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カテゴリ:半導体関連の記事一覧

韓国半導体技術者「もはや韓国の半導体技術は中国に追い越された。基礎技術ですら及ばない」と評価……メモリしか作ってないもんね

カテゴリ:半導体関連 コメント:(38)
タグ: 半導体関連
「中国、韓国の半導体を追い越した……基礎力量すら遅れている」(韓経TV・朝鮮語)
23日、韓国科学技術企画評価院(KISTEP)が発刊した「3大ゲームチェンジャー分野技術水準深層分析」ブリーフによると、国内専門家39人を対象にアンケート調査を行った結果、昨年基準で韓国の半導体分野技術基礎力量はすべての分野で中国に劣ることが分かった。

最高技術先導国を100%と見た時、高集積・抵抗基盤メモリー技術分野は韓国が90.9%で中国の94.1%より低い2位であり、高性能・低電力人工知能半導体技術も韓国が84.1%で中国の88.3%より低かった。

パワー半導体も韓国が67.5%、中国が79.8%であり、次世代高性能センシング技術も韓国が81.3%、中国が83.9%だった。 半導体先端パッケージング技術は韓国と中国が74.2%で同じように評価された。

技術水準を事業化の観点から評価した時、韓国は高集積・抵抗基盤メモリー技術と半導体・先端パッケージング技術だけで中国をリードしていることが分かった。
(引用ここまで)


 韓国国内の技術者が「中国と韓国の間で半導体技術の差はもはやない。むしろ差をつけられている」との評価をした、とのニュース。
 いうても韓国でやっているのは基本、メモリ製造ばっかり。
 自分たちで「韓国は半導体先進国」って自称していますが、製造装置があるわけでもなく。
 関連装置産業があるというわけでもない。

 メモリ製造は最先端かもしれませんが、それ以外にできることってこれといってない。
 日本で「ミスター半導体」と呼ばれた故西澤潤一氏は1990年の時点で「半導体製造は日本から韓国を経て中国、ベトナムへと主流が変遷していくだろう」と予言していました。
 まあ、だいたいそのような経緯を描いていますかね。
 台湾がここまで前に出てくることは予想していなかったようですが。


 日本から韓国に向かって技術者が製造技術の流出をしていましたが、同じように韓国から中国へも流出が続いています。
 先日は元サムスン電子の元部長が「18ナノの製造技術を流出させた」として、地裁で懲役7年、罰金2億ウォンの判決を受けています。

中国に18ナノ技術流出、数兆ウォンの被害…サムスン電子元部長に懲役7年(中央日報)

 韓国では「国賊だ!」みたいに言われてますが、キミらも散々やってきたことだよなぁ。
 今回はばれたのですが、水面下で成功していることも少なからずあるでしょうね。

 パワー半導体についてはどちらも低い評価。
 アナログ系でもあるパワー半導体は日本が強い部分でもあるのですが、もうちょっと企業数が統合で少なくなってもらえんかな……ってところでもありますね。
 次世代高性能センシングはLiDARとかか。
 韓国にだいぶ関係ないですね。

 どちらにせよあと5年とかそのくらいはメモリ製造だけでも戦えるとは思います。
 HBMもありますし。
 それから後ですか? んー、中国産のメモリが西側にそれほど入るとも思えませんし、メモリ製造はできるんじゃないですか。
 サムスン電子がどれくらい凋落するかによると思います。

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エヌビディアがサムスン電子を冷遇……韓国メディアは「台湾系のファンCEOが台湾企業を優遇しているからだ!」と非難

サムスンに何の問題があるのか……「エヌビディア、いったいどうしたんだ」 とざわめき(韓国経済新聞・朝鮮語)
サムスン電子のチョン・ヨンヒョン副会長など半導体(DS)部門の経営陣が昨年9月、NVIDIAのジェンスン・ファン最高経営者(CEO)に会って以来、国内半導体業界に変なうわさが流れた。 NVIDIA高位役員がサムスン電子経営陣の前で「サムスン電子が高帯域幅メモリー(HBM)顧客社に対する姿勢」に対する不満を提起し、「サムスン電子のHBM製品技術力」に対する憂慮を伝えたとのことだ。

NVIDIAがサムスン電子に非難を与えたのは初めてではない。 昨年2月頃にはNVIDIA職員がサムスン電子に電子メールを送り「サムスンのプロ精神失踪と嘘に非常に失望した」と指摘した。 昨年11月頃にはサムスン電子天安HBMパッケージングラインを実査したNVIDIA職員が酷評を残して帰った。 半導体業界ではNVIDIA側からサムスン電子に「高位役員が頻繁に変わって信じて事業できない」という不満を伝えたという話も出ている。

最近、ファンCEOが「公開された席」で話したサムスン電子に対する応援と激励とは180度違う雰囲気だ。 (中略)

ファンCEOの行動は、NVIDIAとサムスン電子がビジネス世界の甲乙関係だという点を考慮しても、一般的ではないという評価を受けている。 国内半導体業界では「サムスン電子に良くない感情を持っていたジェンスン・ファンが意図された行動ではないか」という話まで出ている。

ファンCEOが故国である台湾に接するのを見ると、韓国との温度差がすごい。 今年のドナルド·トランプ大統領の就任式にも行かず、台湾の日程を消化した。 16日、台湾に渡ったファンCEOはNVIDIA協力会社であり世界的パッケージング業者ASE子会社SPILの新規工場開幕式にNVIDIAとSPILロゴが並んで撮られたジャンパーを着て参加した。 (中略)

台湾系米国人であるファンCEOの「親台湾」の態度については理解できる部分があるという評価が出ている。 半導体業界ではジェンスン・ファンの「韓国パッシング」が過去にサムスン電子などから受けた問題のためだという話も出ている。 (中略)

半導体業界高位関係者は「台湾の浮上で韓国半導体産業に残念な点が多くなっている」として「メモリー半導体にファウンドリーなどシステム半導体を加え『AIハードウェア中心国家』になろうとした韓国の戦略がますます難しくなっている」と話した。 また別の関係者は「注目すべき点は台湾でAI産業生態系が拡張されているということ」とし「韓国企業が独歩的なAI技術競争力を備え顧客を誘致すること以外には方法がない」と指摘した。
(引用ここまで)


 NVIDIAがサムスンを冷遇しているのではないか、とする韓国メディアの記事。
 かつてサムスン電子からNVIDIAが受けた仕打ちが原因となっているのかもしれない……としているのですが。
 具体的な話には言及していませんね。

 ひとつ思い当たる部分がありまして。
 NVIDIAから発表されたビデオカードのRTX5000シリーズが思ったほどの進歩を見せていない(RTX4000シリーズの性能から大きくジャンプアップしていない)のですが、その原因としてGDDR7の速度がそこまでではないことが挙げられます。
 速度が本来予定されていたものの12.5%落ちとなっているのですね。
 特にハイエンドで性能が伸びていないのはここに原因のひとつがあるのでは、とされています。
 現状、サムスン電子がRTX5000シリーズのGDDR7を独占供給中。

 このあたりは歩留まりや発熱を見て抑えている部分も少なくないとは思いますが。
 ノートPC用のビデオカードではマイクロン製も採用するとの話。
 なんともNVIDIAとサムスンの反りの悪さを感じさせます。


 その一方でようやくHBM3eについてNVIDIAの認証を得られたとのニュースもあります。

エヌビディア、サムスンのAIメモリー8層HBM3Eを承認-関係者(ブルームバーグ)

 ブルームバーグはサムスン電子のHBM3がNVIDIAのテストに合格しなかったことをすっぱ抜いて、それが正しかったなんてこともありました。
 どうやらサムスンかNVIDIAの内部に「関係者」がいる模様。
 今回こそは、ってところかな。

 さて、こうしたNVIDIAからのサムスン電子冷遇を韓国メディアは「私怨」として扱っているのですが。
 実際のところはどうか分かりませんけども。
 韓国企業ではそうした怨讐が常日頃から行われているってことなのでしょうね。

 だからこそ、こうして「サムスンを冷遇するのは私怨があるからだ」って新聞記事で書けるんでしょう。

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韓国メディア「台湾の地震で露わになったTSMC一強の危険性。サプライチェーン多角化が必要だ。サムスン電子とかに」

カテゴリ:半導体関連 コメント:(65)
TSMCチップの生産が止まったらどうしよう…「地震リスク」、世界が揺れる(イーデイリー・朝鮮語)
世界最大のファウンドリー(半導体委託生産)TSMCがまた「地震リスク」と直面した。 ファウンドリー絶対強者であるTSMCがサプライチェーン危機に直面する回数が多くなり、サプライチェーン多角化に対する声が一部から出ている。

21日、業界によると、台湾南部の都市台南市で同日未明(現地時間)、マグニチュード6.4の地震が発生し、TSMC工場が位置する台南科学技術団地で労働者の避難が行われた。 (中略)

問題は人工知能(AI)時代に入ってTSMCの地位が急騰しているという点だ。 TSMCの3ナノ最先端工場などにはアップル、クアルコム、メディアテックなど主要ファブレス(半導体設計会社)の注文が殺到している。 市場調査会社トレンドフォースの分析によると、来年のTSMCの売上シェアは66%と推定される。 半導体業界のある関係者は「顧客の間では受注事業であるファウンドリーの特性上、地震リスクでTSMCに預けた物量を適時に受け取れない可能性があるという不安感が大きくなっている」と話した。 中国の台湾武力侵攻の憂慮に加え、大地震の恐怖まで別世界の話ではないという意味だ。

状況がこのようになると、業界の一部ではTSMCの他にサムスン電子などで供給網を多角化しなければならないという声が力を受けるものと見ている。
(引用ここまで)


 先日の台南を襲った地震でTSMCの工場が一時停止し、製造中だった半導体をウエハーにして数万枚ほど破棄せざるを得ない状況になったと報道されています。

Earthquake may have affected 20,000 TSMC wafers — the majority will likely have to be scrapped(TOM'S HARDWARE・英語)

 こちらの記事では2万枚ほどを破棄することになるだろうとの報道。
 1万枚ていどで済んだとの記事もあるのですが、どちらにせよ地震のあった時期に工場に投入されていたウエハは破棄せざるを得ないでしょう。

 一部は最先端工程のものであったとされていて、nVidiaやアップルから委託されていた分が無駄になった模様です。


 TOM'S HARDWAREは単純に「破棄された」とだけ伝えているのですが。
 それが韓国メディアに伝わると「サプライチェーンを再構築しなければならない」ってなる不思議。
 というか、TSMCは1社でサプライチェーンの再構築を行っているんですよね。
 アメリカ、日本、ドイツ、台湾と工場を拡げつつある。
 まあ、拡げすぎてエンジニアの集中投入とか難しくなっている感じもしなくはないですが。

 「サムスン電子などで多角化を図らなければならない」って。
 そりゃできるんだったらどの委託元もやりたいでしょうね。TSMCの代わりが務まるところをどこも求めてはいるのです。
 でも、現実的にはTSMCに委託する以外に手はないんですから。

 「サムスン電子に委託して多角化しましょう」とか提案されても「はあ?」って猫ミームみたいな対応が帰ってくるだけでしょうよ。
 わざわざ貧乏くじ引こうとするバカはいないってことです。

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韓国メディアが「ラピダスが2nmプロセス試作ライン立ち上げでブロードコムへの試作品チップを供給する」との日経報道に反応……実はラピダスにはけっこうビジネスチャンスがあるのですよ

日本の半導体製造企業ラピダス「2ナノ戦争」に乗り出すか……米ブロードコムに試作品チップ供給へ(朝鮮日報・朝鮮語)
日本の半導体連合企業ラピダスが米国の世界5位の半導体企業ブロードコムに6月までに2ナノ(1ナノは10億分の1m)半導体試作品を供給することにしたと日本経済新聞(日経)が9日報道した。 ラピダスは2022年トヨタ、ソニー、キオクシアなど日本代表8社が出資して設立した半導体企業だ。

日経によると、ラピダスは4月に2ナノ製品の試験生産を行い、2027年から本格的な量産工場の稼動に入るという目標だ。 ラピダスの2ナノ試験生産時点は、ファウンドリー(委託生産)1位の台湾TSMC、三星電子とほぼ同じだ。 相対的に超微細工程で遅れを取っていると知られている日本の半導体業界が急速に技術格差を減らし、先端市場に進入し始めたのだ。

これまで半導体業界では、ラピダスの超微細工程成功の可能性を高く見ない分析が多かった。 技術参入のハードルが高い上、意味のある歩留まり(良品生産比率)を確保するためには莫大な投資費用がかかるからだ。 しかし、今回のブロードコムと試作品供給契約を結んだことを考慮すれば、ラピダスが技術的な面で相当な進展を見せているものと分析される。

何よりもラピダスは超微細半導体生産工場を安定的に稼動するためには顧客会社確保がカギだったが、世界5位の半導体業者であるブロードコムと手を握り、2ナノ市場進入に推進力が生じた。 日経は「ブロードコムはラピダスの2ナノ半導体性能を確認した後、データセンター用半導体などの生産をラピダスに委託する計画」と伝えた。
(引用ここまで)


 ラピダスが27年の量産開始を視野に入れ、2nmプロセスの試作ラインを立ち上げたことが日経に報じられました。
 で、ブロードコムへの試作品生産を行うとの話です。

ラピダス、米ブロードコムと連携 2ナノ半導体を試作(日経新聞)

 これに韓国メディアが異様なほどに反応してまして。
 冒頭記事以外にも10前後の記事があるかな。
 まあ、韓国で半導体製造受託企業といえばサムスン電子ですが、ここのところぱっとしない。
 メモリ製造についてはまだ世界のリーダーのひとつとはいえますが、もはやメモリ製造では脇役に過ぎないことを把握しつつあるのでしょうね。


 まあ、サムスン電子やインテルのように「自社でも製造しているしがらみ」を持たない純粋な受託企業として、ラピダスが2nmプロセスでの量産を成功させることができればさまざまな半導体企業にとって福音となれるのです。
 現状、半導体受託企業って絶妙な環境にあるのです。

・自由主義陣営における半導体製造受託企業の3番手4番手であるUMC、グローバルファウンドリーズは12〜14nmプロセスで開発を停止。
・TSMCの最先端プロセスはまずアップルが独占使用することがお約束。
・それ以外の先端プロセスも競争率が高すぎる状態。
・2番手のサムスン電子は3nmプロセスで「量産できた!」と主張するけども実際には歩留まりが上がっていない。結果、顧客もいない
・サムスン電子は自社での半導体設計・製造をしているので、ライバル企業としては製造委託するのにためらいがある。

 ……といった環境もあって2nmに飛びこんだラピダスにビジネスチャンスあり、とは判断してはいます。
 ビジネスチャンスがあるのと、本当に量産できるかどうかはまた別の話ではあるけども。

 韓国メディアが敏感に反応しているのもそのあたりの事情を鑑みてのことでしょう。
 でもまあ、「敏感すぎない?」とは感じますね。

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韓国メディア「TSMCの2ナノプロセスは供給が少ない。量産で先行しているサムスン電子にQualcommやNVIDIAから引き合いが来そうだ!!」……そりゃ、できるならやってほしいだろうけどさぁ

TSMC to Lose 2nm Orders? NVIDIA and Qualcomm Reportedly Mull to Team up with Samsung(TrendForce・英語)
TSMCの最も重要な顧客であるAppleが、このファウンドリ大手の2nmプロセスの採用を2026年まで延期する可能性があるとの噂がある中、朝鮮日報とSamMobileを引用したCommercial Timesの報道によると、NVIDIAとQualcommもこれに追随し、最先端のチップにSamsungの2nmを採用することを検討していると報じられている。

報道によれば、コストの高さと生産能力の限界により、米国の半導体大手2社は考え直す可能性があるという。

TSMCのほか、日本のラピダス、韓国のサムスンファウンドリも2nmクラスのノードの量産化を目指している。その中でもトップを走っているのがTSMCだ。同社の2nmの歩留まりは60%に達したと報じられており、同ノードは2025年に量産化される予定で、4月には試作が開始されると噂されている。

一方、朝鮮日報によると、サムスンは2025年第1四半期に2nmのテスト生産を開始すると報じられている。マネーDJによると、ラピダスは北海道千歳市に工場を建設しており、2027年に2nmウエハーの量産を目指している。

TSMCの2nmはコストが高く、生産能力が限られているため、朝鮮日報の報道では、サムスンは日本のAIスタートアップ企業であるPreferred Networks(PFN)などの既存顧客に加えて、国内のファブレス企業の関心も集めていると指摘している。さらに、ファウンドリパートナーを多様化しているNVIDIAやQualcommなどの大手テクノロジー企業と2nmプロセスのテストを行っていると報じられている。

TSMCとサムスンがクアルコムの注文をめぐって熾烈な戦いを繰り広げるのは今回が初めてではない。韓国の半導体大手は2020年以降、クアルコムからのSnapdragon主力製品の注文の一部を失ったと報じられており、5nmの歩留まりも懸念を引き起こしていた。
(引用ここまで)


 韓国国内で「TSMCの2nmプロセスは高価で供給量も限られている」との報道が出ています。
 NVIDIAやQualcommといったビッグテック企業が2nmプロセスを求めてサムスン電子やラピダスを選択するかもしれないといった記事がぽつぽつとあります。

「高すぎる」…三星電子、「2ナノを使うビッグテック」に目を向ける(ニューシス・朝鮮語)

 TSMCによる最新プロセスの供給量が少ないので「反射利益」をサムスン電子が得る、としているのですね。
 ただまあ……どうなんでしょう。
 クアルコムもNVIDIAもサムスン電子をちょっと前まで委託先としていたのですが、かなり痛い目にあっています。

サムスン電子のファウンドリ、あまりにも歩留まりが上がらずにnVidia、クアルコムともにTSMCに逃げてしまう……(楽韓Web過去エントリ)

 あまりにも歩留まりが上がらない上に熱問題もいつまで経っても解消されず、SnapdragonのハイエンドシリーズはTSMCへと委託先を移行。
 クアルコムはサムスン電子の工場に技術者を常駐させるまでして問題解決を図ったのですが、最後まで解決はしなかったようです。

 NVIDIAもRTX3000シリーズで当時の最新プロセスに問題が生じて使うことができず、一世代前のプロセスを使用することになりました。
 そこまでして製造の安定を図ったのですが。
 当初から供給数がショートしていたことが語られていましたね。


 現在でもGoogleのPIXELシリーズに採用されているTensor Gシリーズは「性能がいまひとつ」とされていて、PIXELシリーズがハイエンドスマホと見なされない大きな理由になっています。
 じゃあ、2ナノでの歩留まりやら熱処理がそんなによくなるのか……って話なんですが。

 どうなんでしょうね?
 なにしろ、2nmプロセスはおろか、3nmプロセスでも「本当に顧客いる?」「量産できるって嘘じゃない?」って噂されるレベルですから。

サムスン電子「3ナノプロセスでの量産を実現した」→半導体業界「えっと、顧客どこにもいないよね?」(楽韓Web過去エントリ)

 アメリカの半導体受託工場として建設していた工場から、大量の自社社員を引き上げさせているとのニュースもありました。

サムスン電子、アメリカで操業開始を予定していた半導体受託工場から大量の社員を引き揚げへ、操業開始も今年から26年に変更……というかそもそもファウンドリ工場として操業開始できる?(楽韓Web過去エントリ)

 最先端プロセスでの需要は確実にあるんですよ。
 もう、どこの半導体企業も喉から手が出るほどに製造キャパがほしいのです。
 でも、結果としてTSMC以外に頼れるところがないからTSMCのシェアが60%以上、3ナノでは100%シェアにまできてしまっているわけで。

 サムスン電子でもラピダスでも使えるのなら使いたいってのは本音でしょう。
 需要はとてつもないものがあるのです。
 各企業でそれが製造できるかどうかは別として。

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韓国メディア「中国企業が最新のメモリ製造に追いついてきた。もはや技術力の差は数年分しかない」

中国、「メモリー製造」の限界に直面「先端分野で格差15年」(ソウル経済・朝鮮語)
グローバル半導体市場で中国産メモリーの攻勢が激しくなり、中国企業の技術水準を巡る議論が大きくなっている。 特に、中国1位のメモリーメーカーであるチャンシンメモリー(CXMT)が先端メモリーであるダブルデータレート(DDR)5の量産に成功したことが分かり、危機感が高まっている。 サムスン電子がDDR5を量産時期が2021年であったことを勘案すれば、中国の技術力が3年以内まで狭まったと見られるためだ。

ただ、半導体業界では中国が本格的な「半導体業」を成し遂げるまでまだ時間が残っているという評価が支配的だ。 米国の規制で半導体工程に必ず必要な極紫外線(EUV)露光機のような先端装備を導入できずにいるうえに、トランプ2期行政府で大衆半導体規制がさらに厳しくなるという分析のためだ。 半導体業界のある高位関係者は「米中葛藤が私たちとしてはそれこそ千載一遇の機会」として「旧型半導体ラインを先端製品に転換し先端研究開発(R&D)に効率的な投資を通じて中国と確実な格差を広げておかなければならない」と指摘した。 24日、業界によると、半導体露光装備会社ASMLは最近、米国で開かれた「IEDM 2024」で、EUV装備の次世代バージョンであるハイ(High)-NA機器のDラム適用可能性を紹介した。 同社は、Dラム工程に同機器を導入した場合、原価を30%まで減らすことができると主張した。 CXMTなど中国企業が2019年からEUV装備を搬入できずにいるという点を勘案すれば、ますます原価差がさらに広がるという意味だ。

CXMTが生産するDDR5もこのような限界のために収率が10~20%水準に過ぎない可能性が高いというのが半導体業界の診断だ。 ASML経営を総括するクリストファー·フーケCEOは中国の半導体技術力について「先端分野では10-15年ほど遅れている」と説明した。 もちろん中国内部では積極的な素材·部品·装備開発で規制で多様な装備を現地化したと知られた。

ただ、生産性と収率の問題で原価節減、価格競争力で大きく遅れているというのが業界の衆論だ。 業界のある関係者は「中国の半導体工場に設置された装備は殻だけ米国産であり、維持・補修用に取り替えた部品は大部分現地でコピーした複製品」と話した。
(引用ここまで)


 中国のCXMTがメモリのDDR4に続いて、現在PCでメインになっているDDR5も量産できるようになったとのニュースを受けた韓国の反応。
 現状、CXMTのDDR5は20%ほどの歩留まりである、とのこと。
 かつ、アメリカの輸入規制措置でEUV露光装置が入手できないことから、これ以上の微細化は難しいのではないか……としているのですが。

 問題はそこじゃないんですよね。
 中国が自国産のDRAMを製造できるようになったってことで、韓国はだいぶ追いこまれることになったわけです。
 韓国企業であるサムスン電子やSKハイニクスはこれまで中国に建てた工場でメモリの地産地消をしてきたのですが。
 それが必要なくなってくるわけですよ。


 それでなくても中国は「自国産の製品には自国産の部品を使うべき」って政府方針を打ち出しています。
 ファーウェイのスマホに搭載されているSoCが中国製になったのも同様の理由。
 中国市場でファーウェイが大復活しているのも、そうした施策が中国人の愛国心をくすぐっているからなのでしょう。
 ちなみに1位はVivo、2位がアップル、ファーウェイは僅差の3位。相変わらずサムスン電子はその他の1%前後。もう中国市場諦めたら?

 EUV露光装置が入手できなくてもArF露光装置でDRAMはそこそこ競争力のある製品が作れるので、なんとかなるんじゃないかなぁ。
 結果としてメモリ価格が下落して、韓国企業の収益力が損なわれるわけですけどね。
 ちなみにHBMについても独自で製造をはじめているとしています。

アングル:中国2社、AI用メモリーの生産開始 外国依存低下の取り組み前進(ロイター)

 2世代遅れくらいで追いついてくるんだろうなぁ……って感じです。

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サムスン電子、自社製のExynos 2500をTSMCに製造委託か……戦えないほどに歩留まり悪いんだ

Samsung Reportedly Considering Partnership with TSMC to Jointly Produce Exynos 2500(Trend Force・英語)
Wccftechのレポートによると、サムスン電子は初めて、Exynos 2500 プロセッサの製造にあたり、外部のファウンドリとの提携を検討する可能性があるという。Wccftech のレポートは、韓国のメディアThe Bellを引用し、TSMC については明示的に言及されていないものの、Exynos チップを大量生産する唯一の選択肢であることに変わりはない、と指摘している。

Wccftechによると、サムスンの3nm GAAプロセスは歩留まりの低さに苦しんでいる。その結果、Exynos 2500は来年のGalaxy S25スマートフォンに搭載される可能性は低い。代わりに、Galaxy S25はQualcommのSnapdragon 8 Eliteプロセッサに完全に依存することになる。 (中略)

Wccftechは、TSMCがすでにフル稼働しており、追加注文を受け入れるかどうか疑問視していると指摘している。さらに、TSMCは最近、2nmの試作で60%の歩留まりを達成し、重要なマイルストーンを達成したとレポートは指摘している。これは、量産がそう遠くないことを示唆している。2nmウエハーの需要は3nmよりも高いと言われているため、TSMCがサムスンと協力するインセンティブはさらに低下している。
(引用ここまで)


 サムスン電子が自社設計のExynos 2500をTSMCに製造してもらうのではないか、とのニュース。
 先日、ベンチマークスコアがリークされて、ハイエンドSoCであるSnapdragon 8 Eliteとの圧倒的な性能差があることが開かされたサムスン電子製のExynos 2500。

サムスン電子の次期ハイエンドスマホ、このままでは他社から3割落ちの性能になる可能性も……Exynos 2500の性能は奮わない模様(楽韓Web過去エントリ)

 自社のハイエンドスマートフォンであるGalaxy S25には搭載されないことがほぼ決定。
 ですが、まだそれ以外のスマートフォンへの搭載は諦めていないとされていました。
 その逆転の一手がTSMCへの製造委託。
 ……(笑)。


 まあ、自社製のSoCですから製造委託に出したとしても、コストははるかに抑えられるのでしょう。
 ……それにしても、そこまで歩留まりで苦しめられていたんですね。

 4ナノプロセスで歩留まりが上がらず、Qualcommに逃げられてからはnVidiaもテスラもGoogleまでもサムスン電子から離脱。
 3ナノ、2ナノではろくに顧客を獲得することもできずに、世界中がTSMCに委託……というか依存。
 TSMCのシェアは約65%、サムスン電子はついに10%を割っています。

韓国半導体、DRAM・NANDは下落、受託製造はシェア縮小……それでも国会は半導体支援法など見向きもせずに「弾劾だ、弾劾!」と叫ぶ(楽韓Web過去エントリ)

 なんなら「顧客がいないのでアメリカの製造受託工場建設から撤退します」くらいの状況。
 ……さすがに受託事業そのものからの撤退はないでしょうけども。
 ここまで差がつけられているとなぁ。

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韓国半導体、DRAM・NANDは下落、受託製造はシェア縮小……それでも国会は半導体支援法など見向きもせずに「弾劾だ、弾劾!」と叫ぶ

トランプ2期も大変なのに…「韓国半導体、ゴールデンタイムを逃す」(韓国経済新聞・朝鮮語)
非常戒厳宣言と弾劾政局で経済活力を高めるための法案処理と政策決定が相次いで支障を来たしている。 与野党が合意処理することにした半導体·人工知能(AI)産業支援法案は相次いで遅延したり「中途半端」で通過している。 大統領室の機能が事実上マヒした状況で、消費促進対策など省庁間の協議が必要な政府政策は事実上全面的にストップした。 政治的不確実性に景気回復のゴールデンタイムを逃す恐れがあるという憂慮が大きい。

11日、企画財政部などによると、半導体産業支援のための「Kチップス法」(租税特例制限法改正案)は10日の本会議で日没期限を今年末から3年延長する内容だけが通過した。 当初、与野党は半導体投資税額控除率を5%ポイント高め、研究開発(R&D)施設投資税額控除率を1%から20~30%に高めることで合意したが、弾劾政局を迎え野党が態度を変え失敗に終わった。 半導体R&D従事者の週52時間勤労規制緩和方案が含まれた半導体特別法議論は上程すらされなかった。 (中略)

未来の食べ物に挙げられるファウンドリーの状況はさらに深刻だ。 市場調査会社のトレンドフォースによると、三星電子のシェアは今年第2四半期の11.5%から第3四半期は9.3%へと墜落した。 同期間、世界トップのTSMCのシェアは62.3%から64.9%へと上昇し、3位の中国SMICは5.7%から6.0%へと跳ね上がった。 TSMCが3ナノメートル(nm)など先端工程で独走し、SMICは「40%爆弾セール」を前面に出して10nm以上成熟工程で「韓国占有率奪い」に乗り出した結果だ。
(引用ここまで)


 韓国で臨時国会が召集されました。
 ユン大統領に対する弾劾決議案は明日12日にも提出され、14日に採決の予定となっています。
 与党からの造反議員はかなり増えるのではないかとされています。
 まあ、さすがに圧倒的ともいえる民意をこのままにして、議会からの退場を繰り返すことはできないってことですかね。

ユン氏の弾劾表決に参加、10人前後まで増える…賛成票は5名(ニューシス・朝鮮語)

 もうすでにメディアの中には「ユン大統領」ではなく、「ユン氏」と呼んでいるところもあるほどです。
 「弾劾決議案に対して投票する」としている議員が10人、うち賛成票は5人ていどではないかとされています。
 弾劾が成立する200票まであとほんの少し。

 ちなみにタマネギ男ことチョ・グクの大法院判決は明日午前予定。
 有罪判決が出て議員失職の場合は祖国革新党の繰り上げ当選が認められるまで野党側は192議席→191議席となるので、わずかにハードルが上がります。


 さて、そんな中で経済にも明確な影響が出はじめているとのニュースが冒頭記事。
 半導体のうち、汎用DRAMは明白に下落基調。
 NANDフラッシュはどうにか下げ止まり感がでてきましたかね。

 そして半導体受託企業のマーケットシェア(第3四半期)が出てまして。

Advanced Processes and Chinese Policies Drive 3Q24 Global Top 10 Foundry Revenue to Record Highs, Says TrendForce(TrendForce・英語)

 TSMCが64.9%で1位。サムスン電子はついに10%の大台を割りこんで9.3%。
 市場自体は9.1%の伸長なのに、サムスン電子は-12.4%と大幅なシェア下落。
 これはきつい。

 こうした状況に対して韓国政府は半導体企業に現状よりは厚めの支援を行う予定だった「新Kチップス法」を上程していたのですが、今回の弾劾騒ぎでぽしゃってます。
 半導体研究者は週52時間労働の枷を外してもいいとする法案も上程予定だったのですが、こちらは上程すらできませんでした。

 まあ、この状況下で野党側が与党やユン政権にまともな政策をやらせて得点を稼がせるわけがないですが。
 もう完全に自縄自縛。

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