサブをサムスン電子でって感じかなぁ……。
 なんだったらファウンドリ事業に再参入したインテルに頼むってくらいの企業もあるかもしれませんね。

 去年の時点で「2024年にリリースされるSnapdragon 8 Gen 4をTSMCとサムスン電子の両方の3nmファブで製造することになるかも……」とのリーク記事がいくつか出ていたのですが。
 年末には頓挫して「やっぱアレなし」ってことになっています。サムスン電子側のボリュームに問題があると判断された模様。

[News] Samsung Fails to Secure Qualcomm’s 3nm Orders for the Coming Year, Dual Foundry Strategy Postponed(TREND FORCE・英語)

 やっぱり、TSMCで製造できなくなったら「委託側が困ったことになる」だけっぽいなぁ。
 ラピダスがそのあたりでうまくフットワークを軽くできればいいと思うのですが。まあ……いろいろと難しいとは思います。でもがんばってほしいとは思っています。
 個人的に台湾にはいくらか寄付しようと思っています。ちゃんとしたところに。
 あ、花蓮縣政府(被害の中心地の地方自治体)は怪しいのでダメ。以前から寄付金をがめた疑惑が提起されています。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

韓国人識者「半導体で日台韓が『戦略的友人』として団結すべきだ」……日本・台湾「え、なんで?」

カテゴリ:半導体関連 コメント:(85)
台湾+日本「半導体密着」……韓国とは戦略的なR&D友達になれるか(中央日報・朝鮮語)
今日のライバルは明日の友達になるのだろうか。 この間、半導体産業で激しく競争してきた韓国·日本·台湾がグローバル半導体供給網再編の中で関係を再確立する必要性が提起された。 米国の対中規制と中国の空襲という巨大な波の前に、「韓国のメモリー、日本の材料、台湾のものづくり」が意気投合する可能性だ。

第1回「半導体供給網再編と経済安保」国際フォーラムが22日、台湾台北国立政治大学で開かれた。 韓国・台湾・日本の政治・安保・産業学者および政策立案者が集まって急変する対外環境の中で半導体産業協力の可能性を議論した。 (中略)

先月、日本熊本県にTSMC半導体1工場が開所したことを反映するかのように、フォーラム開始から台湾と日本は「半導体友情」を誇示した。 台湾半導体政策の設計者である国家科学委の禹正中主任委員(長官・大臣級)はこの日の基調演説で、「今後、民主主義陣営と共産主義陣営に分かれ、激しい競争が繰り広げられるはずだが、民主陣営である私たちが団結しなければならない」と述べた。 続いて基調演説を行った日本国際文化会館地経学研究所の鈴木一人所長(東京大学公共政策大学院教授)は「日本と台湾は同じ考えを持った国家なので、不安定で脆弱な国際秩序の中で相互協力できる」と答えた。 (中略)

台湾と日本の密着とは違い、フォーラム全般的に韓国との協力についての言及は少なかった。 韓国が世界メモリー半導体市場の60%以上を占め、ファウンドリーではサムスン電子がTSMCの後を継いだ2位であるだけに、競争者と見る雰囲気だった。

この日、13人の講演者の中で韓国人は『半導体三国志』の著者である成均館大化学工学部のクォン・ソクジュン教授が唯一だった。 クォン教授は「韓国·台湾·日本が研究開発(R&D)オープンプラットフォームを作って長期的に技術協力をしなければならない」と提案した。 ヨーロッパは半導体生産能力が少ないが、ベルギー·フランス·オランダ3国が共同設立した半導体研究所IMECがASMLの次世代極紫外線(EUV)露光装備開発とテストを専門担当し、業界に影響を及ぼしている。 このように東アジア3国も「戦略的友人」として団結しなければならないという主張だ。 (中略)

ヤン・グァンレイ教授も「今、韓国とは率直に協力より競争関係」としながらも「韓国はメモリー半導体強国であり、AI時代にはメモリーとロジックの両方が必要なので協力する時代が来ることができる」と話した。
(引用ここまで)


 台湾で日台韓の政策、安保、半導体関連の専門家が集まっての会議が行われました。
 日本からは東大大学院の鈴木一人教授が出席。国際政治のエキスパートです。アメリカのドラマ、24の翻訳監修者でもあります。
 ロシアから入国禁止処分を受けたことも記憶に新しいところ。

 その中で半導体関連での台湾と日本の蜜月具合が語られています。
 熊本のTSMC(JASM)第1工場が稼働しつつあることに象徴されるように。
 そして、同時期に発表されていたTSMCのアメリカのアリゾナ工場、ドイツのドレスデン工場の進捗が捗々しくないことを見ても分かるように。
 今回の日本政府による積極性は相当なものであったことが分かります。

 まさに鈴木一人教授がいうように「日本と台湾は価値観が近いので相互協力できる」わけです。


 会議の大勢は日台間の協力についての言及だったようですが。
 韓国側からは「その環に入れてほしい」といった話も出たとのこと。
 ベルギー、フランス、オランダが協力して設立されたimecのように日台韓でも協力することができるはずだ……とのことですが。

 利害関係が一致して設立された研究機関であるimecと、日台韓の状況はだいぶ違う気がするなぁ。
 韓国は後工程メインでのビジネスの相手であっても、それ以上に踏みこんだら韓国で合弁会社を設立してなんもかも奪われたスクリーンの二の舞です。

半導体製造装置でほとんど存在感のない韓国、CHIPS法、CHIP4で影が薄いのも当然か……唯一、韓国企業でシェアが高いのは日本から技術を奪ったもののみ(楽韓Web過去エントリ)

 韓国とは目指している方向性が常に異なっているのです。
 「協業」はあるていどできても、協力はできない大きな理由ですよね。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→