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カテゴリ:半導体関連の記事一覧

「もしトラ」実現なら韓国の中国工場におけるメモリ製造はかなり厳しいものになりそうだ、との話

トランプ氏に米中死闘… 韓国の半導体「悪」(デジタルタイムズ・朝鮮語)
専門家たちはドナルド・トランプ前大統領が当選した場合、対中輸出規制だけでなく「自国優先主義」が一層露骨に展開されるとし、政権交替時に政策基調変化にともなう民官対応戦略を苦心しなければならないと指摘する。 (中略)

米政府は28日(現地時間)、半導体・AI・量子コンピューティング・マイクロ電子技術など最先端技術分野で米国資本の中国投資を統制することを骨子とする最終規則を発表した。 最終規則は来年1月2日から施行される。

該当分野で中国に投資を進めようとする企業は、事前に投資計画を米財務省に申告しなければならない。 中国とともに香港、マカオも「憂慮国家」に含めた。

この規則が施行されれば、中国に半導体生産工場を置いているサムスン電子とSKハイニックスは、現地追加増設や装備交換をする度に事前申告手続きを経なければならない。 (中略)

ニューヨークタイムズ(NYT)によると、トランプ候補はこの日、ジョー・ローガンのポッドキャストに出演し、バイデン政府の「半導体法」に対して「本当に良くない」として「高い関税を賦課すれば、彼らが来て半導体工場を無料で建てるだろう」と話した。 (中略)

専門家たちはトランプ候補当選時、半導体をはじめとする先端産業輸出に少なからぬ影響があるだろうと指摘した。
(引用ここまで)


 いまのところまだトランプ−ハリスは拮抗しているようですが、充分にトランプ政権になる可能性があるようです。
 バイデン政権が移民認容、「リベラル政策」をやりすぎた反動が出てて、「今回は共和党で」って考えているアメリカ人が多そうな感じ。
 まあ、前回は「トランプやりすぎだろ」ってなってバイデンになったので、こういったことを繰り返していくのでしょうけども。

 トランプ政権になれば対中の先端半導体規制はより厳しくなっていくのは間違いないところ。
 サムスン電子、SKハイニックスはメモリの大規模工場を中国に持っています。

サムスン電子、メモリ事業で大打撃を受ける……2月だけで2兆ウォンの赤字を計上。在庫は50兆ウォンを突破(楽韓Web過去エントリ)

 こちらの過去エントリの引用記事によれば、NANDフラッシュについてはサムスン電子が全体生産量の40%を中国で生産しているとされています。
 SKハイニックスはNANDについては20%ほど、DRAMについては50%ほど。


 中国での生産なしではビジネスが成り立たない部分があります。
 あと地産地消がかなりできるので中国に大規模工場を建てたわけですが。

 来年頭から課される規制によって、これら中国の工場で機材の更新、新規搬入をする度にアメリカ政府に申請が必要になりました。
 半導体製造には機材更新がつきもの。
 まあ、更新せずにそのままレガシー世代の半導体を作り続けるっていうのもひとつの選択肢ではありますが。

 ただ、そんなことのために大規模工場を建てたわけでもないでしょうから。
 サムスン電子、SKハイニックス共にその選択肢は難しいところじゃないかな。

 「もしトラ」が実現するならかなり韓国の半導体業界には辛いものになりそうだ、と。

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TSMCがファーウェイに半導体供給していた→韓国メディア「きた! 業界2位のサムスン電子にチャンスだ!」……そうかぁ?

カテゴリ:半導体関連 コメント:(34)
TSMC製半導体がファーウェイ製品で発見、関連顧客への出荷停止(ロイター)
半導体受託生産世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は、自社半導体が中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の製品から見つかったのを受け、使われた半導体に関連した顧客に対する出荷を停止した。台湾当局筋が明らかにした。

TSMCはこの顧客への出荷を約2週間前に停止し、詳しい調査に乗り出していた。TSMCは「重要な警告事象」だと受け止めて米国、台湾の両政府に既に通知したという。同筋はTSMCが出荷を停止した顧客名を明らかにしなかった。

別の関係筋はロイターに対し、TSMCは台湾当局に顧客名を知らせていないと述べた。 (中略)

調査会社テックインサイツがファーウェイを分解したところTSMCの半導体を使っているのが見つかり、TSMCが米当局に報告していた。これに関してロイターは22日、米国によるファーウェイ向け半導体輸出規制に違反している可能性もあると報じていた。
(引用ここまで)


 TSMCで製造された半導体がファーウェイの製品に採用されていたとのニュースがありまして。
 おそらくは迂回企業が設立されていて、そこからファーウェイに廻されていたってことなのでしょう。
 TSMCは自ら台湾とアメリカの当局に報告したそうです。

 ただし、アメリカ商務省からどのようなリアクションが来るかはいまのところ不明。
 まあ、逆説的にTSMCなしで電子機器を作ることがどれだけ難しいのかってことですね。
 アメリカがTSMCに「中国とのつきあいやめろ」って言った時点で「中国が台湾に侵攻する選択肢があるな」って思ったものでした。


 さて、このニュースを受けて韓国でも報道されているのですが。
 「TSMCが米商務省に制裁を受けるかもしれない」「サムスン電子に好機がやってきた」みたいに報じられています。

米商務省TSMC調査…三星電子、ファウンドリーの機会を作るか(ニューシス・朝鮮語)

 nVidiaがブラックウェルの製造について、TSMC側に問題があったとしているのですが。
 まあ、このあたりは不明。設計なのか製造なのか。

 この記事では「サムスン電子は対応できるはず」とかしているんですが。
 ……無理じゃね。
 RTX30シリーズの時点で「歩留まりがー」って大騒ぎしていたのに、なんでAIチップが作れると思うのやら。

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韓国で60兆円規模にて建造予定の半導体工場、電力もなければ水も足りていなかった……周辺住民の反対でダム建設が霧散

「毎日100万トンの水をどこで手に入れるのか」…龍仁半導体「超非常事態」(韓国経済新聞・朝鮮語)
世界最大規模で開発される龍仁半導体メガクラスターに工業用水不足事態が発生する恐れがあるという懸念が提起されている。 工業用水の供給などのため、江原道楊口に造成しようとした貯水量1億トン程度の新規ダムの造成が事実上霧散したためだ。 (中略)

推進が確定した10のダムは、ほとんど規模が小さく、既存のダムを再開発する方式だ。 今回、候補地から除外された楊口郡の水入川ダムは貯水量が1億トンに達する。 当初計画した14のダムの中で最も大きかった。 首都圏の核心供給源である八堂湖の貯水量は2億4400万トンだ。

当初環境部は、水入川ダムの造成を通じて確保する用水を龍仁(ヨンイン)半導体メガクラスターに供給するという計画を立てた。 半導体工程はウェハー表面洗浄からエッチング冷却など工程別に多くの水を消費する。 昭陽江ダムと忠州ダム、横城ダムなど漢江圏域の用水契約率は94%だ。 環境部と京畿研究院によると、これら3つのダムが1日に供給する用水1096万8000トンのうち、6%の65万6500トン程度だけが他の用途に活用できる。 京畿研究院は先月発刊した研究報告書で、すべての工場が本格的に稼動する2035年以後、龍仁半導体メガクラスターの工業用水需要が一日170万トンに達すると見通した。 漢江圏域の余分な水を全量投入すると仮定しても、1日100万トン以上の用水が足りないという意味だ。

環境部は楊口郡住民を対象に説得作業を続ける方針だ。 楊口郡の地域社会は、ダム建設計画が発表された直後から反対意見を曲げずにいる。

環境部は、住民の反発が激しい場合はダム建設を強行しないという立場だという。
(引用ここまで)


 ソウルの南にあるベッドタウンである龍仁市。ここに現在、622兆ウォンを費やして半導体工場を追加しようとするプロジェクトが進んでいます。
 造成は進んでいるとのことですが、まだ建設は端緒にもついていないはず。
 もともと工場のある敷地を拡張する形のものなのですが。

 電線が来てなくて工場を作っても稼働できるかどうかが危ぶまれています。
 とにかく韓国国内で「高圧電線の怪談」がまかり通っているので、日本海側にある原発から黄海側にある龍仁市にまで電気を通すのが最大の難関となっています。
 「なんで発電所から遠い首都圏に作ろうと思ったんだ」とかも言われているのですが、首都圏にないと高級人材が居着いてくれないって事情もあったりするのですね。


 で、今回は「電力もだけど水もないよ」と言われているとのこと。
 半導体工場はとにかく水を大量に使います。
 TSMCは本家となる台湾で電力も水も使い果たしている状況。
 25年には台湾全体の電力のうち12.5%をTSMCが使うようになるだろうとされていますし、工場近辺からは洗浄に使える水がまったくなくなっています。
 熊本にふたつの工場を建てるのは豊富な地下水があり、かつ九電の原発が稼働しているから、ともされています。

 で、龍仁市の場合は「現地になんとかして発電所を建設する(でもそれだけでは将来的に足りなくなるのは確定的)」で電力を暫定的に確保。
 「水もなんとかする」としていたのですが。
 周辺住民の反対によってダム建設が霧散したとのこと。

 韓国は基本、そんなに雨が降らない気候。
 なんとかダムで貯めるくらいしか水の安定供給はできないんですが。
 どうするんでしょうね?

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サムスン電子、米新工場へのASML製機器の納入を延期……「工場建てても顧客がいない」状況に変わりなしか

カテゴリ:半導体関連 コメント:(35)
サムスン、ASML製半導体装置の受け取り延期 米新工場=関係筋(ロイター)
韓国サムスン電子(005930.KS), opens new tabがテキサス州テイラーに新設する工場向けにオランダのASML(ASML.AS), opens new tabに発注していた半導体製造装置の受け取りを延期したことが、事情を知る関係者の話で分かった。

サムスンはまた、同工場に関して他の一部サプライヤーへの発注も控えているという。同工場で生産する半導体について、主要な顧客をまだ獲得していないことが背景にある。

170億ドルを投じて建設するテイラー工場は、同社が主力製品のメモリー半導体に加え、半導体受託生産に事業を多角化する戦略の肝となっており、設備納入の遅れは先行きに不安材料となる。 (中略)

ASMLは15日、2025年売上高見通しを下方修正。AI以外の分野が弱いことや、半導体工場の延期を理由に挙げた。
(引用ここまで)


 先日、ASMLの四半期決算が発表されまして。
 なんか予定より1日早く発表された上に、受注額が市場予想の半分ほどだったことで一気に株価を下げました。
 そして半導体関連株も同様に一気に下落しました。

 中長期的にはともかく、短期的には製造機器の需要が一巡りして一息ついている状況になっているのではないか……ともされています。
 日本の製造装置メーカー、素材メーカーもいろいろ下落しました。

 その象徴ともされたのが「サムスン電子によるAMSLからの製造装置受け取り延期」です。
 テキサス州に建てる予定だった半導体受託工場に納入するEUV露光装置。
 4ナノ、もしくは場合によっては2ナノのプロセスノードで製造する工場になる、とされていました。


 操業開始を24年に予定していましたが延期が繰り返されており、現在では26年操業開始予定となっています。

サムスン電子、アメリカで操業開始を予定していた半導体受託工場から大量の社員を引き揚げへ、操業開始も今年から26年に変更……というかそもそもファウンドリ工場として操業開始できる?(楽韓Web過去エントリ)

 原因は顧客が不在なこと。
 工場を作っても委託してくる顧客がいなければなんともなりませんね。これ、以前からサムスン電子のファウンドリではいわれていたことなのですが。
 工場建てて「量産はじめました〜」ってアナウンスしてもどこからも顧みられない。なんかよく分からない企業からの受注が入るくらい。

 その一方でTSMCの決算も発表されて絶好調が続いています。売上の7割以上が先端プロセスによるものとされていて、TSMCのキャパを奪い合う状況となっています。

台湾TSMC、第3四半期純利益は54%増で過去最高 見通し強気(ロイター)

 ……逆にいうとサムスン電子のファウンドリは猫またぎされているってことです。
 マーケット的にはよくない状況が続いているのですけどね。
 ラピダスにちょっと商機、勝機が見えているかもしれないなぁ。

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サムスン電子、TSMCに完敗で半導体受託の生産ラインを操業停止……「顧客がいなくて稼働させると赤字を垂れ流してしまう」「再稼働が重くてもいまよりはマシ」

カテゴリ:半導体関連 コメント:(53)
[単独]三星電子、ファウンドリー生産ライン相次いで「シャットダウン」… 設備投資も保留(朝鮮BIZ・朝鮮語)
サムスン電子が平沢キャンパスのファウンドリ(委託生産)生産ラインの一部先端工程設備をまったく消してしまう「シャットダウン」を断行していることが把握された。TSMCに追いつくために製造施設を先に建てた後、注文を受ける「セルファースト」戦略が過剰投資につながったという指摘が提起される。建設を推進中だった平沢キャンパスP4、P5工場に予定されたファウンドリの発注も保留または取り消されたという。

27日、半導体業界によると、サムスン電子は平沢キャンパスP2、P3工場のファウンドリラインの4nm(ナノメートル・10億分の1m)と5nm、7nmの生産ラインの設備を30%水準シャットダウンしていることが把握された。新規ラインとして建設を推進していたP4、P5工場などの装備搬入も延期され、事実上追加設備投資も中断された。

P3工場は12万8900平方米(サッカー場16個の大きさ)に達する半導体生産ラインだ。該当DRAMとNANDフラッシュメモリ、ファウンドリ生産ラインが構築されている。サムスン電子は2020年、該当ラインに計30兆ウォン以上の大規模投資を執行する計画だと明らかにした。P3はP2ラインより1.5倍ほど規模が大きい生産基地で、今年初めにファウンドリ設備のセットアップが完了した。

低調な受注物量と持続している赤字構造に生産ライン構築が完了したにもかかわらず、コスト削減のために「シャットダウン」を断行したと分析される。昨年、サムスンファウンドリは2兆ウォンに近い赤字を記録したと推算される。半導体業界関係者は「設備を一度消すと正常化するまでにかなりの時間がかかるため、注文物量がなくても稼働率を下げる程度」とし「サムスン電子ファウンドリ先端工程ラインで30%近く設備をまったく消してしまう事例は今回が初めてのようだ」とした。 (中略)

サムスン電子は昨年半導体業況不振にも創立以来最大規模の約54兆ウォンの設備投資を断行した。

カン・ソンチョル半導体ディスプレイ技術学会研究委員は「ゲート-オール-アラウンド( GAA )など技術を世界で初めて開発し、自信を持って大々的な投資を断行したが、結局クアルコムやアップルなど大型顧客会社を誘致できずにファウンドリ事業が危機に瀕した状況「TSMCと格差を狭めるための投資は避けられない選択だったが、このような状況が続くため、これまでの過剰な投資が失策だったという批判が提起されること」とした。
(引用ここまで)


 サムスン電子が4ナノ、5ナノ、7ナノの半導体受託工場を操業停止。
 4ナノは自社のExynos 2400、およびGoogleのTensor G3、G4を製造していたプロセス。
 5ナノは自社のExynos 2100、2200。そしてクアルコムのSnapdragon 888を製造していたプロセス(そしてクアルコムから匙を投げられた)。Tensor G2もここだったかな。
 7ナノは5年以上前か。えーっと、Exynos 9825くらいしか情報がないな。

 8ナノはnVidiaから受託しているRTX30シリーズを製造しているので、まだ稼働しているのでしょう。
 しかし、なんであのタイミングでサムスンに鞍替えしたのかさっぱりわからん。
 nVidiaとTSMCはだいぶ昔から蜜月関係で、記憶しているかぎりでは延々とTSMCに委託していたはずなんですが。
 TSMC、だいぶ受託料高いって話なのでそのあたりを嫌ったのかなぁ。
 まあ、RTX40シリーズではTSMCに戻ったのですけども。


 サムスン電子の半導体ファウンドリ部門はかなりの赤字を垂れ流しているとされています。
 去年は2兆ウォンの赤字、今年は上半期だけで1兆5000億ウォンに及ぶ赤字を形状しているとの話。
 稼働すればするほど赤字を出す。だったら稼働を止めればいいと判断されたと。
 半導体工場は一度止めてしまうと再稼働はなかなかの重労働なのですが、それが分かった上でも操業を停止しようと決断したってことなのでしょう。

 サムスン電子は受託企業で業界2位とはいえ、シェアは13%ていど。
 トップのTSMCは62%で49%ポイントと、覆しようのない差をつけられています。
 実質的にはサムスン電子(13%)、SMIC(6%)、UMC(6%)、グローバルファウンドリーズ(5%)が2位グループを形成しているってところ。

 ガワだけは立派なものを作って、大量生産時にはそれなりの価格を出せるようになっているのでしょうが。
 実際の顧客は自社のExynosシリーズくらいのもの。
 昨日も「3ナノで量産体制を確立した→顧客いないよね?」ってエントリを書きましたが。
 まあ、どこであろうともTSMCが確実なら、ちょっと高くてもTSMCを選ぶよねって話ですね。

 メモリ事業の片手間では、専業のTSMCに並び立つことすら無理ってことよね。

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サムスン電子「3ナノプロセスでの量産を実現した」→半導体業界「えっと、顧客どこにもいないよね?」

「サムスン・TSMCの格差はさらに広がるのか」…米ファウンドリー建設計画、悲喜(グローバルエコノミック・朝鮮語)
台湾のTSMCが、米アリゾナ州に建設中の半導体工場(ファブ)が、当初の予想より早い早期稼動の可能性が提起されている。 一方、テキサス州テイラー市に建設中のサムスン電子ファブは、当初の予想より稼動計画が遅れている。 世界の半導体受託市場でTSMCとサムスン電子間の格差がさらに広がる可能性もあるという懸念が出ている。 (中略)

通常、工場を建設して運営するのに相当な費用が消耗されるため、工場稼動のためには顧客会社の物量受注が必須だが、サムスン電子には3nm(ナノメートル、10億分の1m)以下の超微細工程で受注関連のニュースが聞こえていない。 (中略)

一方、世界半導体受託マーケットで1位を走るTSMCは、技術人材不足を理由に当初予想していたアリゾナ工場の稼動時点を2025年に1年延期したが、むしろ早期稼動の可能性が提起されている。

A16は来年初めに発売予定のiPhone SE4に使われる予定で、これはTSMCのアリゾナ工場が本格稼動を控えているという点を示唆する。
(引用ここまで・太字引用者)


 半導体関連のニュース。
 3ナノメートル以下の最先端プロセスでTSMCが圧倒的なシェアを誇っています。
 iPhone16シリーズではすべてが3ナノメートルプロセスを使用したAPUを採用しており、全量がTSMCで製造されています。
 その一方でサムスン電子は「3ナノメートルプロセスでGAA構造を先んじて採用して量産にこぎつけた」としていますが。
 業界では「量産宣言はいいんだけども、顧客はどこにいるんだよ」って話が出ています。

 実際、GoogleのPixel 9に搭載されているTensor G4はサムスン電子の製造ですが、一世代前の4ナノプロセスで製造されているとの話。
 3ナノでなかったのはすでに一世代前のExynos 2400をベースにしているからですが、それでも歩留まりが悪く、かつ発熱も抑えられていないとされています。
 結果、ぶん回すことができずにPixel 9シリーズはいまひとつ「ハイエンドじゃないなぁ」って扱いを受けている始末。

 IBMがAIサーバ用の半導体製造をサムスンに委託したとのニュースもありましたが、これも5ナノメートルプロセスとのこと。
 なんか日本のAI企業であるプリファードが2nmでの製造を委託するとの話もありますが。
 2026年に実用化したいとのことで……うん、がんばってくれ。


 さて、ここでちょっといやなお話を。
 サムスンの半導体製造技術のベースはIBMのものとなっています。
 IBMが基本技術を供与し、それに従った形での製造を行っているのですね。

 このようにIBMからの技術供与を受けている企業が他にも数社ありまして。
 まず、サムスン電子。
 ついでグローバルファウンドリーズ。
 台湾の大手受託企業であるUMC(聯華電子)もIBMからの技術供与を受けています。

 ……どこも(IBMから供与を受けた当時の)最先端プロセスを導入したのですが。
 失敗しています。
 UMCがいまひとつはねきらないのも、そのあたりが原因かなぁ……とか株主としては思うところがあったりもします。

 そして北海道に工場を作っている日本のラピダスですが。
 技術供与元はIBM。
 もちろん、量産技術はそれぞれの企業で異なっているので「IBMからの技術供与じゃ失敗する」ともいえないのですが。
 サムスン電子の体たらくを見ると、なんとも不安になりますね。

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サムスン電子、アメリカで操業開始を予定していた半導体受託工場から大量の社員を引き揚げへ、操業開始も今年から26年に変更……というかそもそもファウンドリ工場として操業開始できる?

カテゴリ:半導体関連 コメント:(46)
サムスン)電子、テイラーの荷造り…イ・ジェヨン、ファウンドリー1位の夢「とりあえず停止」(マネートゥデイ・朝鮮語)
サムスン電子の米テキサス州テイラーファウンドリー(システム半導体の委託生産)工場に派遣された韓国人社員が大勢戻ってきた。建設中のテイラー工場は4ナノ(nm、10億分の1m)と2ナノ工程量産予定だが、2ナノ収率がなかなか上がらないため一部「人材撤収」という決定を下した。 イ・ジェヨン会長のファウンドリドライブが「ひとまず止まった」わけだ。

11日、業界によると、2022年と昨年にかけてテイラー工場の建設現場に派遣された職員のうち、過半数以上が先月末と今月初めに帰国の途についた。 この間、現地建設とインフラ、製造技術関連人材数十人が韓国で駐在員として出てきたが、低調な収率とこれにともなう受注の困難により「1歩後退」を選んだと分析される。 (中略)

匿名を求めた三星電子の関係者は「(韓国からテイラーに派遣された職員が)実質的な装備セットアップなしに2年余りシミュレーションばかりしていた」とし「韓国に帰ってくるのが当然だ」と話した。

2022年に着工したテイラー工場は2019年サムスン電子のイ・ジェヨン会長(当時副会長)が「2030年までにファウンドリーを含むシステム半導体分野で確実な1位をする」と宣言した「システム半導体ビジョン2030」目標達成のための核心基地の一つだ。 サムスン電子が1998年、テキサスオースティンに初の米国ファウンドリー工場を完工して以来、約20年ぶりに決定した超大型米国投資だ。 三星電子は2030年までに米国の半導体だけで450億ドル(約62兆ウォン)をつぎ込む計画だ。

ファウンドリー1位企業である台湾TSMCとの格差を縮める核心先端工程で、サムスン電子が2ナノを予想してテイラー工場で勝負に出たが、AMDやNVIDIAだけでなくクアルコムやアップルなどビックテックの顧客会社がすべてTSMCに集まった。 テイラーファウンドリー工場だけではない。サムスン電子平沢キャンパスの新規ファブであるP4は最近、計4つのラインを全てメモリー半導体に回した。 2022年から建設中の新規ファブP4は、当初DラムとNAND、ファウンドリーラインをすべて備えた複合棟として設計された。 しかし、テイラー工場と同様に、ファウンドリー物量が十分ではなかった。

また別の三星電子の関係者は、「テイラー工場はすでに建設中で、(工場を転がす見返りとして)米政府から半導体支援法(チップス法、CHIPSAct)の補助金も受けることになっており、(受注がなく)韓国工場だけを使っても余るほど、ファウンドリーの受注物量が足りない」と話した。
(引用ここまで)


 サムスン電子がアメリカで展開していた半導体ファウンドリビジネスをほぼ畳んで、従業員の多くも韓国に帰国させていることが判明しました。
 アメリカのテキサス州に建設していたこのファウンドリ工場は、4ナノで2024年中にも操業を開始するとしていたのですが。
 去年末には25年の操業開始を目標にするとされていました。

サムスン電子、米国での半導体量産開始を延期か-TSMCに続き(ブルームバーグ)

 それが今度は26年操業に変更になるのではないかとされています。
 その大きな原因が、サムスン電子が3ナノプロセスで導入したGAA構造の歩留まり。
 現在のところ、GAA構造を導入した3ナノプロセスの歩留まりは10~20%に過ぎないトモされています。

サムスン電子が世界的な人員削減を計画、テキサス州テイラー工場から撤退(データセンターカフェ)

 まあ、この歩留まりが本当かどうかはともかく。
 TSMCと勝負になるようなものではない、というのは確定した事実のようですわ。


 結果として、テイラー工場では稼働できないくらいに委託してくる企業がない。
 韓国の平沢でもにもNAND、DRAM、ファウンドリ事業の複数用途に使えるP4工場のラインが全量をメモリ製造に向けているとのことで。
 「ビジネスをしたくとも委託してくる企業がない」ので、自社向けのAPUを作るしかない模様です。
 すでにTSMCは3ナノプロセスでiPhone 15向け、iPhone 16向けのプロセッサを量産している。
 それも億の単位で。

 その一方でサムスン電子は独自チップであるExynos2500を次期ハイエンドスマートフォンであるGalaxy S25シリーズに搭載できるかどうか怪しいって状況。
 nVidiaもクアルコムもテスラもGoogleまでもサムスン電子のファウンドリ事業から逃避。
 最近出たばかりのPixel 9シリーズに搭載されているGoogleのTensor G4は、サムスン電子の4ナノプロセスで製造しているものの、熱の問題が処理し切れていないので競合のプロセッサに劣っているとされています。
 日本のAI企業が独自のAIチップをサムスン電子のファウンドリ事業(3ナノ? 2ナノ?)に受託するって話も出ていましたが、まだ実際のビジネスにはなっていない感じでした。

 で、今回は大規模なファウンドリビジネスの拠点とするはずだったテイラー工場から社員を大量に引き揚げ。
 ……ビジネスとしてほぼ破綻してませんかね、これ。

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韓国メディア、nVidia CEOの「TSMC以外の受託企業に発注する場合もあるかも」との発言に「サムスン電子の出番だ!」と色めき立つ……なお、「委託先を変えたら品質低下するだろう」との発言は無視

エヌビディアCEO、顧客との関係「緊迫」-AI半導体争奪戦で(ブルームバーグ)
 エヌビディアは最も重要なチップの生産を台湾積体電路製造(TSMC)に大きく依存しており、それはTSMCがその分野で断トツのトップだからだと、フアン氏は説明した。しかし地政学的な緊張でリスクが高まっている。中国は台湾を自国の一部とみなしており、武力で統一を図る恐れがあるとの懸念が強まっている。そうなれば、エヌビディアは主要なサプライヤーから切り離される可能性がある。

 エヌビディアの技術の多くは自社で開発しているため、代替サプライヤーに発注先を切り替えることは可能だと、フアン氏は指摘。ただし、そのような変更は半導体の品質低下を招く可能性が高いと付け加えた。

 TSMCが持つ「当社ニーズへの対応能力と機敏さは、まさに驚くべきほどだ」と同氏。「TSMCが素晴らしいから、同社と取引するが、もちろん必要であれば、いつでも他のサプライヤーに切り替えることは可能だ」と続けた。
(引用ここまで・太字引用者)


 サムスン電子による半導体ファウンドリ事業についてのニュースをふたつほど。
 ひとつ目はnVidiaのCEOである革ジャン野郎ことジェンスン・ファンによるTSMC関連のコメント。
 「地政学的なリスクがあるので、TSMC一辺倒ではない」といった主旨のコメントをしたことから、韓国メディアが一斉に「サムスン電子に巻き返しの機会があるのでは?」といった形での記事を書いています。

残ったのはサムスン電子だけなのに… NVIDIA「必要なTSMC以外のメーカーを利用」(アジア経済)

 ただ、同時に「切り替えたら品質低下を招くだろう」とも発言しています。
 こちらに言及している韓国メディア、ほとんどないんですよね(当該記事は一応、触れてはいる)。

 思い返してみれば、RTX30シリーズではサムスン電子の7nmプロセスで全量が製造されていたんですよね。
 ……ま、結果として熱の多さと歩留まりの悪さで「RTX40シリーズからはTSMCに移るわ」ってやられちゃったんですけど。
 nVidiaのRTX40シリーズ以降の順調さはこのあたりにも原因があるのかも知れませんね。


 さて、もうひとつはGoogelのスマートフォンであるPixelシリーズに搭載されているTensor Gシリーズ。
 こちらもTSMCへの移動が確実視されています。

「Google、モバイルAPでTSMCと協力」…サムスンと決別するのか?(ニューシス・朝鮮語)

 こちらもTensor G4までの歩留まりがあまりに悪いためにサムスン電子から逃げ出した、とされています。
 もうすでにテープアウトしていて量産もスタートしているのではないかとまで。
 サムスン電子はTSMCよりも3ナノプロセスで先行したとは言われていたのですが、ろくに顧客が見つからない状況でした

 そもそもTensor G4以前のプロセッサはサムスン電子のExynosをベースにしたものであるとされていて、それが原因で性能が上がらなかったともされています。
 ハイエンドのSnapdragon 8シリーズと比べるとベンチマークスコアは半分ほど。
 そりゃ逃げられるわな……。

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