韓国政府が米アラスカ液化天然ガス(LNG)開発プロジェクトに参加する可能性を高めている。米政府による関税などの圧力を低めるのが目的だ。投資をする場合、韓国ガス公社が韓国の「キープレーヤー」となるとみられる。
政府によると、トランプ米大統領は9日、韓悳洙(ハン・ドクス)大統領権限代行首相と28分間の電話をした直後、自身のSNSに「アラスカ州ガスパイプライン事業などを議論した」と明らかにした。関税交渉のために米国を訪問した鄭仁教(チョン・インギョ)通商交渉本部長も「アラスカLNGと造船を交渉テーブルに載せて十分に協議していくことになるだろう」と話した。 (中略)
政 府は投資をする場合、ガス公社を主軸に事業を進めるという内部方針を立てた。具体的に事業はインフラ(ガス処理工場・パイプライン・液化処理施設など)建設とLNG購買の2つだ。核心は総事業費が440億ドル(約6兆3200億円)と予想されるインフラ建設だ。アラスカの厳しい気候環境などを考慮すると事業費はさらに増える可能性もある。
問題はガス公社の財務構造がこれに対応するのが難しい点だ。昨年末現在の民需用都市ガス料金未収金は14兆ウォン(約1兆4000億円)で、前年比で1兆ウォン増えた。負債総額は47兆ウォンにのぼる。負債比率は400%を超えた。長期間にわたり都市ガス料金が原価を下回る「損する商売」をしてきたからだ。政府の支援が必要だが、大規模な税収欠損のため財政に余裕がない。
コンソーシアムを構成する形でガス公社が民間企業と手を握る方法が代案として言及されている。しかし仁荷大のカン・チョング・エネルギー資源工学科招聘教授は「国内外を問わず民間の業界はアラスカ事業のリスク(危険要因)が非常に大きいとみている」と指摘した。すでにグローバル石油・ガス企業のエクソンモービルなど主要企業が投資を検討して手を引いた状態だ。
(引用ここまで)
韓国もアラスカ産LNGへの参画を考慮しているとされているのですが。
その際に最大の問題になるのが韓国ガス公社にまったくもって余裕がないこと。
ムン・ジェイン政権時代に原価以下でガスの供給を延々とさせられ続けた結果、負債は47兆ウォンを突破。
負債比率は400%。
ムン・ジェイン政権時代は物価が安定していたとか言い出しているメディアもあるのですが、公社系が山ほどの赤字を抱えさせることで仮初めの安定を得ていたに過ぎないのですよ。
あというほど物価安定はしてなかったわな。
物価安定してたら金利を上げたりしないだろうに。
その一方でアラスカ産LNGの参画は米韓関係を考えてもなんとかしたいと現政権は思っているのでしょう。
まあ、イ・ジェミョン政権になったらどうなるか分かりませんが。
なにしろ「ウォンを国際基軸通貨(ハードカレンシー)にする」とか言い出すレベルの人なので。
「基軸通貨入り(ハードカレンシーになれたら)できたら負債もすべて解決する」とか言っちゃうくらいには「経済通」なんですよね。
イ・ジェミョン「もっと政府負債を増やすためにウォンを基軸通貨入りさせなければ」→野党代表「国の負債解決のために基軸通貨国とか胸が高鳴るわ」(楽韓Web過去エントリ)
おまけに反米志向を隠そうともしていませんし……。
イ・ジェミョンが大統領になったら米韓関係がどうなるかってコラムをnoteで書いているのでそちらもどうぞ。
まあ、どっちにしても韓国ガス公社、あと韓国電力公社あたりが救われるルートは見つかりそうにないですね。
ムン・ジェイン政権下でやってきた公社いじめはそのまま継続しそうですし。
韓国人「日本は交通料金が高いよね」……「韓国の交通料金、電気料金が安い理由」の結果、5大公社の負債が320兆ウォン超えで首も回らない状態に(楽韓Web過去エントリ)
基本、イ・ジェミョンは「大きい政府」の信奉者で、ベーシックインカムをやりたくてしかたがないって方向性。
政府債務なんていくら膨らんでもいいってくらいの認識しかありません。
まあ……日本のほうさえ見なければなにやってくれても構わないんですけどね。
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中味は長編記事。最新の記事は「イ・ジェミョンの「嘘つき」実績、晒します」となっています。
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