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カテゴリ:LK-99の記事一覧

「今度こそ本当の常温超伝導物質だ!」と韓国人研究者が「LK-99の後継物質、LKK-17を発表」→韓国メディア「本人が常温超伝導物質と主張するものを発表した」……さすがにもうだまされないか(なお、関連株価は上昇)

カテゴリ:LK-99 コメント:(59)
クォンタムポート、常温超伝導体の製作を主張…「抵抗測定はしない」(聯合ニュース・朝鮮語)
昨年常温超伝導体「LK99」論文著者の一人であるクォン・ヨンワン クォンタムポート代表(高麗大研究教授)が今回はLK99で不純物を除去し純度を高めた常温超伝導体「LKK17」を開発したと主張した。

彼はこの物質が超伝導体の特性を多数見せると主張し、サンプルを提供する用意もあると言ったが、抵抗測定はしなかったと明らかにした。 (中略)

この日、彼は新しく作った物質の元素構成を示すX線結晶学(XRD)データで、本人が超伝導体と考える物質の純度を既存の50%から80%以上まで上げたことを確認したとし、超伝導体の確認に使われる超伝導量子干渉装置(SQUID)を通じても超伝導性を確認したと主張した。

彼は「LKK-17」とし、灰色の粉の形の物質を公開した。

ただ、彼はサンプルの抵抗測定はしなかったとし、他の実験ですでに超伝導性を持っていることを知っているため、実験が意味がないと考えるという主張を続けた。
(引用ここまで)


 新たなる「シン・LK-99」であるLKK-17なる物質が「これこそは本当の常温超伝導物質」として提示されました。
 え、4月に発表されたPCPOSOSはどうなったのかって?
 ああ、こっちのクォン・ヨンワン高麗大学教授はクォンタムセンター側から内紛で離脱したほうの研究者、ですね。
 arXivにLK-99の論文を最初にアップした人物でもあります。

 PCPOSOSは離脱しなかったほうの研究者で、クォンタムセンターから発表されたもの。
 こちらのLKK-17は離脱したほうの研究者で、クォンタムポートなる研究所を設立したとのことです。


 えーっと、それでこのLKK-17ですが。
 常温常圧下で超伝導物質として振る舞うのですって。
 ちなみに太字部分は報じている聯合ニュースが書いているもので、うちからつけたしたものではないです(太字化だけ)。念のため。
 あと写真のキャプションにも「クォンタムポットで公開した常温超伝導体主張物質LKK-17」って書かれてて草。

 で、言うに事欠いて「サンプルの抵抗測定はしなかった」「超伝導物質として振る舞っているのでやっても意味がないからだ」……ですって(笑)。
 まあ、確かに意味はないかもしれないけどさ。
 根本的に科学者の態度じゃないんだよな。
 そりゃ聯合ニュースも「製作を主張」って記事タイトルでも書かざるを得ないわな。

 あ、関連企業の株価は上昇したそうです。

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韓国で作られた「夢の常温超伝導物質」ことLK-99、1年前に華々しく登場したものの……

カテゴリ:LK-99 コメント:(67)
[超伝導体LK99 1年]正体不明の幽霊論文とテーマ株だけが残った(朝鮮BIZ・朝鮮語)
クォンタムエネルギー研究所は2023年7月22日、常温·常圧超伝導体(超傳導体)を開発したという内容の論文2編を論文事前公開サイトであるアーカイブ(arXiv)に公開した。 学術誌の審査を経て正式出版されず、研究陣がインターネットに先に公開したのだ。 「LK-99″というこの物質は以後、全世界で真偽をめぐって途方もない論難を誘発した。

論文が事実なら距離に関係なく無損失送電が可能でエネルギー革命が起きかねない。 高性能電磁石も作ってリニアモーターカーと核融合発電に活用できる。 しかし、朝鮮ビズがクォンタムエネルギー研究所を訪れた7月27日の朝までは、暴風前夜のように静かだった。 海外の科学技術コミュニティで話題になり、一部の海外メディアに記事が出たが、国内ではLK99やクォンタムエネルギー研究所の存在を伝える記事がなかった。

朝鮮ビズはクォンタムエネルギー研究所を訪れた日午後、研究陣のインタビューを盛り込んだLK99記事を初めて報道した。 その後、乾いた田んぼに火がつくように、LK99を巡る議論は急速に広がった。 数日後、再び訪れたクォンタムエネルギー研究所の鉄門は固く閉ざされていた。 いくらドアを叩いても誰も答えなかった。 イ・ソクベ代表の顔を再び見たのは半年が過ぎた今年1月9日、延世大学で開かれた量子産業融合先導団のビジョン宣布式の時だった。 この1年間、LK99は超伝導体ではないことが確認されたが、市場では依然としてテーマ株が動いた。 これまでどんなことがあったのだろうか。

昨年7月23日に訪れたビラ地下のクォンタムエネルギー研究所の事務室は、一目で見ても劣悪だった。 ノーベル賞である途方もない研究結果が誕生したところだとは信じられなかった。 事務室には黒板と大きな机、コンピューター3台だけがあり、実験室はその隣の小さな部屋にあった。 イ・ソクベ代表は「ここで長い実験の末にLK99を発見した」として実験室機器を見せた。 金属を高温で焼く装備と多様な化学物質が入ったガラス瓶が目に入った。 実験を進めた結果であるかのように、あちこちに焦げた跡がある金属彫刻も見えた。

簡単な実験室の紹介が終わり、イ代表と一緒に事務室にいた漢陽大学のオ・グンホ名誉教授とのインタビューを行った。 嵐の前夜を予告するように事務室には電話がかかってきて、他の職員たちは電話に出るのに忙しい様子だった。 イ代表にLK99が本当に常温超伝導体なのか、合っているならなぜ同僚検証も経ずにアーカイブに論文を載せたのか尋ねた。

彼は「本来ネイチャーに論文を提出したが、米国ロチェスター大学のランガ・ディアス教授の超伝導体論文真偽論難の影響でネイチャーが論文掲載を負担に思った」と答えた。 以後、葛藤をもたらした高麗大KU-KIST融合大学院のクォン・ヨンワン教授を言及し「研究に大きな役割をしなかった他の教授が勝手に自分の名前を付けて論文を載せたためにアーカイブに論文2編が上がった」と説明した。

話が長くなり、昼食の時間になった。 李代表は、「お弁当でも一緒に食べよう」と言った。 彼は食事の席で「米国プリンストン大学や英国ケンブリッジ大学のような有名大学でLK-99研究を共にしようという連絡が来る」と話した。 世界が自分を認めるという意味だった。 (中略)

しかし、LK99は長続きせず、主流科学界の信頼を失った。 全世界の科学者たちが自発的に実施した検証実験で、皆がLK-99の再現に失敗した。 韓国超伝導低温学会が設けた「LK99検証委員会」も同じ結論を出した。 (中略)

エネルギー工科大学は、LK99が超伝導体ではないという事実は確認したが、他の目的で活用できるという根拠は見つけたと明らかにした。 エネルギー工科大学のパク·ジンホ総長職務代行は17日、「LK99サンプルが超伝導体かどうかは確認されていない」と明らかにした。 全世界で唯一、LK-99サンプルを直接受け取って分析した機関が、超伝導体かどうかを確認できなかったわけだ。 ただ、エネルギー工科大学は、LK99が素材として価値はあると主張した。 パク代行は「エネルギー素子用素材としては有意義な結果が出て、今特許出願中にある」として「出願完了すればもう少し詳しく申し上げる」と話した。 (中略)

LK-99研究陣もテーマ株のように反目した。 論文に参加したクォンタムエネルギー研究所と権寧完(クォン・ヨンワン)高麗(コリョ)大学教授は、互いに技術に対する所有権を主張し、対立している。 クォン研究教授は、クォンタムエネルギー研究所とキム・ヒョンタク教授がLK-99開発にあまり寄与がないと主張しており、クォンタムエネルギー研究所は逆にクォン研究教授がしたこともなく、混乱だけを助長すると対抗している。 今はキム·ヒョンタク教授とクォンタムエネルギー研究所もこれ以上協業をしないという話も出ている。 イ・ソクベ代表とキム・ヒョンタク教授、クォン・ヨンワン教授など、LK-99論議の主役たちは、昨年末と今年初めに公式席上に姿を現した後、再び姿を消した。
(引用ここまで)


 自称常温常圧超伝導物質であるLK-99のデビューが1年前の明日。
 楽韓Webでは当初から眉につばをつけながら紹介してました。
 記事中にもありますが、研究所は雑居ビルの地下に存在して、オートクレーブで焼成してるって状況でした。

IMG_8711.png

 1階は家具屋さんです。

 研究所の立派さが研究の立派さを保証するわけではないといわれれば、それはそうなんですが。
 さすがにねぇ。


 その後も研究陣はおなじみの内紛を続けながらも「LK-99は超伝導物質だ!」と主張し続けてきたのですが。
 内外の研究機関からは「追試したけど超伝導は確認できなかった」「というか磁石」「純結晶にしてみたけどやっぱダメ」「むしろ絶縁体」等々で完全に否定されました。

 今年の4月になって「LK-99に硫黄を加えたPCPOSOSこそが大本命!」って言い出してアメリカ物理学会で発表したはいいものの、そこからの続報はなし。

 実質的に2週間でその命を終えたのでした。
 セミの寿命より短かったね……。
 まあ、韓国だから云々ではなく、常温超伝導物質ってまず間違いなく詐欺ですから。
 今回もいつもと同じオチに終わっただけなのです。
 なんかSNSをはじめとしたネットではやたらに期待が高くて苦笑していたのですが、科学クラスタの視線からは「あー、はいはい。いつものね」ってくらいの扱いでした。

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韓国の「自称常温超伝導物質」、特許申請するも「超伝導物質じゃないんでしょ?」と拒絶されてしまう

カテゴリ:LK-99 コメント:(31)
隠して、別れて「どこかで見たような」……「LK-99」に酷似した米スター科学者の没落(朝鮮BIZ・朝鮮語)
国際学術誌「サイエンス」は毎年末、「今年の革新」と「今年の失敗」を選定する。 1年間に発表された科学研究成果のうち、革新をもたらした成功的な研究と失敗に終わった研究や科学を選定することだ。 大半が米国や欧州、日本のような科学先進国の成果や研究が選定されるが、昨年は韓国も記事に名を連ねた。 残念ながら成功とは程遠い「今年の失敗」項目だった。

サイエンスが選定した「2023年今年の失敗」には常温超伝導体に対する研究が名前を上げた。 昨年、韓国科学界を強打したクォンタムエネルギー研究所の「LK-99′」がその一つだ。 しかし、LK-99よりサイエンスがより多くの紙面を割いて紹介した常温超伝導体がある。 まさに米国ロチェスター大学のランガ·ディアス教授が作ったと主張した常温超伝導体「CSH」だ。 サイエンスは「年初に革命的だと歓迎されたディアス教授の研究成果が論文撤回で虚しく一年を終えた」と説明した。 (中略)

米国科学界がディアス教授の超伝導体論文で騒々しい間、韓国では国内研究陣が開発したと主張した常温超伝導体「LK-99」で一騒ぎが起きた。 クォンタムエネルギー研究所とクォン·ヨンワン高麗大教授、ウィリアム&メリー大のキム·ヒョンタク教授らは昨年7月、常温超伝導体である「LK-99」を開発したとし、論文事前公開サイトに研究結果を発表した。

しかし、8ヵ月が過ぎた今も、LK99の実体どころか、これを立証する研究データや研究論文すら公開されていない状態だ。 ディアス教授が論文データを学生たちに隠したように、クォンタムエネルギー研究所やクォン·ヨンワン教授、キム·ヒョンタク教授のいずれもデータを公開していない。 キム·ヒョンタク教授は4日(現地時間)、米ミネソタ州で開かれた米国物理学会3月ミーティングで口頭発表を通じて「LK-99″に硫黄を追加した「PCPOSOS」という新しい超伝導体物質を公開したが、やはり実物は公開せず、同僚検証を経ていないデータだけを発表した。 (中略)

ディアス教授とLK-99研究陣は様々な面で似ているが、今置かれている状況は全く違う。 ディアス教授は窮地に追い込まれている。 ロチェスター大学は4回にわたってディアス教授の研究不正行為に対する調査を進め、最後の4次調査の結果、問題が発見され、今はディアス教授の講義と研究を阻んでいると伝えられている。 ディアス教授が2026年までに受け取ることにした33万ドルに達する米国国立科学財団(NSF)の研究費支援も中断される可能性が高い。

「LK-99」研究陣は超伝導体の実物とデータ公開を先送りしながら多様な活動を続けている。 権寧完(クォン·ヨンワン)教授は、複数の上場会社に投資家や役員として名を連ねており、その間、同社の株価は乱高下した。 クォンタムエネルギー研究所は、延世(ヨンセ)大学とともに超伝導体の開発計画を発表した。
(引用ここまで)


 LK-99についてのニュース、というかUSO(Unidentified superconductive Object)について韓国メディアの語っているニュース。
 去年の夏、LK-99はネットを中心に話題となりました。
 「材料が簡単に集められる」「製造が容易」「レシピが公開されている」ことから、大きな施設を持たない私人でも再現実験ができたことが大きな要因として挙げられるでしょう。
 実際に発表直後のコミケでも「LK-99配布します」なんてことがありましたね。

 その一方で科学界で話題になっていた「常温超伝導物質」がもうひとつありまして。
 C-S-H系と呼ばれる高圧超伝導。著者はランガ・ディアス助教授。2020年10月にNature誌に論文が掲載されてタイム誌の「次世代を担う100人」に選出されるなどしたものの「データが揃っていない」等の不備から編集者権限で2022年9月に論文を撤回させられました。

 んで、去年3月には新たに「水素・窒素・ルテチウム化合物は室温超伝導となる」とする論文を出したのです。
 LK-99と一緒になって扱われたので覚えている読者もいるかもしれませんね。


 で、こちらも11月には論文撤回に追いこまれました。
 その経緯をnature誌が記事にしています。

Superconductivity scandal: the inside story of deception in a rising star’s physics lab(nature・英語)

 論文がnature誌に掲載されたことを除けば、LK-99とほとんど同じ経緯を辿っていますね。
 こうして追試、再現試験が行われて論文で語られている事象が再現できるか否かが最大の関門となるのです。

 LK-99、PCPOSOSについていうならnature、Science誌に論文を投稿したものの、掲載を拒否されたとのことでしたから、査読を通り抜けることすらできなかったのでしょうね。
 あ、それと韓国国内でLK-99の特許を申請したそうですが。

LK-99研究陣、特許不発? 新しい超伝導体も実物なしで映像だけ(韓国日報・朝鮮語)

 「超伝導体かどうか定かではない」として突っ返されたそうです(笑)。
 ま、そりゃそうですね。

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韓国の「超伝導関連企業」、株価が1000%上昇していた……ただし、「自称常温超伝導物質」のPCPOSOSに失望売りも

カテゴリ:LK-99 コメント:(54)
「期待が大きければ失望も大きい」…ひどい目にあう超伝導体株(韓国経済TV・朝鮮語)
<アンカー>
超伝導体の株価が連日ジェットコースターに乗っています。
昨日(5日)は、これまで上昇の勢いに乗っていた超伝導体のテーマ株が軒並み急落しました。
キム記者、アメリカで開かれた超伝導体関連の発表会で、なぜ失望的な反応が出たのですか?

<記者> 国内研究陣が新しい常温·常圧超伝導体を開発したと主張したが、既存物質と大きな差がなかったためです。
特に実物は見せず、該当物質を撮った動画だけを公開したのですが。 業界だけでなく投資家に失望感を与えた背景になりました。 (中略)

現場参加者たちは該当物質が超伝導体という明確な証拠がなく、すべての内容が推測に過ぎないと酷評を出しました。 実物を公開しないため信頼性も落ち、公信力のある機関の検証を経ていないという批判も多かったのですが。 (中略)

これまで超伝導体関連株が急浮上したのは、国内研究陣が超伝導体だと主張する物質「PCPOSOS」に対する期待感のためだったのですが。

新星デルタテックは年初から研究発表前日(4日)まで株価が200%上がったことが明らかになりました。 今年コスダック市場でエンケムとエコアンドドリームに次いで騰落率3位を記録しました。 昨年7月初めに範囲を広げてみると、新星デルタテックの株価は1000%以上上昇したことが把握されます。

コスダック時価総額の順位も昨年は50位圏外でしたが、株価が大幅に上昇し、5位(約5兆790億ウォン)まで上がったが、1日で8位から10位(約2兆8900億ウォン)に下がった状況です。

この他にも超伝導体関連株に挙げられる銘柄が一斉に下落傾向を見せました。 昨日、西南(-18.04%)とアセンディオ(-18.57%)、CCS(-12.10%)などが12~18%台下落しました。 超伝導体研究発表に対する失望感が高まり、差益実現の売り物が大挙あふれたものと分析されます。 (中略)

新星デルタテックのイム·グァンホン副社長は4日、6000株を売りました。 先立って先月23日にも8000株を売り渡した経緯があります。
西南のイ·ホヨプ副社長も先月29日、会社の株式10万1000株を場内で売り渡した。
役員たちが自社の株式を大量に売り渡したというニュースが伝わり、投資心理がさらに萎縮したものと分析されます。
(引用ここまで)


 「真のLK-99、硫黄を添加したPCPOSOSは常温常圧下において超伝導性質を示した」

 4日のアメリカ物理学会で韓国人研究者はそのように発表したのですが。
 そして一部の韓国人は「先生、ありがとうございます」「これで全世界が韓国を崇拝するだろう」みたいは物言いをしていたのですが。

 現実を相手にしている投資家からは嫌気されて、新星デルタテックは一気に14%の下落。
 そりゃまあ、そうですよね。
 昨日も書いたように、LK-99の発表となにが違うんだってレベルのもの。
 新しい材料は1600倍に拡大してようやく「完全浮揚……してる?」ってくらいの画像くらい。


 それでピンニング(磁石上で逆さにしても固定されるマイスナー効果のひとつ)が実現したって言い出しているんですよ。
 そりゃまあ失望売りにもつながりますわ。

 韓国メディアの多くも「セルフ検証だけで新材料ゼロ。自称電気抵抗ゼロ」って形で報道しています。

LK-99研究陣、またセルフ検証…「PCPOSOS」部分浮揚·電気抵抗ゼロも確認不可(朝鮮BIZ・朝鮮語)

 でもまあ、それ以前に1000%上昇したってことなので株価対策としては成功裏に終わったといっていいんじゃないでしょうかね。
 新星デルタテックの1年間の株価の動き、こうですからね。

スクリーンショット 2024-03-06 13.08.31.png
(画像引用元・Bloombergから画面キャプチャ)

 LK-99だけじゃなく、PCPOSOSでも(株価を)盛り上げることができた。
 最初からこれを狙っていたとしたら大成功といえると思います。

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韓国人研究者が「これが本当の常温常圧超伝導物質だ!」とアメリカ物理学会でLK-99後継のPCPOSOSを発表……前のとなにが違うんですかね、これ

カテゴリ:LK-99 コメント:(42)
LK-99の後継の「PCPOSOS」が米学会で発表「常温超伝導体」主張(聯合ニュース・朝鮮語)
常温·常圧超伝導体「LK99」を作ったと主張した国内研究者たちが他の常温·常圧超伝導体を新しく開発したとし、関連研究結果を海外学会で公開した。

彼らは映像を通じてこの新しい物質が超伝導体の特性である磁石の上の空中浮揚を見せたとし、他の研究室を通じて「ゼロ(0)抵抗」を測定する再現実験もしたと明らかにしたが、科学界では依然として公信力のある検証を経ず、彼らの主張をまともに評価しにくいという見解だ。

5日、X(旧ツイッター)などソーシャルメディア(SNS)によると、LK99研究に名を連ねた米ウィリアム·アンド·メリー大学のキム·ヒョンタク研究教授は現地時間4日午前8時12分、米ミネアポリスで開かれた米国物理学会(APS)3月学会超伝導体セッションで常温·常圧超伝導体だと主張する物質「PCPOSOS」研究結果を発表した。

発表は先立って、緑で公開した通り、PCPOSOSという物質がゼロ抵抗、マイスナー効果(超伝導体が外部磁場に反発する現象)、磁石の上での部分負傷など超伝導体の特性を示したという主張が盛り込まれた。

特定の状況では、サンプルが磁石の上で完全に浮く空中浮揚を見せたりもしたとし、1600倍拡大した写真を見せたりもした。

彼は空中浮揚映像撮影とゼロ抵抗実験などが「SCTL」という他の研究室で進行されたと発表し、他のところでも再現結果が出てきたということを強調した。

ただ、ゼロ抵抗データは先立ってLK-99と同様に雑音信号が大きく明確に把握することが難しく、検証機関として紹介したSCTLがどんなところなのかについても特別な説明がなかった。 (中略)

同日の発表現場では、人波が殺到し、傍聴を希望した一部は発表会場の内部に入ることができないほどだったという。

研究者たちはソーシャルメディアに発表資料をリアルタイムで掲載するなど大きな関心を示したが、昨年のLK99発表に比べて大きく進展した内容は出てこなかったという評価が多かった。

特にLK-99開発陣が学会発表を選びながら常温常圧超伝導体サンプルを現場で公開するのではないかという期待も大きかったが、映像公開だけを選び失望したという声もあった。 (中略)

国内の専門家たちは、今回の学会発表が学術的に発表内容を認められるという意味ではないとし、拡大解釈を警戒した。

韓国超伝導低温学会長の崔敬達(チェ·ギョンダル)韓国工学大学教授は、連合ニュースとの電話インタビューで、「学術大会の発表は、一定の要件さえ満たせば誰でもできるもので、学会でその内容を認めた。承認手続きを踏んだという意味ではない」と述べた。

チェ教授は「常温常圧超伝導体を実際に開発したとすれば、標準研究院のような第3の機関で該当物体の物性だけを測定すれば簡単に検証されるだろうし、論文を発表する時もそのような機関の測定値を一緒に提示すればさらに信頼性が高まるだろう」とし「著者たちがまだそのようにしていないので、まだ主張に過ぎないと見る」と話した。
(引用ここまで)


 LK-99に硫黄を添加することで「今回こそ常温常圧の超伝導物質だ」とされているPCPOSOS。
 アメリカ物理学会で発表の機会があり、いくつかの画像、動画が公開されました。
 「学会で発表された=学界で認められた」ではないことに注意が必要です(Xのコミュニティノート風)。


pcpososlevitation.jpeg

 うん、微妙。
 これ、なにがLK-99と違うのって話ですね。
 ぴょこぴょこと端っこだけが持ち上がるパターンと、微妙に完全浮揚している画像。

 記事そのものも「彼らが常温常圧超伝導物質だと主張している」って扱いですし、記事に出てくる研究者も「これだけじゃねえ……」ってなってます。
 もちろん、発表している側は「これが常温常圧超伝導物質だ!」ってやっているんですが。
 まあ、その方向でがんばるならがんばれよ、くらいしか言い様はないかな。


 あ、それと「動画がYouTubeに上がっているかな?」ってPCPOSOSで検索してみたら「ついに彼らが登場しました。大韓の歴史を一気に変える『この発表』、もうすぐ世界が大韓民国を崇拝します」ってタイトルの動画があって、リアルにほうじ茶吹きました。
 この時期、鼻に入るのきついわ……。

 冒頭記事のコメントでも似たようなものが多数ありますね。
 「研究者ががんばって世界を揺るがす発明をしたのに否定的な話をしてどうするのだ」と。
 ファン・ウソクの際のような陶酔にも似た気持ち悪さの度合いはだいぶ少なくなってはいるのですけども。
 「人類の夢を韓国から!」みたいな願望があるのでしょうね。

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韓国の研究者が開発した「自称常温超伝導物質」であるPCPOSOS、明日アメリカ物理学会で発表される

カテゴリ:LK-99 コメント:(49)
議論の常温·常圧超伝導体研究結果、4日に米物理学会で公開(聯合ニュース・朝鮮語)
常温・常圧超伝導体「LK99」を作ったと主張する研究者たちが4日、海外学会で新しく開発したと主張する常温·常圧超伝導体関連研究結果を公開する。

3日、米物理学会(APS)によると、LK99研究に名を連ねた米ウィリアム・アンド・メリー大学のキム·ヒョンタク研究教授とクォンタム·エネルギー研究所の研究陣は、現地時間4日午前8時(韓国時間午後11時)、米ミネアポリスで開かれるAPS3月学会超伝導体セッションで常温・常圧超伝導体だと主張する物質「PCPOSOS」研究結果を発表する。

キム教授は連合ニュースに「この発表が一つの独立的な研究であるだけに新しい論文と見れば良い」として「発表は録画され学会側で6ヶ月間公開するので誰でも見ることができる」と明らかにした。

発表の抄録によると、研究者たちはPCPOSOSという物質がゼロ抵抗、マイスナー効果、磁石の上での部分浮上など超伝導体の特性を示したと主張した。

既存の超伝導体とは異なり、一部だけが浮く部分浮上現象に対して、彼らは磁石の磁場が不均一に現れたもので、これが2種超伝導体で現れる特性だと分析した。

2種超伝導体は上部臨界磁場と下部臨界磁場が存在し、これらの磁場境界で超伝導特性が現れる。

磁石を動かすと空中浮揚位置が回るが、これらはこれを超伝導体特性である「磁気線速固定(flux pinning)」と解釈した。

これと関連した空中浮揚映像2編と磁石映像2編も公開する予定だと彼らは抄録に明らかにした。

今回の発表は一時、抄録が撤回されたと伝えられ、取り消しになったのではないかという観測が出たりもした。

これに対してキム教授は「誰かが名前を詐称して抄録取り消しメールを送り、学会に知らせて正常化した」と説明した。
(引用ここまで・太字引用者)


 真・LK-99であり、常温常圧超伝導物質である(と主張している)PCPOSOSについて、アメリカ物理学会で研究発表が行われます。
 この記事で「くすっ」ってきてしまったのは「クオンタムエネルギーセンターが常温常圧超伝導物質であると主張している物質『PCPOSOS』の研究成果を発表する」って聯合ニュースが書いてしまっているところ。
 まあ、韓国国内の認識もこういうものなのでしょうね。

 以前紹介した動画でも「99%USO(Unidentified superconductive Object=偽超伝導物質)なのは間違いないけど、残り1%に期待している」って日本の研究者が述べていましたが(17分すぎ)。



 正直な話をすると「どこかで信じたい部分がある」のは実際なんですよね。
 誰がどう考えても嘘なんですが。
 コメントでは「特許を出しているのだからファン・ウソクとは違う」とかあるんですが、ファン・ウソクも特許は取ってたんだよね。あと「大韓民国が世界最一流国家として誕生することになりそうです、研究陣に賛辞を送ります」とかもあって苦笑。
 気分は分からないでもないよ。


 っていうかですね。
 「常温常圧超伝導物質である」としていた、LK-99についての言及がゼロ。
 まあ、国内外のありとあらゆる大学、研究機関から否定されている。
 上記の動画でも「うちでもやってみたけど全然だめだったっすわ」って述べていましたね。

 で、「いや、実はこの硫黄を加えたPCPOSOSこそが本物の超伝導物質です」とか言われても誰が信じるんだよって話です。
 「アメリカ物理学会で発表される」っていっても持ち時間は13分
 ポスター発表で横に立つってヤツじゃないので、それなりには「発表会」の体裁はあるようですが、実際にはアブストを出せば誰でも参加できるていどのもの。

 個人的には「がんばってほしい」とは思うのですが、どう考えてもねぇ……。

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韓国メディア「LK-99騒ぎで韓国学会は困惑している。アメリカ物理学会でも13分しか枠がもらえなかった。2001年の日本の超伝導物質は4時間の大々的な特別セッションだったのに」

カテゴリ:LK-99 コメント:(68)
学界も困惑……騒々しい「超伝導体テーマ株」(朝鮮日報・朝鮮語)
昨年上半期までは「常温超伝導体」という概念は一部の物理学者の関心事でした。 しかし、今では株式をする人なら誰でも一度は聞いたことがある話になりました。 昨年夏、国内研究陣が常温超伝導体「LK-99」を開発したと主張し、超伝導体のような話が入った関連株は急上昇と暴落を繰り返しました。 その後、静かだった常温超伝導体が再び話題を呼んでいます。 (中略)

常温超伝導体イシューが再び復活したのは、LK99を開発した米国ウィリアムアンドメリー大学のキム・ヒョンタク教授とクォンタムエネルギー研究所のイ·ソクベ代表などが来月4日、米国物理学会(APS)学術大会で新しい常温超伝導体「PCPOSOS」研究成果を発表するという便りのためです。 研究所側は、PCPOSOSがLK-99に硫黄(S)を加えた新しい物質だと明らかにしました。 先立ってLK-99論文が正式学術誌ではなくオンライン事前公開サイトを通じて出てくる過程で浮上した混乱に対して謝罪したりもしました。 今回は違うということです。

学界では荒唐無稽だという立場です。 昨年12月、国内専門家で構成した「韓国超伝導低温学会LK99検証委員会」は公式的にLK99が常温超伝導体という根拠がないと結論付けました。 ある物理学界関係者は「学会は誰もが申請すれば研究成果を発表できる席」として「APSホームページを見ればクォンタムエネルギー研究所発表時間が13分と出ているが、誰もが抄録さえ出せば発表が可能な一般セッションということを意味する」と話しました。 実際、APSは2001年にもう一つの超伝導体を発見したという日本の研究チームを招待し、4時間の特別セッションを開いたことがあります。
(引用ここまで)


 真・LK-99ことPCPOSOSの学会での発表まであと10日あまり。
 韓国からは「アメリカ物理学会で発表するのだから、今度こそは本当に違いない」みたいな期待が出ているのですが。
 根本的にどんなものであっても学会で発表はできるんですよ。大きな学会だとステージはひとつだけじゃないし。
 音楽の大型フェスみたいなもので、メイン会場から場末の会場までいろいろあるのですね。

 記事中に「2001年には日本の他の超伝導物質について4時間のセッションが行われた」とありますが、これはおそらくMgB2のことかな。
 これは学会に招待されたもので、ちょっと検索してみたらシンポジウムが午前1時まで続いたとかありました。
 約40Kで超伝導になるっていうMgB2は学会にかなりの衝撃を与えたのですね。


 それに比べてPCPOSOSは13分。
 まあ、これが実際の立場でしょう。
 というか「アメリカ物理学会で発表した」とかいう権威付けに利用しようとしているわけですよ。

 論文も同様なのですが、「学会誌で発表された」ってものを利用する詐欺師が山ほどいるのです。
 今回も間違いなくそれ。
 あと「アメリカの科学誌がLK-99を肯定的に評価した」って話でまた株価が乱高下したそうなのですが。

新星デルタテック株価市場の12%台急上昇、米国科学専門誌LK-99肯定評価(ビジネスポスト・朝鮮語)
ポピュラーメカニクスはこの日に出した記事で「多くの論争があった物質であるにもかかわらず、科学者たちは常温超伝導体候補物質としてLK-99に対する研究を続けている」と述べた。

続いて「LK-99は超伝導体分野に対する人類の理解を広げてくれている」とし「成功すればそのまま良いものであり、失敗しても超伝導体研究でLK-99式以外の方向に研究を進めればよいという教訓を得ることができる。だから」と話した。
(引用ここまで)

 「超伝導というものを一般に広めてくれたことはいいことだ」「成功も失敗もどちらも糧になる」って書かれているレベルなんですが……。
 これを「肯定的評価」って受け止められるのがすごいわ。
 もはやなんにでも噛みつく状況になってますね。

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韓国人「今度の真・LK-99であるPCPOSOSこそ本当に常温超伝導物質だ。その証拠に磁石の上で部分的に空中浮遊した!」……またそれか

カテゴリ:LK-99 コメント:(56)
LK-99に続く「次世代」常温超伝導体が出るか…PCPOSOSの正体は(マネートゥデイ・朝鮮語)
2023年7月「常温常圧超伝導物質」LK99を開発したと主張し、全世界を騒がせたキム·ヒョンタク米国ウィリアム&メアリー大学物理学科教授とクォンタムエネルギー研究所研究チームが他の超伝導体主張物質「PCPOSOS」を持って来月演壇に立つ。

米国物理学会(APS)が公開した日程によると、ウィリアム&メリー大学物理学科のキム·ヒョンタク教授、クォンタムエネルギー研究所のイ·ソクベ代表などは3月4日(現地時間)、米国ミネソタ州ミネアポリスで開かれる米国物理学会年次会議で超伝導体主張物質「PCPOSOS」の実験結果を公開する。

キム教授研究チームがAPSに事前公開した発表要約本には「常温·常圧で超伝導特徴を示す物質『PCPOSOS』を合成した」と明示した。 研究チームによると、PCPOSOSは既存のLK-99に硫黄を追加した物質だ。 PCPOSOSを磁石の上に置くと、ゼロ抵抗とマイスナー効果(完全反磁性)など超伝導物質の特性が現れたと説明した。 また、物質が磁石の上で部分的に空中浮揚したという結果を出した。
(引用ここまで・太字引用者)


 LK-99騒動はまだ収まっていない、ということでクオンタムエネルギーセンターがいうところの真・LK-99であるPCPOSOSについてのお話。
 ちょっと詳細が出てきたのでピックアップしておきましょう。

 記事の太字部分。
 物体が部分的に空中浮遊した、というもの。
 ……それただのLK-99なのでは。
 発表当時のLK-99の画像がこちら。

スクリーンショット 2023-12-07 12.01.28.png

 見ての通り、微妙に浮いています。その画像のわかりやすさから、ネットで話題になったわけですが。
 本物の超伝導物質であれば、そうはならんから。  


 超伝導について分かりやすい動画があったのでピックアップしましょう。
 日本の物質・材料研究機構 ── NIMSにGizmodoのリチャードが訪問したものです。



 途中に「マイスナー効果で磁石がピン留めされる」シーンがあり、逆さにしてもピン留めされたままなのがわかります。
 これがまっとうな超伝導物質であり、「その上で磁石が浮く(ピン留めされる)」のであり、磁石の上で物質の一部がぴこぴこするなんてていどのものは超伝導物質ではありえないんだよなぁ。

 おまけに今度は「硫黄を加えた」ってしていますが、LK-99が超伝導物質っぽい動きを見せたのはまさに「硫黄を含んだ不純物(CuS2)が一定の温度で電気抵抗が下がる」からだったというオチでした。
 なんというか、実物を見る前からオチが分かっているのですが。
 まあ、株価対策にはそうせざるを得ないのでしょう。

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