ドナルド・トランプ米大統領が10日(現地時間)、米国に輸入される鉄鋼とアルミニウム製品に関税25%を課すとし、国によって悲喜が交錯することになった。 今回の関税賦課対象国は友好国まで含む例外がないことで、トランプは「これは米国を再び豊かにするための始まり」と話した。 ただ、今回の関税賦課施行が来月12日から発効されるため、国別に米国と水面下の交渉が激しく展開される見通しだ。 すでにオーストラリアは前回のトランプ1期の時のように今回の関税賦課で例外になりうるという便りが出ている。 (中略)
ベトナムと対米鉄鋼輸出量がそれぞれ4位と6位の韓国と日本は、今回の関税で打撃を受ける国として指摘されている。 特にベトナムは昨年、対米鉄鋼輸出が前年比140%、台湾も75%増加した。
(引用ここまで)
トランプ大統領による鉄鋼・アルミニウムへの25%関税賦課について、韓国では「かなりの打撃になるだろう」としています。
第1期の際の鉄鋼関税については韓国は「クォータ制の導入」で免除されました。
1年の輸出総額を「過去3年間の平均輸出額の70%以内にする」というものでした。
なぜかクォータ制導入以前の鉄鋼は勘定に入らないと勘違いした韓国鉄鋼企業がさかんに対米輸出を行って、クォータ制導入と同時に1年分の割当の相当量を使い果たしていたなんて小さい笑いもあったりしました。
このあたりの経緯はこちらにありますのでご参考までに。
アメリカが韓国への鉄鋼関税免除を行った理由……これはえげつない……(楽韓Web過去エントリ)
それ以外にも為替介入に対する報告書の提出が義務づけられるなどしていました。
おそらくはこれが免除の本命だったと思われます。
今回はそうした特例もほとんどなく、対米貿易黒字のないオーストラリアだけが免除されるのではとの話です。
さて、韓国の対米鉄鋼輸出額は35億ドル、今日のレートで5400億円ほど。
日本のそれは3026億円。
かつ、日本からの輸出される鉄鋼は高品位製品がほとんどで価格競争力の高いものが多い。
前回も「そこまで影響はない」とされていましたし、今回もそこまでじゃないんじゃないかなぁ。
ちなみに日本から世界への輸出総額は107兆円。対米で21.2兆円。
対米輸出額の1.4%相当。
韓国の対米輸出総額は1277億ドル。
35億ドルの鉄鋼輸出は2.7%相当。鉄鋼の細かい品目・種別まではわかりませんが、額的、率的に見てもちょっときついかな。
まあ、それでも日本は「除外に向けて交渉する」との話を出しています。
国内政治が混乱の極みにある韓国は……そもそも交渉の陣頭指揮って誰が取るんでしょうかね。
本来ならチェ・サンモク企画財政部長官(財務相に相当)ですが、現在は大統領代行の代行をしているのでそんな時間もないでしょうし。
ま、韓国は韓国でがんばってくださいね。
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