コロナ19以降、自営業貸付が40%以上増え、1000兆ウォンに迫り、来年から低所得自営業者を中心に債務返済リスクが大きく増える可能性があるという分析が出た。また、コロナ19ファンデミックによる金融支援措置が終了した場合、潜在信用損失が現実化し、銀行の貸倒費用が増加し、国内銀行の自己資本比率は最大1.4%ポイント(p)下落する可能性があると推定された。
韓国銀行が22日に発表した「金融安定報告書」によると、自営業者融資は3月末現在960兆7000億ウォンで、コロナ19直前の2019年末比40.3%増加した。増えた借金は「ゾンビ自営業者」を量産するのに使われた。事業所得のない自営業者の割合は、2019年の7.6%から2020年の8.6%に増加したが、廃業率は 12.1%から10.9%に減少した。商売でお金を稼げなければ廃業が自然であるにも関わらず、政府支援策を受けるために廃業を延期したのだ。
イ・ジョンウク韓銀金融安定局長は「廃業すれば金融支援の恩恵が途切れるため、業況が悪いのに事業者の身分を維持しながら廃業率が下落した」と説明した。しかし、来年からはこのような状況が反転し、借金ができない自営業者が続出する可能性が高い。
(引用ここまで)
先日、全世界を見渡しても韓国だけが家計債務でGDP比100%超えを達成している、というニュースをお伝えしました。
もちろん、経済規模比での借金額も世界一。
全世帯の1/6が可処分所得をすべて借金返済に廻しても間に合わないレベルで借金をしている。 20代、30代はかなりの額を借り入れて投資に廻して階層脱出を狙っている、という状況。
そんな中、政策金利の引き上げが続き、不動産ローンの金利が7%に到達すると月の借金返済額が300万ウォンになるだろうという予測がありました。
そしてすでに一部都市銀行の不動産ローンは7%に到達しており、年内には「平均で」8%になるだろうとの予測もあります。
ちなみに不動産ローンのうち、7〜8割が変動金利を選択しているとのこと。
……史上最低の金利だったからそれを充分に活かしたかったのでしょう。
高額ローンは固定金利が基本なんですけどね。変動金利にするなら繰り上げ返済を一定額以上やれる環境でないと。
さて、そんな中で「もうひとつの雷管」である自営業への貸し付けが1000兆ウォンを超えそうだ(実際にはおそらく超えている)、とのニュース。
2019年の終わりには684兆9000億ウォンだったものが、わずか2年3ヶ月で960兆7000億ウォンにジャンプアップ。
2019年末比で約40%の増加。
しかも、その多くが焦げつく危険性があると。
というのも、新型コロナ禍での優遇措置で自営業者への貸し付けを行ってきた結果、多くの自営業者が収入はないのに食いながらえる状況になってしまった。
そうした「ゾンビ業者」が貸し付け終了と同時に潰れる。
当然、融資の回収はできずに不良債権化。
銀行の自己資本比率が悪化して、他の業者への貸し渋り、貸し剥がしが横行することになるだろう……と。
地獄か。
不動産ローンとはまた別口でこうして「借り入れ危機」が生じようとしている。
しかも、同時期に。
以前から自営業者による借金は家計債務にも企業債務にも組み入れられていない、隠れた債務として扱われてきた部分があるのですが。
ここで一気に膨れ上がってくるとはなかなか象徴的。
韓国のGDPがだいたい2000兆ウォン。家計債務がその額を超え、自営業者の事業債務がその半分ほど。
以前から楽韓Webでは「韓国で大きな経済問題が起きるとしたら、今度は対外ではなく国内問題」という話をしてきましたが。
ユン政権はこの問題を軟着陸させることができますかね?
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