韓国経済の忍耐力が弱まりマイナス成長の可能性がさらに大きくなったことがわかった。少子高齢化で潜在成長率が下落している上に輸出品目多角化などの構造改革が遅れ米国の関税政策のような外部からの衝撃に弱くなったためだ。長期低成長の危機から抜け出すには金融緩和式の短期浮揚の誘惑から抜け出し、中長期的な経済体質改善に国の能力を集中しなければならないという声が大きくなっている。
韓国銀行によると、2008~2009年の世界的金融危機後、2010年代中盤まで四半期別実質国内総生産(GDP)増加率がマイナスを記録したのは2008年10-12月期のマイナス3.4%だけだ。だが出生数が急激に下落し始めた2015年以降では2017年10-12月期のマイナス0.2%、2020年1-3月期のマイナス1.3%、同年4-6月期のマイナス2.7%、2022年10-12月期のマイナス0.5%、2024年4-6月期のマイナス0.2%、今年1-3月期のマイナス0.2%とすでに6回に達する。 (中略)
少子高齢化は内需の基盤である民間消費をさらに押さえ付けている。最近発表された韓国銀行の報告書によると、生産人口減少、経済基盤が弱い1人世帯の増加など人口構造変化が2013~2024年の消費増加率を年平均約0.8ポイント鈍化させたことがわかった。この期間の消費傾向増加率が2001~2012年より1.6ポイント下落したがそのうち半分が人口の崖のためという意味だ。細分化してみると、労働投入減少にともなう所得創出余力低下が0.6ポイント、老後不安にともなう消費性向減少が0.2ポイントほど費用を減らさせたと分析される。2012年は生産人口の割合が73.4%で最も高かった年だ。 (中略)
パク次長は「景気的要因にともなう消費鈍化は(追加補正予算案編成など)景気対応政策が効果的かもしれないが、傾向的・構造的要因による消費鈍化現象は構造改革を通じて解決しなければならない。例えば第2次ベビーブーム世代がリタイア後に自営業へ過度に進入せず安定した常用雇用で長く働ける環境を用意することがひとつの対案になりえる」と話した。
(引用ここまで)
韓国経済の基礎部分が揺らぎはじめているために、マイナス成長の危険性が増えているとの分析。
まあ、そうですね。
記事中にもありますが、少子高齢化が原因のひとつであるのは間違いないところ。
というか、少子高齢化の勢いが激しすぎて経済・社会への影響がどのくらいあるのか分からないんですよね。
なにしろ高齢化社会(65歳以上が全人口の7%)から、超高齢社会(同20%)になるまでの時間が異常。
ドイツは76年。日本が35年。
韓国はわずか24年で到達。
ちなみに現在、とてつもない少子高齢化で韓国を追いかけている中国ですが、おそらく32〜33年くらい。
韓国にはかなわない……というか、こんな国は空前絶後でしょうね。
最近になって韓国銀行が「日本に似通った韓国経済」ってレポートを出したのですよ。
韓銀「日本に似た韓国経済…」「創造的破壊で活力を取り戻さなければ」(聯合ニュース・朝鮮語)
バブル破裂時に日本の民間負債はGDP比で214%に達していたのに対して、韓国のそれは207%。
これは企業、家庭、自営業なども含んだものですかね。
それ以外にも人口動態や不良債権についてもバブル期に似た水準にあり、日本と同じ方向性に向かうって報告書なのですが。
日本は韓国と違ってなんとか資本蓄積をしましたからね。まだなんとか間に合ったほうなのです。
韓国は……うん、がんばれ。
ちなみに家計債務については2021年頃にGDP比100%を突破しましたが、現在はじわじわと下がりつつあり、93%ほど。
可処分所得を下げてまで借金返済に向かっているので状況がだいぶ悪い。
ちなみに韓国よりもGDP比で上の国はスイス、カナダ、オーストラリアだけ。
金融立国であるスイス、資源大国であるカナダ、オーストラリアとがっぷり四つに組んでいるのですから、ある意味で韓国も大国といえるのではないでしょうか。
ちなみに日本は61%、あのアメリカが72%。どんだけ韓国の状況がひどいのか分かりそうなもんです。
韓国の現状は国民がこぞって不動産買って需要が高まってそのまま高止まり、結果として流動性を失って塩漬けされているのです。
それでこんなに経済が厳しくなっているんだからすごいというか。
どんだけ不動産、建設業に頼ってきたんだよって話ですね。
おまけに少子高齢化で実需も失いつつある。
もうすでに地方での不動産は終わりです。少なくとも日本以上に終わり。
ソウルとその周辺地域をどこまで持たせることができるかなぁ……ってところです。
そうした「身の丈にあった」経済政策がイ・ジェミョンには求められるのですが……。
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中味は長編記事。最新の記事は「 政権交代でなにもかもがひっくり返る韓国、日本はイ・ジェミョンにどのように対応すべきなのか 」となっています。
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