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カテゴリ:G8の記事一覧

韓国外交部、求めてやまない「G7加入」を事実上断念……第2次トランプ政権への対応を急ぐものの現状は「就任式にすら招待されなかった」レベル

カテゴリ:G8 コメント:(106)
タグ: G7 G8 米韓関係
G7プラス加入を夢見たが、結局「長期課題」に…「コリアパッシング」から阻止(KBS・朝鮮語)
「近い将来、韓国のG7プラス加入の可能性を念頭に置き、グローバル中枢国家ビジョンの実現に具体的な成果を蓄積していくことで、在任期間中にG7プラス候補国の地位を確固たるものにしたいと思います」

去年1月、趙泰烈外交部長官は就任の辞で、G7プラスへの加盟について話しました。

主要7カ国(G7)は、米国、英国、フランス、カナダ、ドイツ、イタリア、日本です。 しかし、先進国を代表してきたこれらの国に、もはや代表性がないという指摘は絶えず提起されてきました。

特に去年からワシントン政界を中心に経済成長と国格成長を成し遂げた韓国をG7グループに含め、外縁を拡大すべきだという声が本格的に出ました。 こうした流れに歩調を合わせ、趙泰烈長官は「G7プラス加入」を任期中に必ず成し遂げたい政策の1番に挙げました。

今年、トランプ政権2期目が発足すれば、環境はより前向きに造成されることができました。 トランプ大統領は1期目の政権時にG7の変化を進め、2020年にはG7に韓国、インド、オーストラリアを含む民主主義10カ国(D10)に拡大する案を提示しました。 当時は日本などの反対で議論がこれ以上進まなかったのですが、今回はインド、オーストラリアとともに声を出しながら推進する余地が開かれていました。

しかし、12月3日の戒厳宣言事態で、このような計画は事実上水泡に帰することになりました。 国内政治が極度の混乱を招き、全世界に生中継される状況で韓国が先進国グループに加入することは不可能だからです。 (中略)

韓国政府が米朝接触に積極的に声を出し、「完全な非核化」を反映させなければなりませんが、「パッシング」される可能性があるということです。

米朝交渉だけでなく、トランプ2期目の「インド太平洋政策」や同盟の役割調整にも、韓国が声を出せない恐れが大きいです。 トランプ政権2期目は、在韓米軍はもちろん、日米韓の三角協力も中国のけん制に活用しようとしていて、「クアッド(Quad:アメリカ、日本、インド、オーストラリア)」を強化しようとしていますが、こうした過程で韓国が声すら出せない可能性もあります。

日本の岩屋武外相はトランプ大統領の就任式に招待されてアメリカに行きますが、趙泰烈外交部長官は招待されませんでした。 岩屋武外相が就任式でマルコ・ルビオ新国務長官と会談し、「韓日米協力」の重要性を強調するとしている状況です。
(引用ここまで)


 元ネタはシンシアリーのブログから。

 韓国のG7入り(G9でも、G10でも)というのは本当に国を挙げての目標というか。
 自然科学部門のノーベル賞と同じくらいに渇望しています。
 その渇望感がもっともほとばしった記事を扱ったのがこちらのエントリでした。
 ……なんというかね。すごいよ。

 あと「もはや我々の国格はG10やG7などではない。G5を目指すべきだ」って論説もあります。

韓国メディア「我々韓国人はG10など目指さない。G5へと進むのだ」「外国人はKフードを求め、韓国語はグローバル化している!」……あー、さいですかー(楽韓Web過去エントリ)

 いや、本当に言っているんです。
 嘘じゃないもん。G5加入いるもん。

 なんなら韓国メディアは「(韓国を含めた)G8」を普通に使い出してますからね。
 いや、本当に。

韓国メディア「G7は拡張されるべきだし、韓国はそこに入るべき」「韓国内ではG8はすでに一般用語」……ですって(楽韓Web過去エントリ)

 「日本と並び立ち、その地位を超える」ことが本願なのです。
 G7加入はその象徴ともいえる目標なのですね。


 ですが、去年の戒厳令騒ぎと弾劾連発でその野望も潰えた、とのニュース。
 あの騒ぎをやっててG7がどうのこうの言ってたら「韓国が先進国? ……なんの先進国よ?」ってなりますわな。

 ちなみに今年のG7はカナダ開催。
 韓国がゲストとして招待されるかとどうかは……カナダとなんか結びつきありましたっけか?
 6月なので韓国の次の大統領が決まっているかどうかも微妙なところ。
 そもそもそれ以前に招待国は決まりますから、まあ無理。

 イギリスのコーンウォールG7に招かれたのは縁があったからではなく、前年のアメリカG7に招かれていたものがコロナ禍で中止されたから。すべてのゲスト予定国がそのままスライドしてましたからね。
 広島G7に招かれた理由は「隣国」ってだけですね。ま、かなりオマケ感が強かったです。

 イタリア・プーリアサミットに招待されなかった時もさんざん「ユン外交の敗北だ」みたいな扱いになってましたっけね。
 なんというかまあ……努力目標として掲げるならいいんじゃないですか。お好きに。

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韓国外務大臣、「G7プラスへの加盟を目標とする」と発言……キミたち「G7プラス」とかどこにもないものをよく言い出すよね?

カテゴリ:G8 コメント:(97)
チョ・テヨル「韓米日首脳会議、協議進行中…年内計画」(韓国経済新聞・朝鮮語)
残りの任期中に韓国の「主要7カ国(G7)プラス(+)」加盟目標も提示した。 チョ長官は「在任期間中にG7+候補国としての地位を確固たるものにしたい」とし「外交政策の水準をG7水準に引き上げ、韓国政策の一貫性も維持しながら国際社会で国力にふさわしい役割もしたい」と明らかにした。
(引用ここまで)


 G7プラス構想ってのを韓国が出してきまして。
 外交部長官(外相に相当)が「自分の任期中にG7プラスを実現したい」とか言い出しています。
 えーっと、今年のイタリアG7でもなんとかして招待国に入ろうってしていましたね。
 あれが「G7プラス構想」です(笑)。

韓国、イタリアG7への招待不発が決定。「ユン政権が外交政策を失敗したからだ。これまで3度も招待されたのに!」と野党がはやし立てる(楽韓Web過去エントリ)

 ……いや、真面目な話。
 で、招待国として毎年招かれて「韓国がそこにいるのが当然」って空気を作り出して、G7本体に入りこもうっていう構想です。
 ……いや、言いたいことは分かりますけどね。


 ムン・ジェイン政権発足からのG7招待具合はこんな感じ。

・×2017年 イタリア・タオルミーナG7
・×2018年 カナダ・シャルルボワG7
・×2019年 フランス・ビアリッツG7
・△2020年 アメリカG7(中止)
・○2021年 イギリス・コーンウォールG7(前年の招待国のまま)
・×2022年 ドイツ・エルマウG7
・○2023年 日本・広島G7
・×2024年 イタリア・ファザーノG7

 7回の実施されたサミットで、実際に招待されたのは2回。
 ムン・ジェイン支持者は「ムン・ジェインはアメリカ、イギリスと2回連続で招待された」って主張しているのですが、あれはどう見ても前年の招待国を引き継いだだけだよね。
 次にイギリスでG7やったとして、招待されるかどうかだいぶ怪しい。
 それなのに「もはや事実上のG8」とか言っていたんだよなぁ。

 今年のイタリアG7もさんざん、外交部中心に「招待してくれ」ってやっていたのですが、「アフリカ諸国を中心に招待する」って意向でほぼ無視。
 来年のカナダもどうでしょうね?
 野党は「ユン政権が無能だからだ!」みたいなことを言うのでしょうが。
 ま、何年かに一度くらいは招待されることがある、ってのが実際の「位相」ってヤツでしょう。

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韓国シンクタンク「経済規模、成長率、強い製造業、どれも我々がG7に加入すべき強い数字だ」……いや、G7に入ることじゃなくてG7に入ってなにをするのかが問われているのでは?

カテゴリ:G8 コメント:(133)
タグ: G8 自称先進国
ヒュンダイ研「韓国G7跳躍の可能性」内需改善と労働柔軟性確保を」(毎日経済・朝鮮語)
速いスピードの経済成長を示した韓国が、主要7ヵ国(G7)入りに肯定的な要素が多いという研究結果が出た。 ただし、世界経済の低成長局面と韓国の人工知能(AI)社会に対する不十分な備え、低出生·高齢化などが障害物として作用し、これを早く克服しなければならないという指摘も提起された。

ヒュンダイ経済研究院は28日、「G7強国への跳躍のための条件」と題した報告書で、「韓国は早い経済成長で先進国の中の先進国といえるG7強国への跳躍の可能性が高いと判断される」と明らかにした。 G7に進入するためには一定水準以上の経済規模と経済発展水準を充足しなければならないが、研究院によると韓国のGDPは1兆7000億ドルでG7国家の中で英国・フランス・イタリア・カナダ水準に近接したと分析された。 韓国の1人当たりGDPも同期間3万3192ドルで、日本とイタリアがある3万ドル台に属した。 最近2010〜2023年の間、GDPと1人あたりGDP増加率がG7国家の中ではるかに速い速度を見せる点も鼓舞的だ。

研究院は、韓国がG7に進入できる肯定的な要因として、危機に強い経済体質、主力セクターである製造業の成長性、未来のための研究開発(R&D)投資拡大、Kカルチャーのグローバルソフトパワー拡散、高い人的資本水準などを挙げた。 韓国の金融危機前後のGDP復元率は107.7%で世界平均(103.1%)を大きく上回り、コロナ危機前後のGDP復元率も103.6%で世界平均(103.1%)より高かった。 製造業の設備投資や研究開発への積極的な投資も、未来にも高い競争力を維持できる要因として取り上げた。 韓国経済内の製造業付加価値比重は2021年35.6%で、G7国家平均23.7%に比べて大きく高い。 国内総R&D投資規模は2000年13兆8000億ウォンから2022年112兆6000億ウォンに達した。

韓国がG7に進入するのに障害になりうる否定的な要因として、世界経済の中・長期低成長、サービス業の脆弱な生産性、AI社会に対する備え不足、低出生・高齢化などを研究院は挙げた。 COVID-19以後の2023〜2029年、世界経済は年平均3.2%成長すると展望した。 これはCOVID-19事態以前の2011〜2019年の年平均成長率(3.5%)より低いものだ。 また、保護貿易主義の拡散と経済ブロック化、中国の中進国の落とし穴など不安要因が現実化する可能性があり、韓国経済の輸出不振につながりかねないと見た。

サービス産業の労働生産性が過度に低い点も言及された。 韓国の全体1人当り労働生産性は2021年基準でG7平均の86%水準だ。 サービス業部門の1人当たりの労働生産性は、G7平均の77%、米国の51%水準に止まっている。 韓国のAI民間投資規模も韓国が約13億9000万ドルで、米国(672億ドル)と中国(77億6000万ドル)に後れを取っている。 経済協力開発機構(OECD)で最も低い合計出生率によって、成長潜在力の下落につながりかねない」と指摘した。

研究院は「韓国経済の安全弁の役割をする内需部門の体質改善を持続しなければならない」とし、「労働市場構造の柔軟性確保、出産率向上、女性経済活動参加率促進と積極的な移民政策などが必要だ」と提言した。
(引用ここまで)


 韓国の経済シンクタンクであるヒュンダイ経済研究院が「韓国がG7にふさわしいか否か」を論議するための報告書を作成した、とのニュース。

 「経済的にはすでにG7各国と肩を並べている。経済成長率も高い。このあたりはG7に加入できる要素といえる」
 「世界経済そのものが低成長時代を迎えている。そして韓国は少子高齢化が激しいので、G7にふさわしくない部分も抱えている」

 といった報告内容になっているそうですわ。

 ……そうじゃないんだよな。
 じゃあ、韓国と同じくらいのハードルを越えた国は全部G7に入るのかって話なのですが。
 そんなわけはない。


 オーストラリアは人口2600万人でひとりあたりのGDPは6万ドルを超えています。
 台湾も2300万人でひとりあたりのGDPは3万2000ドルほど。
 そうした国々はすべてG7入りなのかと。

 そうではなく、G7に入ってどうするのか。
 自由主義陣営の一員のトップとして、世界になにができるのかって話なんだけどね。

 ウクライナに対する支援でも、韓国の支援額は日本の5.5%ほどでしかない。経済規模をあわせた数字でも14%相当。
 「先進国」を名乗るのなら、そうした部分を是正して「国際貢献」をする必要がある。
 商売ではなく、支援がどれだけできるのかって話なんですが。
 韓国の場合は「G7に入る」ことが手段ではなくて、目的と化しているんだよな。

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韓国メディア「我々はG7に招待されるかどうかを気にしすぎ。G7はもはや時代遅れで、G20を重視すべきだ」……今度は完全に「酸っぱいブドウ」だわ

カテゴリ:G8 コメント:(101)
春になれば聞こえるG7エレジー(ソウル新聞・朝鮮語)
ここ数年間、春になると聞こえる「エレジー(悲歌)」がある。 筆者はこれを「G7エレジー」と呼ぶ。 大韓民国は世界でほぼ唯一、G7エレジーが聞こえるところだ。 全国民が舌鼓を打ち、与野党は有利な部分だけを掲げ、互いを批判する。 G7に関する理解が明瞭なら、呼ぶ必要も聞く必要もないエレジーだ。

非公式「グローバル運営委員会」を自任したG7の代表性、正当性と効率性問題はすでに1990年代から提起された。 1997-98年のアジア通貨危機にきちんと対応できなかったという批判に直面したG7は、2000年から非G7国家を招待し始めた。 最初の招待国が南アフリカ共和国だった。 大韓民国は計5回(2008·2009·2010·2021·2023年)G7首脳会議に招待された。 08年のグローバル金融危機をきっかけに、G7の限界を認めた国際社会の共感が、G20首脳会議の誕生につながった。 大韓民国は、G20首脳会議の誕生に産婆の役割をした国家だ。

G7であれ、G20であれ、招待国は招待国に過ぎない。 さらに、G7の招待が先進国認証でもない。 招待国が議題形成や議論に有意義な影響力を発揮することは容易ではない。 拡大セッションでG7首脳と席を共にするだけだ。 2021年の英国G7首脳会議に韓国、オーストラリア、南アフリカ共和国とインドが招待された。 インドの貢献に関する質問に、インドのジャイシャンカル外相は「招待国は招待国に過ぎない」という名言を残した。 (中略)

いわゆる先進国クラブというG7がさらに格好よく見えるかもしれないが、トランプの言葉のように流れた昔の歌(outdated)だ。米中葛藤、地政学的危険、サプライチェーン問題など世界問題を論じるにあたって、G20が依然としてより有効で正当な協議体だ。 米国と中国が葛藤の中でも会う理由を考えてみるべきだ。 米国の外交は相当な一貫性を誇るが、状況によっては速やかに態勢転換をする変動性も大きい。 米国外交の原則は実利外交だからだ。 韓国も実利外交を志向しなければならない。

先進国と開発途上国の架け橋の役割を宣言した大韓民国が2010年にG20議長国として成し遂げた成果には、全世界が認める「ソウル開発コンセンサス」もある。 G7の恩恵的概念から脱し、途上国の成長を強調することで「開発」の概念を拡大し、G7議題からG20議題に転換した。 韓国の開発議題が昨年のインドG20首脳会議を契機に全世界流行語になった「グローバルサウス」(Global South)の前身だ。 中国、インドなどがグローバルサウスのチャンピオンを自任して競争する。 肯定的に拡大された開発概念をG20に導入した韓国は、グローバルサウス競争で押されている。 韓国は同議題の実効性ある履行案を国際社会に提示するリーダーシップを見せなければならない。 そうすれば、ぎこちないG7外交がなくても、G7の尊重を受けることになる。

そのため、6月初めに開催される韓国·アフリカ首脳会議の成功が重要だ。 グローバル·サウスを抱くことができないグローバル中枢国家は成立できない。 来年はG7エレジーが聞こえないことを願う。
(引用ここまで)


 春になる度に「今回は招待されるのか、されないのか」とG7エレジーを奏でる韓国。
 ちなみに5回招待されているのは事実ですが、おそらく2009、10、20、21、23年の誤記。
 イ・ミョンバクは2回招待されているのですね。

 で、そうしたG7に招待された、されなかったを論じているのはナンセンスだとしています。
 なぜならG20のほうが「有効で正当な協議体だからだ」なのですって。
 「G7はすでに時代遅れ」
 「先進国と開発途上国の架け橋の役割を宣言した大韓民国が2010年にG20議長国として成し遂げた成果には、全世界が認める『ソウル開発コンセンサス』もある」
 「G7の恩恵的概念から脱し、途上国の成長を強調することで「開発」の概念を拡大し、G7議題からG20議題に転換した」

 なのでG20を重視するべきなのだと。


 完全に「酸っぱいブドウ」ですね。
 心理学的な防衛機制。

 現状、G20は船頭が多すぎてなにも決まらない「ただの20カ国会合」でしかない。
 もちろん、会合自体の価値はあるにしてもG20でなにか決まるとか方針を定めることができていない。
 「集まった」だけで共同声明すら出せなくなってますからね。

G20外相会合、共同声明の採択できず…ウクライナ侵略巡り中露「2項目だけ」合意せず(読売新聞)
【速報】G20財務相・中央銀行総裁会議で、共同声明は取りまとめられなかった(時事通信)

 20カ国では利害の衝突が大きすぎて、コンセンサスが得られない。
 そういう意味でもG7やクアッド、AUKUSとかはサイズ感がよいって部分があるのは間違いない。

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韓国メディア「韓国がイタリアG7に呼ばれなかったのはユン大統領のせいだ」「ムン・ジェイン大統領は2回も招待されたのに!」……せやろか

カテゴリ:G8 コメント:(51)
[記者手帳]G7サミットに招待されなかった尹大統領…米日に偏った外交の素顔(ハンギョレ)
 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が、6月13~15日にイタリア南部プーリア州の小さな村であるファサーノで開かれる主要7カ国首脳会議(G7サミット)に招待されなかったという事実が、19日のマスコミの報道で初めて明らかになると、激しい反応が広がっている。「共に民主党」や祖国革新党などの主要野党が書面で批判の論評を行い、大統領室と外交部は「珍しいことではない」とする趣旨の説明資料をメディアにばらまいた。

 北朝鮮問題や米国、中国、日本、ロシア関連の外交政策の方向についての政府・与党と野党の攻防は珍しくない。しかし、G7サミットへの参加をめぐる与野党間の攻防は、これまで一度もなかった。初めて起きた事態だ。 (中略)

 事実上「先進国クラブ」と呼ばれるG7(米国・英国・フランス・ドイツ・カナダ・イタリア・日本)の首脳会議と大韓民国の縁は長くはない。2020年の主催国である米国のドナルド・トランプ大統領が、G7をG11またはG12に拡大したいとして、文在寅(ムン・ジェイン)大統領を正式に招待したことが初めてのことだ。2021年の議長国である英国のボリス・ジョンソン首相も文大統領を招待した。尹錫悦政権が発足した直後の2022年6月26~28日に開かれた第48回会議の議長国であるドイツのオラフ・ショルツ首相は、尹大統領を招待しなかった。2023年の議長国の日本の岸田文雄首相は尹大統領を招待した。

 要約すると、韓国がG7サミットの第一歩を踏んだ2020年以降の合計5回のうち、招待されなかった2回は、いずれも尹大統領の任期中である2022年と2024年だ。
(引用ここまで)


 イタリアG7への招待を巡って、いまだに韓国国内ががたがたしています。
 「ユン政権の外交方針が間違いだったことの証拠だ!」みたいな騒ぎになっています。
 先日、お伝えしたように野党は諸手を挙げての大喜び。

韓国、イタリアG7への招待不発が決定。「ユン政権が外交政策を失敗したからだ。これまで3度も招待されたのに!」と野党がはやし立てる(楽韓Web過去エントリ)

 あと左派紙のハンギョレも大喜び。

 その論点を見てみると──

・韓国は2020年、21年、23年とG7に呼ばれた。
・22年、24年と呼ばれなかった。
・両方ともにユン政権の時代だ。
・ドイツ、イタリアと呼ばれなかった。日米に外交方針が傾いているせいだ。

 ……とまあ、こんな感じ。


 えーっと、その話だいたい間違ってるんだよね。
 まず、韓国がオブザーバー資格ではじめてG7に参加したのは2008年の洞爺湖サミット(当時はロシアの入ってたG8)。
 当時のイ・ミョンバク大統領が参加しています。

 もうひとつ、2020年、21年と連続で招待されたって書いてますが、20年は招待されただけで開催されず。
 21年については20年に招待されたオブザーバー国がそのままスライドしただけ。

 イギリスでのコーンウォールG7で「アメリカとイギリスに並んだ。これはもはや実質的G8」って言ってただけ。
 実際の「参加」を見るとムン・ジェインもユン・ソンニョルも1回ずつでしかない。
 っていうか、ムン・ジェインの2017〜19年も呼ばれてなかったし。

 「韓国は実質的にG8」とか「心理的にG8」って言っているのが韓国だけ。
 むしろインドはずっと呼ばれていますしね。
 重要度はインド以下だって自覚をしなさいよって話です。

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韓国、イタリアG7への招待不発が決定。「ユン政権が外交政策を失敗したからだ。これまで3度も招待されたのに!」と野党がはやし立てる

カテゴリ:G8 コメント:(103)
ユン、G7首脳会議に招待されなかった…6月イタリア訪問「不発」(ハンギョレ・朝鮮語)
韓国が6月にイタリアで開かれる主要7カ国(G7)首脳会議に招待されなかった。

外交筋は19日、「イタリアのプーリアで6月13~15日に開かれる主要7カ国首脳会議の招待国リストに韓国は含まれていない」と伝えた。 尹錫悦 政府は「グローバル中枢国家」の旗印を掲げ、国際的地位にふさわしい主要7カ国のパートナーとして位置づけられるとし、「G7プラス外交」を推進してきた。 (中略)

政府は今年、主要7ヵ国の首脳会議に出席するため、今年の議長国であるイタリアと地道に協議したが、イタリアは招待国リストに韓国を含めなかったという。 (中略)

韓国は2020年以降、主要7ヵ国の首脳会議に3度も招待された。 米国が議長国だった2020年、英国が議長国だった2021年、日本が議長国だった2023年に参加した。 尹錫悦大統領が米国をはじめとする西側諸国と積極的に連帯する外交をしてきたにもかかわらず、今年の首脳会議に招請されず、政府が強調してきた「グローバル中枢国家」、「G7プラス」外交目標が色あせたという評価が出ている。
(引用ここまで・太字引用者)


 韓国政府が今年のG7開催国であるイタリアに「招待してほしい」と折衝してきたようですが、あっさりと断られたとのニュース。
 すでに開催済のG7外相会議にも招かれませんでした。

韓国メディア「イタリアで開催されるG7外相会議に韓国は招待されなかった。しかし、本番は6月のG7首脳会議だ! 招待されるに違いない!」……なんか大変だね、キミたちは……(楽韓Web過去エントリ)

 イタリアはアフリカ諸国をはじめとするグローバルサウス重視の方向性を見せています。
 いわば既定路線。


 個人的に面白いなと感じたのが、この報道をいち早くしたのが左派紙のハンギョレであるところ。
 ユン政権にとって打撃になるG7招待についての話をハンギョレがスクープする形で報じたのはなかなかに面白みがあります。
 「G7招待についてなにか分かったら教えてくれ」ってやっていたんだろうなぁ。


 ちなみに冒頭記事には2000近いコメントがついています。
 そのほとんどが「ムン・ジェイン政権ではアメリカ、イギリスに招待されたのに……」ってもの。

 ……いや、ハンギョレもそう書いている(太字部分)けど、実際には2020年のアメリカでのサミットはキャンセルされたでしょ。
 で、イギリスでのコーンウォールG7はその招待国を引き継ぐ形になっただけ。
 ま、韓国的には「G7の場で何をしたか」ではなく、「G7に招待された」ってことが重要なんでしょうけどね。

 先だっての総選挙で大勝利を遂げた野党はさっそく「ユン政権だから失敗したのだ」と言い出しています。

民主「韓国のG7首脳会議招待国書排除」についてユン政府は言い訳を重ねてで外交失敗を隠そうとしている」(江原日報・朝鮮語)
祖国党「米・日中心一方外交のせいでG7招待不発」(ハンギョレ・朝鮮語)

 ハンギョレのほうには「かつてはG8、G10加盟の見通しまであったのに」とされています。
 ここまでがハンギョレ的にはワンセットってところなのでしょう。

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韓国メディア「イタリアで開催されるG7外相会議に韓国は招待されなかった。しかし、本番は6月のG7首脳会議だ! 招待されるに違いない!」……なんか大変だね、キミたちは……

カテゴリ:G8 コメント:(101)
韓国、G7外相会議出席不発……6月の首脳会議には招待されるのか(聯合ニュース・朝鮮語)
韓国が今月中旬、イタリアで開かれるG7(主要7ヵ国)外相会議に招待されず、6月の首脳会議に出席するかどうかが注目される。

外信などによると、イタリアのタヤニ副首相兼外相は先月27日(現地時間)、記者会見を開き、17〜19日にイタリアのカプリ島で開かれるG7外相会議の招待国を発表した。

ウクライナのドミトロ・クレーバ外相、北大西洋条約機構(NATO)のイェンス・ストルテンベルグ事務総長とともにG20所属の発展途上国が含まれ、G20会議の昨年・今年・来年の主催国(いわゆる「トロイカ」)であるインド・ブラジル・南アフリカ共和国が招待されたことが分かった。

また、アフリカ連合(AU)議長国のモーリタニアも招待された。

主要地域機構や多国間国際会議議長国の資格ではない国として招待された国はウクライナが唯一であるわけだ。 (中略)

同年、G7議長国は議論に寄与できると考える他の国家や国際機関などを首脳会議や外相会議に追加招待し「拡大会談」を用意することができる。

招待国の選定は議長国の裁量とされるが、最近、韓国がG7首脳会議や外相会議に出席することが頻繁だった。

日本がG7議長国を務めた昨年は、5月の広島首脳会議に尹錫悦大統領が招待された。 これに先立ち、4月に開かれた外相会議の時は、招待国を最初から置かなかった。

英国が議長国だった2021年には、5月に開かれたG7外交開発長官会議と6月の首脳会議の両方に韓国が招待された。 ドイツが議長国だった2022年には、外相会議と首脳会議に韓国が招待されなかった。 (中略)

このためには、G7会議に招待される事例が蓄積されることが重要であるだけに、政府は今年、議長国であるイタリアを相手に念を入れてきたが、ひとまず外相会議への出席は実現しなかった。

ただ、6月に開かれる今年のG7首脳会議に出席するかどうかは、イタリアと引き続き協議しているという。
(引用ここまで)


 今年のG7はイタリアのボルゴ・エグナツィアで6月に開催予定。
 G7は首脳会議に先んじて、外相会議や財相会議が行われるのが恒例となっています。
 で、今回の外相会議はカプリで今月17〜19日に開催されます。

 えー、その外相会議にウクライナ、NATO事務総長、G20会議の去年、今年、来年の議長国であるインド・ブラジル・南アフリカ、アフリカ連合の議長国であるモーリタニアが招待されているそうです。

 ……外相会議があることは知っていましたが。
 さすがに招待国までは知らなかったなぁ。
 いや、少なくとも日本には情報がない。
 イタリアのG7サイト(英語版)も見てPDFもいくつか読んだんですが、招待国書いてませんでした。イタリア語版だったらあるのかなぁ。


 というかですね。
 世界中でG7外相会議の招待国を気にしているの、たぶん韓国だけですよ。

 イタリアG7に招待されるかどうか。
 その先駆けとして外相会議を気にしているのでしょうけども。
 そもそもがG7に招待国として招待されるかどうかを、ここまで気にしていて報道している国もないじゃないですかね。

 もう、韓国人の中では「韓国はG7に招待されるべき国格を持っている国。なんなら新規加盟すべき国」なのですね。
 ムン・ジェイン大統領(当時)がイギリスでコーンウォールG7に招待されたときには「安倍総理を差し置いて英米とムン大頭領が並んだ(外交プロトコルでは大統領が優先される)」「もはや実質G8」と言い放ってましたっけね。

 ユン大統領が広島G7に招待された時は「心理的にG8」でした。
 あと当時の外相が外交部にG7の大使を呼んで「G8のために乾杯」ってやったんだったな。イタタタタ……。

 まあ、そんな感じで「我々はもはやG8」「外相会議に呼ばれるべき……あれ?」みたいなコントを毎年毎年繰り広げているわけです。

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韓国人「我々はトランプ再選よりも前にG7に加入しなければならない。大国と認められればトランプも手が出せないはずだ」

カテゴリ:G8 コメント:(123)
【リセットコリア】バイデン任期内のG9加入に全力注ぐべき(中央日報)
最近の米国の世論調査をみると、韓国に戦争が起きても米軍は参戦すべきではないという世論が50%に近い。韓国としては大きな危機だ。その間、韓国は米国から特別な待遇を受けてきた。その理由は、東西対決時代に米国が支援した数多くの国のうち韓国だけが経済発展と自由民主主義を同時に成し遂げた、米国の対外政策成功のアイコンであるからだ。しかしもう冷戦は終わり、米国の力も以前ほどではない。さらに最近は北朝鮮がプーチン露大統領の支援を受けて米国全域を射程圏に置くICBMを保有し、米国のためらいはさらに強まるしかない。

北朝鮮がむやみに撃つミサイルに見えすいた脅しだけをする韓日米の連携は、今年の選挙でトランプ氏が勝利すれば形骸化する運命と考えられる。トランプ氏は同盟の重要性に全く比重を置かない。韓米FTAから在韓米軍までまとめて非難したトランプ氏が再執権すれば、韓米関係は大きく揺れるはずだ。 (中略)

これに対しバイデン政権はトランプ氏がむやみに在韓米軍に手をつけられないよう国防権限法案を通過させたことがある。しかしあまりにも強力な大統領制の下でトランプ氏ができないことは事実上ない。トランプ氏の当選に備えて今からでもトランプ政権との関係上のポイントを見つけだし、独自核保有ディールも準備しておかなければならないが、何よりも直ちに進めるべき緊急な国家戦略はG9に加わることだ。過去に米国が強大だった時期には現在のG7が世界を率いる掌握力を確保していた。しかしロシア・中国・インド・ブラジルなどが急成長した今、G7は主導力を失っているだけでなく代表性も顕著に落ちる。したがって韓国とオーストラリアを加入させてG7をG9に拡大することで躍動性と代表性を増強する必要性があるだけに、韓国政府はこれを緻密かつ強力な論理に昇華させて各国の共感を引き出さなければいけない。

ドイツ・日本などG7国家もトランプ氏の各種圧力から抜け出すことはできなかったが、トランプ氏は韓国とは違い、これらの国に対しては安易に極端なカードを出すことができなかった。米国国民にG7国家は経済と安全保障の運命共同体「インナーグループ」と認識されていて、いくらトランプ氏でもむやみに行動するのは難しい。

したがって韓国は、トランプ氏が自身の治績である韓日米協議を崩すことを心配するバイデン大統領を説得し、彼の任期中にG9入りを実現させなければいけない。大統領のウクライナ電撃訪問で西欧が韓国を戦略的中枢国家と認識することになったうえ、韓国の防衛産業と半導体、バッテリーなどの先端技術が持つ魅力が非常に大きいため、バイデン大統領が積極的に動けば可能だ。

特に日本の同意が重要だが、過去に韓国は日本の安保理常任理事国進出に反対の見解を示しただけに、先に日本の国民感情を解消しなければいけない。全体主義国家に囲まれた韓国が崩壊すれば、次は日本になるしかないという点を論破すると同時に、フランス・英国のように韓日間海底トンネル建設を正式に提案してみるのもよい。
(引用ここまで)


 今年11月の大統領選挙が行われるまでに、韓国はオーストラリアと共にG7に加入してG9にならなければならない、とするコラム。
 というのも、次期大統領として有力なのがトランプの再選。
 トランプ大統領時代の米韓関係はひどいものであった、としています。

 まあ、米韓FTAは大幅に改定されて、アメリカが発動した鉄鋼輸入への関税を免除される代わりに「為替介入をすべてレポートせよ」って話になってました。
 韓国経済の手足を縛るのにうまいことやってましたね。

アメリカが韓国への鉄鋼関税免除を行った理由……これはえげつない……(楽韓Web過去エントリ)

 GSOMIAを破棄してアメリカを動かそうとしたものの、まったく動いてもらえずに逆に「失望した」って言われまくってましたね。
 あれがトランプ政権時代でした。


 というわけで、「いまのうちにG9になっておけば、アメリカも韓国に手出しできなくなるはずだ!」と。
 ……。
 …………。
 (苦笑)。

 まあ、韓国はすでに事実上G8であり、心理的にもG8らしいですから?

韓国大統領府高官「韓国は事実上、G8として外交的に位置づけられた」「国際的評価はすでにG8」(楽韓Web過去エントリ)
韓国与党、「韓国は心理的にG8へ仲間入りした」と宣言……心理的G8かぁ(楽韓Web過去エントリ)

 韓国人的にはそれを現実とすりあわせるだけの気分なんでしょうけどね。
 でもまあ、さすがにG8は無理だって感じててG9って言い出したって感じかな。

 ただ、アメリカでもイギリスでも日本でもG7拡大についての話、ひとつも出てませんから。
 広島サミット前に韓国メディアが国務省の主席副報道官に対して「アメリカは現在のG7をG8に拡大して、韓国をメンバーとして加入させる予定はあるのか。また韓国にはその資格があると考えているのか」と質問したことがありましたが。
 それに対して「今回の首脳会議でメンバーの拡大を議論する計画があるとは聞いていない」とばっさり切られていました。

 韓国をG7入りさせるメリットがないんだよなぁ……オーストラリアはともかく。もうひとつの大国であるインドはゲストでは来るでしょうけど、同盟的なことからは一歩退いた立場なので加入しないでしょう。
 韓国がG7入りするメリット……ごめん、ちょっと考えたけどないわ。
 拡大することで意義が薄まる未来しか見えない。

 G20みたいに身動き取れない会合になるよりは、古くからの列強だけが集まることに意義があるんで、これ以上の拡大はないかな。
 日本の反対云々以前に、拡大の議論がされないと思いますよ。  今年のG7開催予定地はイタリアですが、まずはゲストとして招待されるといいですね?  

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