韓国の全国各地で大観覧車の設置ブームが起きている。江原道束草(ソクチョ)、慶尚南道泗川(サチョン)などの一部地域の大観覧車がレトロブームの中で大きな人気を集めたことで、「商売になる」という認識が地方自治体の間に広がったからだ。だが、2010年代に突然の人気に便乗して全国各地にかけられた「つり橋」のように、時間がたつと訪れる人が減って収益が悪化し、厄介者へと転落してしまう恐れがあると懸念されてもいる。
最近の大観覧車ブームをさらに熱くしたのは忠清南道唐津(タンジン)の挿橋湖(サプキョホ)大観覧車だ。1993年の大田(テジョン)万博の際に設置されたもので、8年前に「くず鉄価格」で売られ、挿橋湖に移設されたこの大観覧車は最近、「人生ショット(人生で最高の写真)」を撮りたいMZ世代の間で「田んぼビュー大観覧車」、「インスタホットプレイス」として話題になり、人気の観光地となった。昨年の忠清南道地域のナビゲーション検索データ1位となるなど、年間500万人が訪れている。
このように大観覧車が人気を集めたことで、追随する自治体も増えている。忠清南道保寧市(ポリョンシ)は、元山島(ウォンサンド)への大観覧車の設置を推進している。205億ウォン(約23億4000万円)の民間資本を誘致し、高さ84メートルもの大観覧車を設置する計画だ。忠清北道堤川市(チェチョンシ)は200億ウォン(約22億8000万円)をかけて清風湖(チョンプンホ)を望む高さ65メートルの大観覧車を、世宗市(セジョンシ)はチェ・ミンホ市長の公約である錦江(クムガン)の河原への大観覧車設置を推進している。
嶺南(ヨンナム・慶尚道)と江原地域でも急速な動きが見られる。大邱市達城郡(テグシ・タルソングン)は花園(ファウォン)観光地内に100億ウォン(約11億4000万円)ほどをかけて高さ100メートル規模の大観覧車の建設を推進している。年間利用客は18万人ほどで、年間19億ウォン(約2億1700万円)の収益を見込んでいる。慶尚北道盈徳郡(ヨンドックン)も500億ウォン(約57億円)の民間資本の投入により、高さ140メートル規模の大観覧車の設置を目指している。盈徳郡の関係者は「年間75万人を超える観光客の流入により、1304億ウォン(約149億円)の経済的波及効果、515人の雇用誘発効果が見込める」と述べる。江原道春川市(チュンチョンシ)も衣岩湖(ウィアムホ)の湖畔に200億ウォン以上の民間資本を投入し、高さ110メートル規模の大観覧車を設置する計画がある。
首都圏も例外ではない。ソウル麻浦区上岩洞(マポグ・サンアムドン)に大観覧車「ソウルリング」を設置する事業は、今年9月に企画財政部の民間投資事業審議委員会を通過するなど、急ピッチで進んでいる。「ソウルリング」はハヌル公園の2万平方メートルの敷地に4000億ウォン(約456億円)の事業費を投入する民間投資事業で、2025年の着工、2027年末の完成を目標としている。ソウル市は年間350万人以上の利用を期待している。仁川(インチョン)経済自由区域庁も昨年1月、松島(ソンド)6・8工区開発の青写真を公開した際に、仁川大橋が望める海辺に大観覧車などを備えた都心型テーマパークを建設する計画を発表している。
(引用ここまで)
韓国でインスタ映えする観覧車が乱立しようとしている、とのニュース。
長らく韓国事情を見てきた楽韓さんには透けるようにその意図が伝わってきますね。
アミューズメントパークを作るにはかなりの工事費が必要になるのですよ。
ユニバーサルスタジオジャパンの工事費は500億円を超えるものでした。
開園するだけでそれだけの費用がかかるわけですね。
でも、観覧車単体を立てるのであれば、そこまでの費用もかかりません。
ざっくり記事を見るかぎりでは100億ウォンから500億ウォンといったところ。
ランドマークがほしい地方自治体にとっては「出せない額ではない」のがキモなのです。
これまで韓国ではアミューズメントパーク構想が出ては破綻し、また出ては破綻することを繰り返してきました。
2005年に「ソウルにディズニーランドが」との報道があり。即座にディズニー側から否定されるというお約束がありました。
それでもさらに2006年にも「韓国にディズニーランドが」みたいな報道が出ています。
ユニバーサルスタジオコリアについても「誘致成功→嘘でした→再交渉→嘘でした→期限延長→やっぱり嘘でした」みたいな経緯を辿っています。
韓国ユニバーサルスタジオの誘致に成功 → 嘘でした → 再交渉中 → 嘘でした → 期限延長 → やっぱり白紙撤回(楽韓Web過去エントリ)
巨額の赤字に苦しむ水資源公社が土地をユニバーサル側に高く一括で売りつけようとして拒絶されたことが原因ともされています。
ま、このようにしてアミューズメントパーク構想は頓挫し続けてきたわけです。
唯一の成果はレゴランドですがあの体たらく。
そこで白羽の矢が立てられたのが「観覧車」というわけです。
ぱっと記事を見ただけでも8つの観覧車が計画されています。
ちなみに世界最大の観覧車はドバイにあるドバイ・アイ(高さ240メートル)。日本で最大は大阪にあるOSAKA WHEEL(123メートル)。
韓国のこれらの計画でどれだけ観光客を集められるのか、楽しみですね!
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