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韓国メディア「日本のTSMC熊本工場はわずか2年弱で完成した。韓国の工場は8年かかっているのが現状だ」と熊本工場を詳報

カテゴリ:半導体関連 コメント:(42)
「5年かかる」とされていた日本TSMC工場、20カ月で稼働開始へ(東亞日報・朝鮮語)
15日午前、日本の熊本県菊陽町。 牧歌的な風景のキャベツ畑の向こうに白い壁の巨大な建物が目に入ってくる。 熊本空港から車で15分かけて到着した工場の外壁には「jasm」というアルファベット四文字の看板が掲げられている。 世界最大の半導体委託生産(ファウンドリー)会社である台湾TSMCの日本現地法人名だ。

日本政府が「半導体産業再建」という目標を掲げて支援したTSMC熊本工場がついに姿を現した。 日本政府は異例の規模である4760億円(約4兆2300億ウォン)の補助金を投入した。 24日の竣工式には、TSMCのモリス・チャン創業者が出席する可能性があると、台湾国営中央通信が報道した。 日本からは岸田文雄首相、日王の姪である佳子姫などが出席するという。

竣工式を9日後に控え、工場の外部では窓ガラスを拭き、正門付近の庭園を手入れするなど、詰めの作業を行っていた。 菊陽町半導体産業支援室の坂本恒平係長は「竣工式は来週だが、すでに工場稼動が始まった」と話した。

完成したTSMC熊本工場では今年末からカメラ、自動車などに使われる12・16・22・28nm(ナノメートル・10億分の1m)級の工程製品を生産する。 量産開始と同時に6ナノ級生産第2工場が着工される。 第1工場に投入された70億ドル(約9兆3500億ウォン·政府補助金含む)を加え、計200億ドル(約26兆7000億ウォン)が投資される。 日本政府はTSMC第2工場をはじめとする海外半導体企業の投資誘致に乗り出した。 岸田首相は「(半導体、二次電池など)戦略分野の事業に必要なインフラ投資を全力で支援する」と述べた。 日本最大の経済団体である経団連はこれを土台に、2027年に自国の設備投資115兆円(約1022兆ウォン)達成という目標を掲げた。

TSMC熊本工場の建設は、日本では類を見ないほどのスピード戦だった。 当初「5年はかかるだろう」と言ったが、3年操り上げて2年以内に終えることにした。 その後、365日24時間工事で竣工時点をさらに2ヵ月減らし、22ヵ月で終えた。 昨年末、試験製作に入ったことを考慮すれば、事実上20ヵ月ぶりに工場を建てたわけだ。

すでに昨年末、装備搬入および設置1次作業が終わり、試験生産も始めた。 当初、今年末の量産計画(12インチウェハー月5万5000枚)が予定より繰り上げられる見通しだ。

TSMC投資は24日の竣工で終わる単一プロジェクトではない。 今年末、12〜28ナノ級の量産と同時に6ナノ級の第2工場を着工し、2027年に第2工場の量産が開始される。 第3工場の建設も検討中だ。 車両だけでなく、スーパーコンピューターなどに分野を拡大するということだ。 すでに世界的な水準である半導体素材、装備生産力にTSMC工場などが加われば、日本は一気に世界トップクラスの半導体産業インフラを整えることになる。 (中略)

菊陽町は人口4万1000人余りの田舎町だが、往復4車線の大通り沿いには日本の大型ディスカウントストア「イオン」、最大家具売り場「ニトリ」等ができた。 2016年に震災被害を受けた熊本空港は、昨年3月に新しい旅客ターミナルがオープンした。

日本九州経済調査協会は、TSMC半導体工場による経済波及効果が10年間で20兆円(約178兆ウォン)を超えるものと予想した。 熊本県の樺島郁夫知事は先月の記者会見で、「地域にとって100年に一度の大きなチャンスだ」と述べた。 熊本県は28日、半導体企業が大挙参加する「産業復興エキスポ」も開催する。
(引用ここまで)


 台湾メディアが「TSMCの熊本第1工場がテスト生産のフェーズに入った」と報じていまして。
 まあ、本当かどうかは分かりませんが。
   どちらにせよ24日の開幕式には岸田総理や佳子様、さらにはTSMC創業者の張忠謀などが出席するとされています。

 2022年4月に着工されてからこっち、相当なスピードで工事が行われていまして。
 わずか2年弱で開幕式にこぎ着けるという速度感。
 5年かかるともされていた生産に2年ちょっとでたどり着いています。

 稼動の前倒しについてはソニーが製造する次期iPhone用の撮像素子用の半導体の安定供給をアップル側が求めているからともされています。
 そして、それを詳報する韓国メディア。


 というのも、韓国国内ではさっぱりメモリ工場の建設が進んでいない状況が続いていまして。
 たとえばSKハイニックスのメモリ工場は5回に渡って着工が延期されています。

3年前倒ししたTSMC熊本工場 vs 5回延期されたハイニックス龍仁工場(文化日報・朝鮮語)

 こちらの記事ではサムスン電子の平沢工場も相当に時間がかかったことが書かれていますね。
 かつてあった速度感が欠片もない。
 サムスンが半導体に参入するとして建てた最初のメモリ工場は建設まで1年もかかっていないですからね。当時はそこまで微細化が進んでいなかったので、いまほどの工場規模でないにしても。

 まあ、どこかで緩んでるんでしょうね。
 半導体を学ぶ学生が少なくなっていることなんかも同様で。
 「うちに来てくれたら研究職で定年まで面倒見る!」ことくらい言えればいいものを。

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韓国メディア「サムスン電子のファウンドリ事業、次世代2ナノプロセスではTSMCに対抗できるようになる!」……もう聞き飽きたわ、それ……

カテゴリ:半導体関連 コメント:(30)
「ファウンドリー不振」三星電子…「GAA」優位、来年まで続くか(ニューシス・朝鮮語)
ファウンドリーが含まれた非メモリー事業はむしろ赤字幅が拡大した。 非メモリー事業の損失は、昨年第3四半期の7000億ウォンから第4四半期は9000億ウォンに増加したものと見られる。

グローバル景気低迷でスマートフォンやパソコン、家電など前方産業の需要が減ると、顧客会社の注文が減少したためだ。 昨年末のファウンドリー稼働率は60%水準であり、成熟工程は50%まで下がったと知られた。
特に、ファウンドリーの低い収率も業績不振に影響を及ぼしたものと見られる。 3ナノメートル(nm·10億分の1m)の収率がまだ60%水準と伝えられ、実際にはこれに及ぶこともできないという分析も出ている。 収率が高いほど不良製品が出る確率が低くなる。
これに対し、ファウンドリー工程のGAA技術がサムスン電子ファウンドリー実績反騰のための核心要因になる見通しだ。
サムスン電子は2022年、3ナノ製造工程にGAA技術を世界で初めて適用した。 GAAは半導体微細化の限界を突破する新技術として挙げられる。 データ処理速度と電力効率を高めただけに、人工知能(AI)半導体の生産能力を高めることができる。
三星電子はライバル会社より3年先にGAA技術を導入し、試行錯誤を経ているだけに、2ナノなど今後の超微細工程でGAA競争力を本格的に発揮できる。

ただ、GAA技術をめぐってまもなく繰り広げられるライバル会社との角逐戦で、サムスン電子が優位を維持するかがカギだ。
TSMCは現在、3ナノ工程にGAAの代わりに比較的旧式技術である「フィンフェット」を導入中だが、来年から2ナノ工程にGAAを本格的に活用する予定だ。 2ナノ時代が始まる来年からGAA工程でTSMCとの正面勝負が行われるわけだ。
インテルは来年から18A(1.8ナノ)工程に独自のGAA技術である「リボンフェット」を活用する。 インテルは今年まで2ナノ、来年は1.8ナノを生産する計画で、超微細工程競争で優位を占めるという意図だ。

これに対し、業界ではサムスン電子のGAA優位のためには、ライバル会社のGAA導入時期前までに工程経験を最大限多く積まなければならないと見ている。 また、GAA導入拡大時に既存の低い収率も高めなければならないだけに、半導体設計資産(IP)に投資しなければならないという声が出ている。
業界関係者は「2ナノからはGAA技術検証がなされた企業が顧客会社の信頼を受けると見る」として「サムスンはむやみに新技術を導入するより今年の工程経験蓄積と収率安定化を先に成し遂げなければ微細工程競争で勝機をつかむだろう」と話した。
(引用ここまで)


 サムスン電子の非メモリー部門、要するに外部からの半導体製造を受託するファウンドリ事業の赤字が増えている、とのニュース。
 まあ、大型の顧客がざっと見るかぎりGoogleくらいしかいない。
 しかも、そのGoogleもPixel 8シリーズに採用しているTensor G3で採用したのも一世代前の4ナノメートルプロセスのもの。
 TSMCの3ナノプロセスはライン増設待ちが出てるにも関わらず、サムスン電子のそれは一顧だにされていないのです。

 サムスン電子は「3ナノプロセスによる半導体をどこよりも早く受託し、製造した!」としているのですが。
 実際に3ナノプロセスに委託した企業はどこの誰なのかがさっぱり分からなかったとのニュースも出ていました。

 今年中には2ナノプロセスに取り組み、サムスン電子は3ナノプロセスで採用をはじめたGAAをそのままシュリンク。
 TSMCは2ナノプロセスでGAAにはじめて取り組むとされています。
 んで、韓国メディア曰く「GAAを先行導入したサムスン電子が優位を保てる可能性が!」って話なんですが。


 これ毎回、サムスン電子について言っているんですよね。
 3ナノプロセスで数ヶ月だか先行した時も「これでクアルコムやnVidiaといった有料顧客がサムスン電子につくはず」みたいな報道があったのです。
 「サムスン電子のファウンドリ事業には薔薇色の未来が待ち受けている」ってくらいの勢いで。

 実際にはTSMCの3ナノはアップルのiPhone 15 Pro用のチップでラインは満員御礼。余裕ができたらMac用のM3でやっぱり埋まってしまう。
 歩留まりを改良したN3EラインにクアルコムやMediaTek、AMDといった企業が順番待ち行列を作る結果となったのでした。
 nVidiaもRTX5000シリーズをN3Eで作ってもらう模様。生成AI向けのH200は4ナノらしいので、その次がN3Eかな。
 Marvellみたいな車載チップもN3Eの順番待ちに並んでいたようですね。 

 現状でTSMCに対抗できる企業は不在。
 サムスン電子、インテルともに力不足もいいところなんですよね。日本のラピダスは……うん、まあがんばってほしいとは個人的には思っています。
 TSMC一強はよろしくないのですよ。
 ただ……対抗できる企業がないんだよなぁ。強すぎる。

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【検証編】韓国メディア「日本のTSMC熊本工場には『韓国人立ち入り禁止』の貼り紙がされていた」→嘘でした

カテゴリ:半導体関連 コメント:(63)
「どこでも勝つ」…問わなくても「サムスン」強調した日本、台湾と手を組んだ(マネートゥデイ・朝鮮語)
JASMは内部事務棟の建設が終わり、すでに業務に着手した状態だ。 窓ガラス越しに白い防塵服と帽子をかぶった研究員も目についた。 新しく建てる第2工場の現場だけでなく、すべての内部進入は厳しく統制された。 ゲートごとにセキュリティ要員が常駐し、アクセス目的を尋ねた。

台湾と日本が合作して作ったJASMファブには私たちの勤務者や資本が投入されなかったが、あちこちで韓国を念頭に置いた姿がうかがえた。 現場には日本語と中国語の他にも韓国語で「関係者外出入り禁止」という言葉が出ていた。 現場関係者は聞かなくてもサムスンやSKハイニックスに言及し「外部への技術流出を防ぐ」という警戒心を表わした。 (中略)

現地業界でもJASMファブをめぐって懐疑的な見方が出ている。 特に、企業ではなく日本政府が投資を主導しているという点でそうだ。 未来の競争力を確保するための先制的な投資よりは、一歩遅れた追撃戦に近い。 新たに建設する第2工場も、主にレガシー(旧型)半導体を担当する。 自国の素材·部品·装備企業とシナジー効果を期待したが、現地でも「予定通り施行されても10~20年以上かかる」という自嘲が力を得る。

学界は追加投資なしには「半導体再復興」は難しいと展望する。 匿名を要求した熊本近隣大学のある半導体工学科教授は「日本は企業構造上、数兆~数十兆ウォンの大規模投資が難しいが、半導体はその程度投資をしてこそ成果を得る一種のチキンゲーム」とし「現在、日本1位のラピダスさえサムスンと20年以上格差が広がっているが、熊本近隣の小規模投資では現状維持も難しい」と指摘した。
(引用ここまで)


 先日、冒頭記事と同じマネートゥデイが「JASM(TSMCの熊本工場を統括する企業)には『韓国人立ち入り禁止』との貼り紙がされていた」とニュースで書いていたのですが。

韓国メディア「TSMC熊本工場には『韓国人立ち入り禁止』と書かれている」……いや、それ100%ウソだよね(楽韓Web過去エントリ)

 それに対して楽韓Webでは「これ、まず間違いなく『関係者以外立ち入り禁止』をハングルでも書いてあった、とかそのくらいの話でしょうね」と語りました。
 その答え合わせの時間です。

スクリーンショット 2024-02-11 18.32.44.png
(画像引用元・冒頭記事より画面キャプチャ)

 はい、嘘でした。
 キャプションで「韓国人作業者、勤務者はいないが韓国語で『関係者以外立ち入り禁止』と書かれている」とあります。


 伊達や酔狂で20数年も韓国を見てきたわけじゃないってことですかね。
 あたった喜びよりも、なんかこうため息をつくしかないってのが実際ですけども。
 あ、この記事についてはコメントで教えていただきました。ありがとうございます。
 「間違って敷地に入ろうとしちゃった韓国人」がいたとしたら、必要な注意書きですよね。

 それ以外にも「この工場で生産されるのは22〜28ナノ、および12〜16ナノといった韓国ではすでに開発の終わった技術のものだ」ってあります。
 ここをやたらと韓国メディアは強調するんですよね。数世代遅れた半導体技術だって。
 でも、現実問題で必要とされている汎用の半導体が足りなくなって自動車が生産できなくなったわけで。
 そもそもの理由が「ソニーの撮像素子の制御用半導体を確実に確保したい」ってのが動機ですしね。
 このTSMCの工場があるから、安心してソニーも撮像素子の増産ができるのです。
 サプライチェーンの再構築っていう意味ではもっと注目されていいものだと思います。

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韓国メディア「TSMC熊本工場には『韓国人立ち入り禁止』と書かれている」……いや、それ100%ウソだよね

「韓国人立ち入り禁止」…「サムスンを超える」と言っていた日本の半導体の秘密?(マネートゥデイ・朝鮮語)
日本の熊本県菊池郡に位置するTSMCと日本のソニー、デンソーの合弁半導体法人JASMのファブ(工場)工事現場には、韓国語で立ち入り禁止を知らせる文句が貼られている。 近隣企業の職員、周辺観光客も皆韓国人がほとんどいないという点を勘案すれば特異だ。 JASMは24日に開かれる新工場の開所式でも韓国業界関係者の出入りを防ぐことにした。 内部には特別保安維持指針も下された。

JASMファブの「韓国人立ち入り禁止」は、捲土重来を夢見る日本半導体の現実をよく表している。 グローバル売上順位10大半導体企業の中で6社が日本だった30年前の栄光を再現するとして野心に満ちた投資に乗り出したが、依然として韓国の顔色を伺う状態だ。 日本政府が血税を投入して最大協力国台湾の半導体技術だけを支援するという批判も出ている。

現地業界が懸念している点は、競争相手の韓国より投資速度が遅いということだ。 ラピダスの最先端工程チップ生産工程の稼動計画は2027年から1年後に延期され、JASM第2工場の稼動も2027年末に可能になる見通しだ。 現地半導体企業の高位関係者は「主要ファブの競争相手としてサムスン電子ファブを設定したが、顧客会社確保どころか稼動もできなかったところが多い」として「当初の計画より実際の生産がとても遅い」と話した。
(引用ここまで)


 TSMCの熊本工場には「韓国人立ち入り禁止」って書かれている……ってことですが。
 どうだろうなぁ。
 これ、おそらく単純にハングルで「関係者以外立ち入り禁止」って書かれているだけの気がします。
 それを「ハングルで書かれているから韓国人にだけ向けたものだ」くらいに言っているんじゃないでしょうかね。

 ま、それはともかく。
 韓国の経済紙のひとつ、マネートゥデイが「島国半導体の合従連衡」なるシリーズ記事を書いています。

 合従連衡は古代中国で秦に対して燕や斉などの6カ国が連合して立ち向かおうとしたことに由来する故事成語。
 あることに対して連合したりしなかったりする様子を表します。
 そのシリーズの第2弾が冒頭記事。
 日本の半導体再興に向けての動きが遅いとしているもの。

 まあ、数十年ぶりくらいに本格的な半導体製造に乗り出している部分もあるので、いろいろと戸惑うことはあるでしょうけども。
 ラピダスについては生産がはじめることができたら、もうそれだけで合格点であると個人的には思っています。


 んで、このシリーズの第1弾記事はこっち。

三星·ハイニックスの総攻撃に乗り出した台湾…「TSMCのためなら」(マネートゥデイ・朝鮮語)
不振な成績表のために競争相手である韓国企業を狙った否定的な記事が相次いでいる。 代表的なのが三星電子の先端(先端)工程の歩留まり問題だ。 聯合報とテックニュース、SANRIニュースなど現地主要メディアは一斉に「サムスンの3ナノ試験生産収率は0」「クアルコム·インテルなど主要顧客社が収率問題で契約を解約した」等の報道をした。 現地業界関係者は「サムスンの最先端工程収率はTSMCより非常に低いというのが台湾業界の衆論」と話した。

しかし、これは検証されていない主張だ。 むしろサムスン電子が3ナノ2世代に拍車をかけ、2ナノ工程初受注を取るなど競争準備を着実に進行中という点で中傷謀略に近い。 (中略)

この他にも「今年SKハイニックスがTSMCにHBM(高帯域幅メモリー)注文量を増やす」や「サムスンの企業価値が全て下落している」等の主張も根拠がない。 顧客会社の確保が重要なファウンドリー業種の特性上、受注物量を誇張し、他の企業を削って競争で優位を確保しようとする動きに近い。
(引用ここまで)

 台湾企業の業績が落ちたので、台湾メディアが必死になってサムスン電子を誹謗している。
 「サムスン電子のファウンドリ事業の歩留まりが低いというのはデマだ」とするものですが。
 ……そりゃまあ、当該ファブの歩留まりなんて部外者には分からないものですが。

 サムスンから離脱してTSMCに製造を任せたnVidia、クアルコム、テスラあたりに「なんでサムスンを見捨てたんですか!」って聞いてみたらいいかもしれませんね。

サムスン電子のファウンドリ、あまりにも歩留まりが上がらずにnVidia、クアルコムともにTSMCに逃げてしまう……(楽韓Web過去エントリ)
テスラ「半導体製造はTSMCに委託するわ」とサムスン電子のファウンドリから離脱、大手顧客の離脱はnVidia、クアルコムに続いて3社目(楽韓Web過去エントリ)

 これらの委託元企業の動向で、どっちの歩留まりがどのくらいなのかってことくらいは分かるんですよ。

 あとわざわざ「島国半導体の合従連衡」って書いているところが個人的にはツボ。
 韓国人が「島国」って書く時は、相手を見下している状況なのですよ。
 華夷秩序において「大陸に連なっていない」ってことは、より低い「夷」であるという認識での言葉なので。
 台湾も日本も韓国より下だ、という認識が垣間見えて面白いですね。
 だったらまあ、台湾と日本の協力状態にも口を出さないでいてほしいものですわ。

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韓国メディアがTSMC熊本第2工場建設、さらにトヨタの経営参画を大きく報道……そこまで韓国には関係していないような……

カテゴリ:半導体関連 コメント:(33)
「半導体大乱にもびくともしない」…台湾TSMCと提携したトヨタ(韓国経済新聞・朝鮮語)
グローバル完成車1位のトヨタが世界的な半導体企業である台湾TSMCと手を組んだ。 TSMCの日本工場運営会社に初出資することにした。 電気自動車、自動運転車など次世代自動車の半導体を安定的に調達することが目標だ。

6日、日本経済新聞によると、TSMCは同日、日本熊本工場の運営子会社であるJASMにトヨタが出資すると発表した。 TSMCは熊本に国内2番目の工場も設立する。 車両用半導体の需要を狙って、日本国内のサプライチェーンを拡大することだ。

JASMにはすでにソニーグループとデンソーが出資している。 両社はトヨタに合わせて追加出資することにした。 新しい持分率はTSMC86.5%、ソニーグループ6%、デンソー5.5%、トヨタ2%だ。

トヨタは今回の出資を通じて、電気自動車と自動運転車に欠かせない高性能半導体を安定的に調達する計画だ。 新型コロナウイルス感染症の事態で車両用半導体の供給に支障が発生し、完成車を生産できなかった経験を繰り返さないためと分析される。
(引用ここまで)


 トヨタ株が躍動してまして。
 株価は節目となる3000円のチャレンジを去年の9月、11月と何回か繰り返していたのですが、その度に不正やらなんやらで到達できず。
 取引中には到達しても終値で下落なんてこともやってました。
 1月末にどうにか3000円に到達し、以降やや下落はありましたが昨日今日になって一気にいわゆる「窓を開ける」形になって今日は3260円に到達。

 個人的な話ですが6400円くらいで100株買って、それが分割されて500株になっています(要は1株1280円くらい)。
 7年ほど前。
 当時、トヨタ悲観論がさかんに述べられていて完全に逆張りの形ではありましたが、あるていどの確信があって買ったものです。

 さて、その株価が伸びている原因のひとつが日本でのTSMCの第2工場へトヨタも投資に参画すると発表されたこと。



 この第2工場では最先端まではいかないものの、それなりに新しい6ナノプロセスのものとなるとされています(第1工場は12〜28ナノプロセス)。


 それ以外にもアメリカでEV生産開始することや、先日発表された決算から「実際にハイブリッド車が好調である」ことが材料視されていますね。
 ですが、最大の理由はTSMCの日本第2工場への参画ではないかと思われます。
 これで半導体不足での製造遅滞が避けられるのではないかと期待されているのでしょう。

 で、この工場建設の話題が韓国でもかなり強めに報道されていまして。
 強めというか……なんなら日本と同等かそれ以上に報道されています。

 別に韓国はTSMCのビジネスとそれほどかぶらないというか。

 サムスン電子は一応、ファウンドリビジネスで2位に位置してはいるものの、TSMCとのシェア差は5〜6倍(1Q23で60.9%対9.9%、2Q23で56.4%対11.7%、3Q23は57.9%対12.4%)。
 ライバル視することすらおこがましいというか。
 2022年の3Qで3.6倍差だったものからさらに差をつけられている状況。

韓国メディア「TSMCのライバルとしてサムスン電子を認めろ!」と叫ぶものの……そのシェア差は3.6倍に(楽韓Web過去エントリ)

 なにをそこまで意識しているのかって気もするんですけどね。

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アメリカの半導体協会が「同盟国もアメリカ企業と同様に半導体製造装置の対中輸出規制を行ってほしい」→韓国メディア「なんてことだ、韓国に圧力を加えようとしている!」……そ、そうかな?

カテゴリ:半導体関連 コメント:(40)
米半導体協会「韓国も中国に装備輸出できないようにしてほしい」(中央日報・朝鮮語)
米国半導体業界が半導体装備の対中輸出過程で自国企業に適用される包括的規制を、韓国を含む同盟国にも同じ水準で適用しなければならないという意見を出した。

先月31日(現地時間)米政府官報によると、米国半導体産業協会(SIA)は17日、米商務省産業安全保障局(BIS)に提出した意見書で、米国の半導体製造装置輸出統制が同盟国に比べて複雑で包括的であった。自国企業が競争で不利な条件にあると主張した。

SIAは、米国企業が品目別輸出制御の対象として明示されていない機器でも、先端半導体製造に使用されると中国に輸出できず、すでに販売した機器の支援サービスも提供できないと明らかにした。一方、韓国・日本・台湾・イスラエル・オランダなど競争企業は輸出統制対象にない装備を中国に輸出でき、関連サービスも提供できるという。

SIAは「米国だけに存在するこのような規制で海外競争者が稼ぐお金は彼らの研究開発( R&D )に投資され、最終的に米国の半導体競争力を弱めることができる」とし、先端半導体機器を生産する韓国など同盟国も米国と同レベルの規制を適用する多国間方式の大衆輸出統制を導入しなければならないと要求した。
(引用ここまで)


 アメリカの半導体産業協会がBISに対して「アメリカ企業だけが規制されるのではやっていけない」として、同盟国への半導体製造装置等の輸出規制を強化するように要請したと。
 現状で14〜16ナノプロセス以上の微細ロジック半導体が製造できる機器、128層以上のNANDフラッシュでの積層が可能になる機器について輸出ができない状況。
 逆にいえば、これらに引っかからない製造装置であれば輸出できるわけです。

 実際、最先端ではないレガシィ(旧式)向けの装置であれば、中国への販売は規制されることなく行えます。
 これを韓国メディアは「韓国への規制を促したものだ」としているのですが。


 どうですかね?
 アメリカにはアプライドマテリアルズがある。というか、記事の中頃に半導体製造装置のランキングってあるんですが。売上高順で。

1.アプライドマテリアルズ
2.ASML
3.ラムリサーチ
4.東京エレクトロン
5.KLA
6.アドバンテスト
7.スクリーン
8.ASMインターナショナル
9.コクサイ
10.テラダイン

 アメリカ、日本が4社ずつ、オランダが2社。  韓国、ひとつも関係ないんですよね。
 韓国に多少のシェアを持っている企業がまるでないわけではないんですが。
 どちらかというと日本、オランダに言っているんじゃないかなって感じがしますね。

 そういえば野村マイクロサイエンスがけっこうなシェアを持っている超純水製造装置について韓国が「半導体用超純水製造装置の開発に成功した」って言っていまして。

韓国、「半導体の命の水」超純水の国産化に成功…早ければ8月から導入へ(朝鮮日報)

 実際の性能がどこまでか分からないのですが。
 野村マイクロサイエンスの株価はこのご時世なのに10%以上下落しています。
 以前のような「日本企業のシェアを見た目だけ下げるためにがんばった」みたいな結果にならないといいですね。

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韓国メディア「助けて、半導体関連学科に学生がこないの!」……「優秀な学生は医者になる」構造を改めないかぎり無理なのでは?

10年間で30倍の労働力難…韓国半導体、10年後の未来が見えない(中央日報)
人材不足が深刻だが「ブラックホール」まで口を開いた。韓国政府の医学部定員拡大を見守る先端産業界の現実だ。すでに研究開発人材不足が深刻なだけでなく、医学部が理工系優秀人材をまるごと吸い込んでしまう危機が襲ったのだ。半導体業界では「人材不足ではなく会社の存続を悩まなければならない段階」という悲鳴が出ている。

半導体業界は10年後の未来が見えないという反応だ。韓国半導体産業協会は29日、2031年には韓国の半導体産業人材が5万6000人ほど不足するだろうと分析した。2022年には1784人が不足すると集計された。約10年で「30倍の労働力難」が予告された形だ。サムスン電子の慶桂顕(キョン・ゲヒョン)半導体部門社長も昨年9月のソウル大学での講演で、半導体の求人難を吐露しながら「会社が持続するために最も必要なものは人材」と話した。韓国先端産業研究開発の核心資源を排出してきたソウル大学自然科学・工学部の修士課程専攻28個のうち16個は2023年度に定員を満たすことができなかった。

半導体業界関係者は「人材不足のさまざまな原因のうち医学部への偏りは一部分」としながらも「医学部に韓国社会が注ぐ高い関心に比べ経済に莫大な影響を及ぼす先端産業に対する無関心はおかしなほど」と話す。 (中略)

半導体企業が一部大学工学部と2010年前後に開設した半導体契約学科は医学部の定員拡大後から学生募集が厳しくなりそうだ。(中略)医学部、歯学部、韓医学部、薬学部、獣医学部の人気には至らなくても、奨学金と卒業後の就職を保障する利点があり、今年の随時競争率は成均館大学で32.1倍、高麗大学で13.5倍に達した。主要大学の半導体契約学科の今年の募集人数は500人ほどだ。

ところが今年の入試で登録放棄率は延世大学の契約学科で130%、高麗大学で73%に達した。進学社入試戦略研究所の分析によると、今年の大学入試まではこれらのうち大部分が医学部より他大学のコンピュータ工学・電機電子学部と天秤にかけたものとみられる。しかし医学部の定員が増えれば半導体学科は地方大学の医学部に重複合格者を奪われる可能性が大きい。
(引用ここまで)


 韓国の半導体業界から「人材が我々の業界に来ようとしない」との恨み節が流れてきています。
 そのひとつの原因として医学部との競合を挙げていますが。
 まあ、それもそのはず。

 何度か言及していますが、医学部・歯学部・薬学部が韓国ではいつまで経っても人気です。
 そのひとつの原因が「定年がないこと」といえるでしょう。
 韓国では定年自体は延長されつつある(法律では60歳以上)のですが、民間企業では45歳前後での実質定年が存在しています。
 「役員になれなかった」場合、好むと好まざると退職するしかないのですね。
 ちなみに役員になれる可能性は同期の0.8%だけです。


 ヒュンダイ自動車等の工場勤務で異常なほどに労働組合が強いところはともかく。
 彼らはすでに「65歳定年制」を企業にかけあっているほどですから。

 そうではない半導体製造企業で、大学を出て研究職として就職するのであれば、ざっくり20年ていどしか働けない可能性が高い。
 さらにいえば半導体は好不況が強く、実際に去年のサムスン電子の半導体部門では成果給がゼロになりました。

サムスン電子職員に衝撃、半導体部門の成果給ゼロに! 韓国メディアは「来年からはまた上昇気流に乗れるはず」とするものの……(楽韓Web過去エントリ)

 半導体……というか、韓国においてはほぼメモリについてなのですが。
 研究部門への就職が約束されている学部への入学ができるくらいの学生は、優秀度でいえば医学部にも入れるくらいの実力があるわけで。
 じゃあ、自分の将来の人生を考えてどちらを選ぶのか、となればそりゃ医学部だよな……ってなりますよ。

ソウル大学の入学者、6%が即休学……「最難関大学で仮面浪人」をする彼らの行く先は……?(楽韓Web過去エントリ)

 こちらではすでに半導体学科に合格しても入学放棄される様子が描かれています。
 ソウル大学で他の学部に入っても、仮面浪人して医学部に入るのですから。
 いわんや半導体関連学科など、ってことなのです。

 実質45歳定年制度の社会構造自体をどうにかしないかぎり、「優秀な学生ほど医者になる」ことを止められはしないでしょうね。

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サムスン電子が日本に研究拠点を作る意味とは? 技術を盗みに来た? 日本にそんな技術なんてない? 疑問に答えました

カテゴリ:半導体関連 コメント:(99)
 思っていた以上に「半導体後工程」を理解していない人が多いので、今回のサムスン電子による日本での試作ライン設置とそれに対する日本政府からの補助金200億円について書くことにしました。

 さて、サムスン電子は横浜に最先端半導体の研究拠点を設置するとしています。

サムスン電子、横浜に先端半導体の研究拠点 400億円超投資(ロイター)

 記事にあるように、半導体を積層する「後工程」の研究所とされています。
 この「後工程」が今回のキーワードです。


Q1.半導体技術で日本に盗む技術なんてない
 サムスン電子が日本に試作ラインを設置するってニュースに「日本の技術が盗まれる」とか言うけど、半導体製造で日本がサムスン電子に勝る部分、盗まれる部分なんてないよね?

A1.え、あるけど
 ある。山ほどある。今回のサムスン電子による試作ラインの設置のニュースを読めば、後工程の試作ラインであるとの事実が分かるはず。
 この半導体製造の後工程で切削、モールド、テストといった工程で機器が必要になり、かつ材料、素材が必要になるのですが。
 日本のディスコ、TOWA、アドバンテスト、新光電気、住友ベークライトといったメーカーがトップシェアを持っています。
 あと味の素とかも。ABFの生産工場の稼働具合が世界の半導体の行方を握るくらいにいわれてます。マジで。

Q2.そもそもサムスン電子が日本の装置技術盗んだりする?

A2.前科あるけど?
 半導体洗浄装置でトップシェアのスクリーンが、かつて韓国に合弁企業作ってさっくりと企業ごと盗まれています
 現在ではSEMESというサムスン系企業がサムスン電子の洗浄装置のほとんどを担当していますが、これの大元はスクリーンとの合弁企業。
 相当にやったことが悪辣で、製造装置メーカーの持っている懐中時計の蓋の裏には「Don't forget DNS!」って刻んであるそうですよ(DNS=大日本スクリーン、スクリーンの当時の社名)。


Q3.じゃあやっぱり盗みにきたんじゃないの?

A3.盗むんだったら日本にわざわざ試作ライン作る意味なくない?
 今回の試作ラインについていうなら、日本の最先端装置を韓国に持っていくタイムラグすら惜しんで設置するってことでしょう。メンテ等でも現場でのやりとりをしたほうが早いっていう。
 すでにTSMCは去年のうちに後工程のラインを日本に設置しています。さらにTSMCについては日本にデザインセンターもある。
 TSMCに遅れを取りたくない、というサムスン電子の意向が働いたのだとみています。
 さらにいうとインテルも同様に日本に後工程のライン設置を予定しています。世界の三大半導体製造企業が日本にこうしてライン設置をせざるを得ない状況なのですね。

Q4.サムスン電子に200億円もの公金が使われるのがいやだ。

A4.後工程の製造装置メーカーへの装置とメンテナンス、あと素材への支払いで全部使い果たすと思います。
 サムスン電子側の予算加えてもさくっとなくなるんじゃないかなぁ。
 全額までは行かないにしてもそれに近いレベルで日本企業に還ってくるかと。

 ざっくりとうちの知識の範囲内で解説してみました。
 ま、最悪でも当たらずといえども遠からずくらいにはなっているはずで、X(Twitter)上で書かれているような間抜けな話にはなっていないでしょう。

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