TSMCの最も重要な顧客であるAppleが、このファウンドリ大手の2nmプロセスの採用を2026年まで延期する可能性があるとの噂がある中、朝鮮日報とSamMobileを引用したCommercial Timesの報道によると、NVIDIAとQualcommもこれに追随し、最先端のチップにSamsungの2nmを採用することを検討していると報じられている。
報道によれば、コストの高さと生産能力の限界により、米国の半導体大手2社は考え直す可能性があるという。
TSMCのほか、日本のラピダス、韓国のサムスンファウンドリも2nmクラスのノードの量産化を目指している。その中でもトップを走っているのがTSMCだ。同社の2nmの歩留まりは60%に達したと報じられており、同ノードは2025年に量産化される予定で、4月には試作が開始されると噂されている。
一方、朝鮮日報によると、サムスンは2025年第1四半期に2nmのテスト生産を開始すると報じられている。マネーDJによると、ラピダスは北海道千歳市に工場を建設しており、2027年に2nmウエハーの量産を目指している。
TSMCの2nmはコストが高く、生産能力が限られているため、朝鮮日報の報道では、サムスンは日本のAIスタートアップ企業であるPreferred Networks(PFN)などの既存顧客に加えて、国内のファブレス企業の関心も集めていると指摘している。さらに、ファウンドリパートナーを多様化しているNVIDIAやQualcommなどの大手テクノロジー企業と2nmプロセスのテストを行っていると報じられている。
TSMCとサムスンがクアルコムの注文をめぐって熾烈な戦いを繰り広げるのは今回が初めてではない。韓国の半導体大手は2020年以降、クアルコムからのSnapdragon主力製品の注文の一部を失ったと報じられており、5nmの歩留まりも懸念を引き起こしていた。
(引用ここまで)
韓国国内で「TSMCの2nmプロセスは高価で供給量も限られている」との報道が出ています。
NVIDIAやQualcommといったビッグテック企業が2nmプロセスを求めてサムスン電子やラピダスを選択するかもしれないといった記事がぽつぽつとあります。
「高すぎる」…三星電子、「2ナノを使うビッグテック」に目を向ける(ニューシス・朝鮮語)
TSMCによる最新プロセスの供給量が少ないので「反射利益」をサムスン電子が得る、としているのですね。
ただまあ……どうなんでしょう。
クアルコムもNVIDIAもサムスン電子をちょっと前まで委託先としていたのですが、かなり痛い目にあっています。
サムスン電子のファウンドリ、あまりにも歩留まりが上がらずにnVidia、クアルコムともにTSMCに逃げてしまう……(楽韓Web過去エントリ)
あまりにも歩留まりが上がらない上に熱問題もいつまで経っても解消されず、SnapdragonのハイエンドシリーズはTSMCへと委託先を移行。
クアルコムはサムスン電子の工場に技術者を常駐させるまでして問題解決を図ったのですが、最後まで解決はしなかったようです。
NVIDIAもRTX3000シリーズで当時の最新プロセスに問題が生じて使うことができず、一世代前のプロセスを使用することになりました。
そこまでして製造の安定を図ったのですが。
当初から供給数がショートしていたことが語られていましたね。
現在でもGoogleのPIXELシリーズに採用されているTensor Gシリーズは「性能がいまひとつ」とされていて、PIXELシリーズがハイエンドスマホと見なされない大きな理由になっています。
じゃあ、2ナノでの歩留まりやら熱処理がそんなによくなるのか……って話なんですが。
どうなんでしょうね?
なにしろ、2nmプロセスはおろか、3nmプロセスでも「本当に顧客いる?」「量産できるって嘘じゃない?」って噂されるレベルですから。
サムスン電子「3ナノプロセスでの量産を実現した」→半導体業界「えっと、顧客どこにもいないよね?」(楽韓Web過去エントリ)
アメリカの半導体受託工場として建設していた工場から、大量の自社社員を引き上げさせているとのニュースもありました。
サムスン電子、アメリカで操業開始を予定していた半導体受託工場から大量の社員を引き揚げへ、操業開始も今年から26年に変更……というかそもそもファウンドリ工場として操業開始できる?(楽韓Web過去エントリ)
最先端プロセスでの需要は確実にあるんですよ。
もう、どこの半導体企業も喉から手が出るほどに製造キャパがほしいのです。
でも、結果としてTSMC以外に頼れるところがないからTSMCのシェアが60%以上、3ナノでは100%シェアにまできてしまっているわけで。
サムスン電子でもラピダスでも使えるのなら使いたいってのは本音でしょう。
需要はとてつもないものがあるのです。
各企業でそれが製造できるかどうかは別として。
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